深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

翻訳という試み/言葉・104

翻訳はいくつもあったほうがいい。 たった1つの言葉でも、いくつもの読み方があるのだから。 想像力を喚起するなら、模倣もまた大切だろう。 少しだけ似た営為としての翻訳。 自分で自分を、翻訳し直してゆく。

会社だもの/些事の日々・222

上と闘わず、下はいびり出す。 結果、疑心暗鬼を蔓延させ、高いびき。 化けの皮が剥がされてしまい、何やら自滅の雰囲気も。 痩せた想い付きの言葉は虚ろ、何よりヴィジョンがない。 いるんだな、そうした輩が。

介護の後で/死を想う・21

長いながい介護が、終わる。 亡くなった悲しみが充満していくものの、ほっともしていた。 家族は戸惑い始める。 その定石から、どう立ち上がっていくのか。 座り込んだままのほうが、人らしくもあるのだったが。

朧な記憶/合掌・59

子どものころのこと。 土葬の現場にいた記憶がある。 が、現実だったのだろうかと。 埋める場所もなくなり、燃やすだけとなった今。 あのとき、「箱に空気穴を作って欲しい」と想ったことを想い出すのだったが。

愚痴は言わない/彼・62

彼は、愚痴を決して言わなかった。 持っていた弱気を感じさせず、妙な夢も振りまかない。 ただただ現実を生きていくだけ。 たとえ落とし穴の底であれ。 抒情に流れない暮らしは、明るい抒情のように感じさせた。

もっとないものか/この領土で・389

弱さや醜さ、悲しさ。 確かに望ましいことではない部分も。 が、しかしだ、否定してどうするというのか。 相変わらず、正直で無能が、バカをみるご時勢だ。 受容できる、もっともっと違った心意気はないものか。

「お決まりだなあ」/この領土で・388

コンビニでの話。 中年女性の店員に怒鳴る高齢男性の客――。 いつの世でも弱者が弱者を追いたてる? 少しの粗相で苦しめることはないじゃないか。 お互いさまと感じられない、実は孤立がまん延していくばかり。

黙々と/彼・61

思想なんかじゃないんだ。 無論、関係性のほうが肝さ。 ただ、いるんだ、自然と頭を下げたくなる方が。 安楽椅子でほざいている手合いもいるにはいる。 が、気づかれないよう、黙々と仕事をこなす方がいるんだ。

パワー・トゥ・ザ・ピープル2017/都市サバイバル・ノート289

力が欲しい。 静かで、小さな音でも聴き分けられる。 微細で繊細な声の流れを浴びられれば、いいのだが。 そうして、力がやはり欲しい。 身心で浴びたものを、ゆっくりと返していける、そうした力を望んでいる。

整骨院にて/老道・50

脚をひきずる爺さん。 「ああはなりたくないね」と婆さんが指差す。 周囲は凍る一方。 「あたしなんかさ、医者から認知症と言われたぐらいだよ」 奇妙な明るさとともに、グルリの視線は婆さんへ向かうばかり…。

死体を前に/合掌・58

手を合わせ、心を静かにしていく。 が、ついに信心ではなく、欲望ではないのかと。 神仏にお願いしているわけではない。 敬う気持ちもあるにはあるが。 人が死体になったのだ、安らかにと、どこかでまたと――。

明晰さ故に/彼・60

剣呑とする瞬間が。 彼が明晰であればあるほど。 「巧くいくわけがないよな」と体感したのだ。 が、分かっていたのは、彼自身だった。 「現実は、考えただけのことなんか、相手にもしませんよ」、そうポツリと。さんさん録 : 1 (アクションコミックス)作者:…

欠けている欠落/彼・59

間然するところがない? んな、バカな、奴も人間だぜ。 何と言うか、ああ、そうだ、悪達者という言葉があったな、あれだ、あれ。 確かにミスはしないし、手早いうえに、美形だ。 が、欠落を喪失してはいまいか。

