深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ここのところ/この領土で・308

蛆虫が湧いてくるばかりじゃあないか。 そうした折、思う存分生きるという、実は曖昧な物言い。 支えているのは、反復としての作業。 喜びとしての怠惰も見失わないことだ。 はた迷惑でないズボラの清々しさも。

身震いをしている/この領土で・307

汚染されていた国土――。 地上では、核実験が数多く行われてきた。 日本人の死亡原因に癌が多いことを思い出す。 確かな因果関係はないとのことだ。 が、「もし実験が行われていなかったのなら?」と身震いを。

歩き出す/歩く・18

歩くことの実態――。 1歩いっぽ、その都度、歩き出すことにある。 頂上だけに集中することなく、歩き出す。 躓くことを避けるために。 空を横切る鳥を眺め、土の中で眠る動物を感じようと、歩く、歩き続ける。

売らないものを求めて/還暦百番勝負・65

尽きぬ歓びに裏打ちされた人生。 密かに希望を持ち続ける努力を怠らない才覚があってこそ? 大胆というが、大きな胆力にも限界が。 時間と貨幣の関係を見据える。 すべてには裏があるとの認識を超えていくのだ。

席を空ければ/この領土で・306

朝は決まって分断されているから、手を引く者もなく、盲人が心許ない歩行を。 明白な空虚、重い無視。 アルコールも微かに臭ってきて。 「ここに、いつまでいればいいの」と席を空ければ、子どもが座ってしまう。

病者の光学2014/この領土で・305

気重なまま見舞いへ。 「見ることを舞うとは、これいかに」と病人が笑いを強要してきた。 さぞ暗い顔だった? 「病院へ来れば治ると思っているだろうが、細菌に汚物、しかも病人だらけなんだぜ」と、呵々大笑を。

夜の仕事/この領土で・304

厳寒と言っていい夜のこと。 思い立ち、窓を大きく開け放つ。 月をしばし眺め、星々も追った。 ただ、それだけのことをした一夜。 そうして、布団を敷き、新しいシーツのシワを伸ばしてから、窓を静かに閉めた。

火中にてクリは見えず/森の生活2014・1

燃え過ぎては危ない。 跡形もなくなる燃え方は、美しくないより何より、2度と燃えることができないのだ。 ヴィジョンなき森にいる。 が、森自体がすでにして、ヴィジョンなのだ。 足もとの火を自ら消していく。

隠さない、隠しようがない/この領土で・304

思想の停滞を嘆くことはない。 状況が改善されていかないのだから。 むしろ、思想だけ突出するほうが奇妙なのだ。 まず敗北や失敗を憎悪で隠さないこと。 打ちのめされたままで、なおも踏み出していくしかない。

反論の効用/この領土で・303

志向したのは、運動のための運動ではない。 単に閃いて、思いついたことに魅了された? 退廃でさえ笑い合うことができたのである。 今や反論の1つ、発語されるだけでいい。 それほど、がんじがらめなのだから。

流浪の民として/野の花チャイルド・24

土から離されて、今ここにいる。 曲芸には感嘆するが、興味があるのかどうか、分からないままだ。 咲いたばかりの、野の花を前にして。 陽がかげり始めていた。 夜中もまた、同じ場所で咲き続けているのだろう。

学びたい/この領土で・302

語学を学びたい。 千年後の人々と語り合えることが可能な訓練校は何処? 労働も学び直したい。 求む! 残したいこと、残すべきこと、残さざるを得ないことを、互いに作り出す広場。 広場である訓練校を夢見る。

雪上がりの夜空に/歩く・17

雪が断念と悦びをもたらす。 路上では、気にせずぶつかってくる人、狭い場所を穏やかに譲ってくる人。 ドタドタと、オドオドと歩き続ければ、汗。 いつしか歩行のリズムが生まれていた。 「そうだ、この調子だ」

腐敗する中で、それでもなお/還暦百番勝負・64

自らにも言い放つ、「黙殺されて諦め、どうする」。 そも、撲殺されて思想が残された者も。 果たして極端だろうか? そうかもしれないが、思想とは姿勢のことではなかったか。 途方に暮れても、腐らないことだ。

