深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

聴きたい/手紙・8

今、いるのだろうか。
見つめたい人々が。
賢明に暮らし、少し、ほんの少しだけ踏み外しただけで、倒れてしまう人たち。
その中に、見つめたい人々は何人いるだろう。
拝啓などつけずに聴きたい、総理大臣殿に。

▲『足先』(写真)
積もっている。
落ち葉が。
足先が視えないのだった。
うれしい^^。

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【アクターと塵/今日も少しだけ】
 最近、『三島由紀夫VS東大全共闘』という映画で、話題となった人がいる。
 芥正彦氏だ。

 実は、10代のころ、ファンになった。
 女優だった内縁の妻の病と対峙したときの文章を読み、その真摯な熱情には、胸がしめつけられたものだ。
 確か、ストリップ小屋に出演したこともあると知ったときには、「底の底、やっぱ徹底的だよなあ」と。

 宮谷一彦氏らと一緒にテレビに出て、加藤某に一方的にまくしたてていた姿は、今でも覚えている。
 あれでやられた青少年たちは、一定数いるのかなと。
「近代」と加藤が言おうものなら、「近代とは一体いつからいつまでなんだ、言ってみろ」等々。
 痛快だった。
 そう、塵芥の痛快、これだ。

 もう1人の長髪、宮谷氏はたったひと言だけ、発していた。
「ぼくが人間に視えますか?」
 これまた、しびれたものだ。

 三島との討論時、すでにあれこれは終焉しており、「それでも何かせざるを得なかったのだろう」との指摘もある。
 が、わたしにしてみれば、あの12チャンネルの番組も含め、今も響いてくる方ではあるのだった。

 ちなみに、『あぶない刑事』に出演しており、「えっ、芥正彦かあ?」とたまげたものだ^^。
 難解とよく言われているが、「愛と変革、何よりやさしい人なんだよな」と、感じている。

 ちなみに、初代論破王の芥氏だが、議論する相手の本などは徹底的に読み抜いて、現場に現れたのだとか。
 そうして、議論相手の言おうとすることを、先に言ってしまう。
 すると、相手は何も言えない…。
「なるほどなあ」と。

 宮谷氏の新作が期待できなくなった現在、「芥氏の新作はどうなるのかなあ」と。
 そうそう、最近の芝居のチラシには、次のような言葉が書かれてあった記憶がある。

「今、絶望するなんて、それはせっかちというものではないのか」
 大笑いして、芥氏らしいなと^^。

 どうか、今日も、ご無事で。


【追記/「さてっと」】
 ちなみに、今の高校生たちが、芥氏の話を聴きにくるという。
自民党ならぬ無人党で、結構つらいものだよ」と、インターネット上のラジオ番組で、ジョークを言っていたが、「そんなことはなかったじゃん」と。

 思えば、わたしもまた、若いころに出逢って、60代後半にいたっても覚えているのだったが。

 氏は、“エロチックな事件”だったのかも知れない。
 佳き今日を。