深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

まだ視ていた/彼・13

近代絵画の複製を視ていた。
中年男が寂しげに緑道を歩いている、それだけの場面。
ただ、長く気になってきた。
そうして、「そうだったのか」と。
男の視ているものを視ない限り、視続けていくのだろうと――。