今夜もまた/顔・5

逆上せている期間は短い。 その後の退廃期、いや、敗退期こそ長く、困惑と卑屈、怠惰を伴うのだ。 だから、美味しい食事を作ろう。 いや、食卓を囲むのだ。 命の会話へと進めば、因業な表情を忘却できるだろう。

はじめまして/この領土で・301

うすら寒く、湿気が充満。 だから、この国では湯が長く愉しみだった。 しかも、胃弱の国民性が憂うつを再生産。 知っているよ、熱い湯に浸かるだけではもう耐え切れないと。 だが、朝陽は娯楽にはできないのだ。

日々のサスペンス劇場【殺意と涙】編/この領土で・300

「ぶっ殺してやるっ」 満員電車が揺れたとき、男の口からもれた言葉には酒の臭い。 目は充血、両手は震えていた。 ほどなくして駅に停車、男も、わたしも押し出されてしまう。 男は呆けたように泣き出していた。

今日も飛び出す/還暦百番勝負・63

常識や良識、見識は大切だ。 が、どれも役立たずか。 みっともなくても、みじめでも、みすぼらしくとも、ケッ、構わない。 せっせと働き、生きていく。 一口だけ残しておいたコーヒーを飲み干し、飛び出すのだ。

かくして、今朝を迎えた/暮らし・6

寒い日々に思い出す。 「百年後の人々と、すでに出会っている今の暮らし方を」と記していたと。 百年前の人々の呼吸を伝えたかったから? 思い出す、寒い日々を。 地上が存続できる方途の創出を志向する人々も。

鉛筆で紙に名前を記す日/この領土で・299

最適の選択? 実際にあり得るのだろうか。 むしろ、少しでも息がしやすい方向へと歩み出すしかない。 選択後はまた、新しい問題と対峙せざるを得ないのだ、いつだって。 途方に暮れて断念する、断念できないと。

読むべきもの、読まざるを得ないものを感じながら/言葉・65

読みたいものを読みたい。 読みたくないものでも必要なら。 実は、読んだことのないものを読みたい。 いっそ読みたくない、何もかも。 そうした状況下で、記してきたし、今、記している、記していく過程にいる。

まるで蛙の詩のように/この領土で・298

「寒いね、とっても」 「身体は縮こまり、気持ちまで塞いで来て、心細くなるばかりだね」 「どうしたらいいのかな」 「バラバラなのが原因かもしれないよね」 「まだ寒いんだ、もっと身心を寄せ合っていこうか」

本日も曇天、やけくそ也/この領土で・297

大丈夫だ、危険なものは自ら隠れているから。 危ないものは隠されているとも言える。 不安を覚えることはない。 気に病むこともないのである。 気づくまでは平気だし、気づいたとき最悪になっているだけなのだ。

壁は語り続ける/この領土で・296

原発促進に東京オリンピック開催。 TPP推進に秘密保護法成立も。 基地問題に憲法改正さえ。 靖国参拝に徴兵制の話も出て来た。 「自由の敵に自由を許すな」という、昔むかし出逢った言葉が身心を突いてくる。

帰郷/山へ・5

山へゆっくり入っていく。 陽だまりを求める無意識が先導者。 法悦とまでは言えぬ。 が、危険もある中、安心してしまうのは何故だろう。 グルリの自然が、帰っていく感覚を目覚めさせてくれるからと踏んでいる。

本を買いに行こう/月下の貧乏人・24

冬の公園、それも夜の。 そうした類のタイトルを持つ本があれば買いに行こう。 内容は愛か謎か、寂寥か含羞か。 手にしたら、湯を沸かしてお茶を一口、ページをめくり始める。 夜の公園、それも冬の月光の下で。

おれに嘘はいらない/この領土で・295

敗北が暮らし方に反映されてこその、進展? いや、滋味。 まずの話が、負けを認めなければならない。 どれほど認めたくないのだとしても。 駄々っ子の如く、今も征服を考えているのなら、マネーさえ去っていく。

休日の車窓から/歩く・16

車窓からうかがえる山並み。 雪をかぶり、陽射しが反射、目を細める。 「あそこを歩きたいものだな」 心配ごとがなく、清涼なる場所を彷徨う悦び。 しばし山を着る感覚に浸れば、労働へと向かう想いも定まった。