2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧
愛を決めつけてみたり、正義で正当化してみたり、夢から責めてみたり、 足を踏んでおいて片想いしてみたり、 ついには言葉で斬りつけてみたり、切り捨ててみたり…。 ──楽だろうなあ。
専門化ではなく、業界化していく落とし穴。 例えば思想・哲学業界。 せめて業界用語の使用は御法度で。 今も「抽象は日常語で」、「解釈より変革を」が基点のはず。 もちろん、血のにおいはもう、御免だ。
老夫婦がラーメン屋で、ゆっくり食事をしていた。 顔を上げ、時折笑みを交わす。 そうしてまた味わう――。 馳走はソース焼きそば大盛り1つ。 入院前の景気付けという。 「また来られるとは約束できませんし」
体得以前に知ることができる時代。 前世紀から持ち越された問い、 体験の体験・体験の情報・情報の情報・そうして情報の体験──。 今も続く「確かなことは不確かさ」の渦中、 質流れした体験を取り戻し始める。
自分と正面衝突しているより、 ごく身近な人の心持ちや体調、労働状況を推し量れば、 暮らしは変化していくもの。 たとえ、すれ違いざまであったとしても──。
売り買いされる土地も大地。 許してくれるだろうか。
聴いただけで先走らず、 真剣であっても深刻にならないこと。 説明して説得しない点も肝要か。 追い詰められるより孤立が離脱の由縁。 逃亡できるのなら、それもよし。 ただ、食卓だけはたえず成立させようか。
「怠けるな」なる一言で人が動くと勘違いの怠惰。 「臆病者」の一言で人に勝ち誇る臆病。 「幼い」なる一言で人を見下す幼稚。 わたしは、怠惰・臆病・幼稚の親和力を忘れたくはないのだが──。
忘れないでおこう。 粘り強く、明るい姿勢の根底に、 恐れがあればこそ、共生できるのだと。
本当や本質、本物や本来と、 つい口に出して言う。 が、本来、本物の本質は、 関係性によって変化していくもの。 本当のところ。
魅力的なもの、さまざまにあれど、 命の魅力で十分。 あれこれ食すが、 自分の命だけで本当は十二分。
非売品の暮らしを求めて。
単なる臆病でいいときがある。 人を傷つける関係性よりタチの悪い、 存在を認めない、認められない文脈が増殖する中で。 怠惰や幼稚、吝嗇が求められるときもあるのだった。
食卓を親しく囲んだ人が亡くなるたび、 「150億年後の再会」という話がリアルに迫って来る。 その時、地球があるのかどうか…。 いや、別の宇宙が誕生中かも知れないのに。 生ある限り、合掌から始まる朝。
何が怖かったかと言えば、やはり『へび女』(楳図かずお・作)。 化け物を恐れないで済む方法は1つ、 化け物そのものになることと知ったものだ。 化け物化しつつも、今も怖がる側にいる奇妙な安心感。
夏でも人の影が失われる黄昏。 バスにも乗らず、歩いて帰ろう。 皮膚から滲む戦に加担しない方途を探りながら。 既知の方法さえ知らないわたしを、思い知るだけでも十分。 何台もバスが通り過ぎてゆく。
寂しい雨が降っている。 いっそ激しくなればいいものを。 熱い紅茶をのもうか。 あなたを許すとか許さないとか、言える術はない。 濡れて冷えた身心を、まず温めよう。 窓は、虹が出たとき開け放てばいいさ。
夢の残高はほぼない、 つまりはすべての利子と縁がない。 サッパリしたものだ。 “悩み一般”の勝手さとも縁を切るさ。 飾られた明るい下着の如き真夜中に、 もう1杯分、話をしていよう。 始まりについて。
何があろうが、とりあえずの分配で、 まずの応急処置。 と同時に、目指すところでもある、 分け隔てなく配る営み。
無力感を抱えたまま、嘆くばかり。 分断された心・脳・身体の交通渋滞に馴染めるはずもなく、 思うは、夢物語と揶揄され、なおも事態が微かに動いた歴史。 非現実という現実の世界を想像し続けていよう。
雨の垂直的な打撃、 紫陽花の柔らかいまどろみ、 そうして、ついにやって来るだろう、 色彩のただならぬ一斉蜂起。 思い出す、叫びとは突き抜けてゆくこと、夏の身体のこと。 太陽で満腹の、夏の夏がもうすぐ。
この世にたった独り──。 そんなことがあるのかな。 例えば、惹かれる1本の木に、腹で話しかけてみるんだ。 「よく来た」と、深い静かな声がするはず。 潤いに満ちた気配とともに。
人が人にとっての地獄の世を、 天国へと変える少数の人々が現れたら、 それもまた地獄。 血塗られた歴史に連なる、過酷な文脈がいずれまた。 夢を捨てた場所から始まる夢見る力の回復。
ウェブ空間の相互監視状況。 米国製ご近所文化大革命か。 亡命先はもはや――。 目も静かに閉じつつ、確かに開いていく。
国家より民主的な市場──。 確かに、洒落にならない猿蟹合戦より、優しき餓死のご時世だ。 そこかしこに抜け出られない沼地。 「徹底的に呑気でいくしかないか」 古の人々のごとく、空にも光源を求めて。
実は、心は、先人が発明した領域でもある。 長く、心は発見されようとしてきたが。 わたしはと言えば、発見の心を失わぬよう、 身体を漕ぎ続けている。 好奇心同様、根源に暴力が介在しているのだとしても。
特に話すことでもないが、 何もない、実は本当に何もないんだ。 大空の如くスッカラカ〜ンと。 いつか死ねば、よく分かること。
日々、波風も立たず、悪寒もしていないのなら、 極楽・天国、至福の時。 人類史を持ち出すまでもなく、 実は稀な事態なのだから。 朝から家族と食卓を囲める僥倖──。
罵詈雑言もいいさ。 ただ、「生きていていいことがあるのか」と去って行く硬い背中に、 しっかりと響く言葉の1つ、届けて欲しい。 「アンタにできるはずねえよな」とは言わない。 心底、お願いしたいだけだよ。
夏でも温もりは大切。