「若いときの哀しみはもう、癒えたかな」
彼は笑う。
嫌な想いをしてきたのは知っている。
無論、すべてを理解しているわけではないが。
「でもさ、老いて味わう嫌なことが癒えるのはいつかな?」と、また笑う。
当たり前が珍しい?/当世労働者覚書・109
人の温かさや寛容さ。
出逢うことができれば嬉しい、ホッとする。
誠実な笑顔や精魂を込めた姿勢に対しても。
原則や倫理を柔軟に死守する身体にも賛辞を贈りたい。
珍しく感じるのは賃労働の現場が問題だから?
多死社会/この領土で・567
多死社会という。
が、その前の認知症、その他の疾患問題。
見守りや余裕、穏やかさや優しさ、ゆっくりとした対応が大切というのだが。
「今の日本の求めている文脈と真逆じゃん」と。
力をなくすという大仕事。
帰るところ/歩く・56
無節操に対抗するのに、持つべきはヴィジョンだ。
無力であっても。
たえず帰っていくところがなければ遠くへも行けない?
むしろ、まだ視ぬ地平の位置感覚さえつかめないだろう。
行きつ戻りつ歩んでいくのだ。
今日の3つ/言葉・155
たくさんの言葉が消費されている。
ただ、と想う。
ただ、3つ4つの言葉があれば凌いでいけそうなときも。
例えば、あくまでも誠実にとか。
相手の立場を出来うる限り想像するとか、負けない術を考えよなどだ。
ゴミを出さない/この領土で・566
ちょっとした買い物をする。
周囲は捨てるものだらけになる。
今やゴミを出さない生活だけでも大変なのだった。
子どものころ一升瓶を持たされ醤油を買いに行ったなと。
貧しさがいいとは決して想わないけれど。
伝えたいことを/言葉・154
分かりやすいように記す。
その営為を、なめているととるか、助けられるととるか。
言葉遣いは、受け手により変えて当然なのだったが。
自分との対話がそのまま伝われば幸運か。
今日も伝えたいことを伝えたい。
財力を現した体型/身体から・157
裕福かどうかの象徴、体型。
かつて、お金持ちと言えば太っていたが、今や、筋肉質でやせているほうが財力の結果とも考えられている。
貧乏人との区別は消えたのか。
もっとも小太りのほうが長生きするとの説も。
一体何人が…・風に吹かれて2019/合掌・64
自殺が減少したという。
が、単純に喜べないのは、人口もまた減っているからだ。
今までどれほど亡くなってきたのだろう。
人を騙し生きていくのが嫌で死んだ方もいるのだった。
合掌してから、顔を上げていく。