深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

近代化だなんて/全裸主義者として・7

近代化がもたらした幸? 衛生化が寿命を延ばし、効率化が無駄を省略、しかも機械があれこれしてくれる? 法の整備も? が、大量殺戮は消えない。 つい半世紀前まで、全裸の猟師がいた情景が忘れられないのだが。

錆びていないナイフ/些事の日々・137

父親が残したナイフが出てきた。 何故持っていたのか知る術はなく、捨てる理由もない。 「しまう前に研いでおこうか」 が、幸運なことに、特に使い道があるわけではない。 つまり、研ぎ方も分からないのだった。

窓の外へ向かう想い/些事の日々・136

電車の座席で窓の外を眺めている子ども。 嬉々としていたのはスピードや揺れもあったからか。 窓の外の景観が過ぎていくことも愉しみ。 足下には靴がきちんと。 遠い先、通勤時に今日のことを想い出すだろうか?

原っぱで昔/平成問わず語り・26

まだ珍しかった缶を蹴る遊び。 昔、夢中だったことが。 タイミングを考え蹴っていた。 いつしかつぶれて変形していたが、物質であることに変わりなし。 後日、雨にやられし錆びた缶と再会したときの静かな悦び。

求道/些事の日々・135

俗に言う、人の気持ちが分からないという批判。 確かに、鈍感な人はいる。 が、実のところどういうことなのか。 そも、いつまで経っても分からないのではと。 だからこそ、ときにむさぼるように求めて、求め合う?

面従腹背そのもの/些事の日々・134

上へ向かい媚びるだけ媚びる人々を批判はしない。 ただ悲しいだけ? 安心を与えようと後頭部までさらす礼をしつつ、実は舌を出しているよ。 そのくせ下や横には居丈高。 その理由をまだ理解できないだけなんだ。

平成版三無主義/手紙2016・1

あなたが立ち去ることは残念至極だ。 が、相変わらず続く無策な事態、つまり無能の証明をし続ける輩たちの現場である。 結果、無体なことばかりが発生を。 長い間誠にお疲れさま。 いつかゆっくりと一献を――。

ずぶ濡れのままで途方に暮れる老犬/この領土で・330

家を失い、飼い主を探している途上、川に落ちた老犬。 空腹でもあり、しばし流されていく。 が、無事に川原に逃げおおせた途端、人が寄って来て小突く、叩く。 ねじれた愉しみのために。 同様な事態が続いている。

海は泳げるかい?/この領土で・329

現状では、わたしたちも難民になる。 ここを追われ、行くあてもなく、雨に打たれるばかりの。 想いは疾風の如く飛ぶが、届かない。 寒さ、飢え、何より恐怖。 が、想像力という最後の陣地を奪われてなるものか。

今年も/野の花チャイルド・37

視ているものが遠くなっていく。 いつものため息に冷めた紅茶。 踊らない掃除機や悲しみの足音、あるいは――。 里山に花が咲いたよ、同じ場所にさ。 かけがえのない当たり前さ、当たり前のかけがえのなさだよ。

汚いもの/些事の日々・133

汚いから避ける、遠ざける? そりゃあ、妙な細菌や物質は嫌だよ。 ただ、汚いからいいものや、いかしたものも。 泥まみれの子どもや、ちょっと言い難いあれも汚いさ。 地べたに座り夕陽を眺めるのも悪くないよ。

手という想い/表現=運動=生活・4

美しいものと、最近お目にはかかっていない。 絵画や音楽、あるいは物語でも。 が、実は作り出したものは遠いのだ。 人と人との親和力へ向かう関係の始まりに比して。 そっと手を差し出し、受け止めることの美。

「何だかな」/当世労働者覚書・46

「やれるならやっているさ」 そう、平仮名で返す。 自らの足もとを省みない、飛沫としての言葉を払いのけつつ。 そうして、「まずは正当に稼げよ」と視線で返す。 対話拒否の相手には届かないと分かっていても。

戦闘機が飛んでいく/この領土で・328

問題は、すべて働くことに収斂していく? 例えば社員を守ろうとしているのか、どうか。 家族を含めてのことなのだが。 そも、どこもかしもこも、存続が危うい状況下。 が、手を出してはいけないこともあるのだ。

「いつか」/言葉・92

いつかは分かる。 そう思い切ったとき肩の力が抜けていった。 無茶で勝手な注文を受けた際のことだ。 説明さえ憚れる話し合いが、後少し続いていたらどうなっていたことか。 言葉の飛来で鼓舞し、なだめていく。

再び、清原的1人/老道・30

突然想った、「違ってしまったよな」と。 二日酔いで電車に飛び乗ることができた身体と違って当然か。 もはや別人なのだ。 歩き方や食べ方、洗顔法や排泄の流儀は同じでも。 しかも、同じ名で呼ばれてもいるが。

昼寝ぐらい落ち着いて/些事の日々・132

相変わらずの満員電車を視てしまった。 「何も変わっちゃあいないよな」 いや、むしろ、悪くなっていく予感だけが大きくなって? 望んでいることは単純だ。 安心して徘徊できる街だとか、弛緩できる昼寝だとか。

まずは眠ること/健康法大全・8

病を得て病院へ。 今や当たり前のことだが、かつてはどうだったか、想い出そうとした。 自宅の陽の当たる部屋で眠り続ける日々。 もっとも、ひと間しかない家庭も。 いずれにせよ、まず眠ることが薬だったんだ。

工事中/些事の日々・131

人は分からない。 何を感じ、想い、考えているのか、すべてを知り得ないもの。 人は分かる。 わたしと分かれたのだもの、違うはずだと。 視える欲情や欲望、聴こない声や言葉の渦のなか、相変わらずの工事中だ。

1日の中で/些事の日々・130

夜がある幸運を想い出していた。 もはや隠れることさえできない闇ばかりだが。 でもさ、想い出したんだ、夜がやって来てくれると。 身の置き所はないが、暗さにはまだ、温和な知恵が潜んでいるさ、見くびるなよ。

「お〜いっ!」/友へ・5

今でもそっと脇の下のにおいを嗅ぐのかい? おれたちにはおれたちなりの口調があったよな。 不満や不安もあったが、概ね笑っていた? だって笑おうとしていたものな。 今日は晴天、久しぶりに想い出しているよ。

ジョーク2016/些事の日々・129

永久に続くものなどはない? 目の前には、土にいつまでも同化していかないプラモデルが落ちていた。 永久に続くものがある? 愛しい人たちは、ほら、サッサと消えたよ。 そも、永久だなんて、破滅的冗談だろう?

新しい悪/都市サバイバル・ノート282

新たな悪が現れれば、先の悪は消し飛ぶ。 失念する。 かくして、眼前のあれこれに足もとをすくわれていく。 が、先の悪は消えていない。 気づくかどうかは置いておき、何のことはない一挙に押し寄せる悪なのだ。

戦況/些事の日々・128

わたしが今18歳だったらどうしたろう。 状況から出向きはしたはずだ。 「冗談きついよな」とブツクサ言いつつも。 責任という押し付けの変種と感じてはいただろう。 だって、45年以上も感じてきたのだから。

贈与論2016/些事の日々・127

後手必勝のような日々。 「あり得ないよなあ」 情けは、かけられたくはない。 憐憫の情は持たれたくないし、そも、持ちたくないものだ。 であるが故に、何もないにも関わらず、先へ先へと贈与していくしかない?

大きなおおきな音/些事の日々・126

ふいに爆撃する音が聴こえたよ。 頭がおかしくなっちゃったのかな。 目の前の風景は、いつもと変わりがないんだもの。 でも、確かに聴いたんだ、大きなおおきな音を。 怖いな、恐ろしいな、どうなっちゃうのかな。

日本人と出逢った/この領土で・327

男が、わたしを視ていた。 歯が抜けて、襤褸を身にまとう小さな男である。 若いのだろうが、老いているようにも視えた。 何より飛び切りの笑顔が脳髄に刻印されたのである。 もう昔むかしの日本人の写真だった。

自己紹介2016/平成問わず語り・25

ふいに気持ちが高ぶってしまっていた。 そうして、激烈な想いに、しっかりとつかまったのである。 「冗談じゃねえや」 そう、一気呵成に吐き捨てたかったのだ。 「冗談こけよ、気弱なことに関しては負けないぜ」

気分はルンプロ、実は半ルンプロ/老道・29

今後も格差は生まれていくだろう。 いや、生産されていくのだ。 ゴミの中を漁るアジアの子どもの映像を視た。 東京では高齢者が空き缶を集めている姿。 「世間ってやつがどうにも眩しくて、目が追いつかないよ」