そうは言ってもズルはする/この領土で・387

ズル賢くばかりしていると、危ないよ。 自覚しているうちは、まだいい。 が、いずれ身体に馴染んでしまうよ。 結果、自然とズルをしてしまう…。 ついには麻薬さ、ズルをしないと、いられなくなってしまうんだ。

悪巧み/この領土で・386

頭は悪いが、狡賢い悪巧みを成就。 目をこすっても視えない巧みさだ。 頭が悪いのは人生の悦楽、人との関係を分かっていないからだ。 いや、愉しくやっているな。 似た者同士でコミュニティーを形成しているぜ。

また咲いたよ/野の花チャイルド・39

汚れた土、汚染され切った土――。 が、春ともなれば、花は咲く。 中には可憐で愛らしい表情を見せてくれる花も。 美は外部だけにあるのではない。 自らのうちにもあるのだ、反応する身心ではすでに咲いている?

真ん中に座る/地上物語・8

ゆっくりと座ってみよう。 何ごとかをしゃぶりつくすためにではない。 座って、単に寛ぐだけだ。 すると、そこが世界の、ど真ん中になるだろう。 仮に、片隅の世界であったにしても、地上からは外れてはいない。人とこの世界 (ちくま文庫)作者: 開高健出版社…

つい最近、首肯したこと/言葉・103

「結局」と彼は言った。 「言葉を持っているかどうかなんだ」 スポーツで勝つための前提というのだ。 野球や駅伝等の監督が想い出されていた。 「ま、体育会系は嫌いだろうけれど」と言われたが、首肯していた。

梅見/マザーネイチャー・23

梅のにおいを嗅いだ。 梅林で次から次へ眺めては悦び、嗅いでは感嘆してきたのである。 気持ちのいい即興演奏のように歩を進めた。 ワクワクしながら。 ステップを踏んでいたわけではないが、身心は舞っていた。

辻潤2017/日本人の元気・11

気取るなよ、ポッポッポだぜ、ハトポッポだぜ――。 辻潤は、尺八で吹いたそうだ。 そうして、衣服を脱いで投げつけ、四つん這いになって吠えまくったそうだ。 確かに、奇妙だ。 悲しいほどの真面目さでもある。絶望の書・ですペら (講談社文芸文庫)作者: 辻潤…

時代は変われども?/この領土で・385

ほら、まただよ、盗みに殺人事件――。 しかも、密告が気になる時代に。 何が変わったんだろうねえ。 何も? そうだよね、グルリはスッカリと変わってしまったものの、実のところ何も変わっていないようだな。漂流怪人・きだみのる作者: 嵐山光三郎出版社/メー…

ひと息つける/歩く・38

山を歩く、歩き続ける。 昼近くともなってくれば、そわそわして腰を下ろす。 そうして、広げるのは、弁当である。 どうということもないものが、滅法、美味いのだ。 ひと息つけることが、何よりなのではあるが。

足音を聴く/身体から・120

声同様、足音も大切だ。 個体差や癖が出るし、人の感覚が視えて来るのだ。 並んで歩いてごらん、よく分かる。 小さなちいさな音が、確かに響いてくるから。 冬の青空の下、踏みしめたときに跳ねる音があるのだ。夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)作者:…

追われる者として/老道・49

多少、風邪気味である。 夜に残った労働が翌日になってしまう。 気分は追われる者。 自分で自分を追いながら、実のところ追われている間抜けぶり。 二重三重の、「あわわ」に、アサハカの夜だもの、老けてゆく。

今日を生きよう2017/この領土で・384

今の政権がしていることは何か。 死体を殺しているのではないのか。 そう、人に非ずなのだ。 連中は、大量虐殺をした日本を認めたくはないのだろう。 が、事実を直視しなければ明日はない、今日がないのだから。

溶解しているな/この領土で・383

美しくも何ともない断片。 が、断片がなければ全体も雲散霧消する。 不謹慎な場面で咳払いすることも減った。 その前提がすでに溶解、いや、権力になったのだ。 だから、咳払いより罵声? それもまた疲れるが。

納豆に向かう/些事の日々・221

朝、バナナだけを食して飛び出すときも。 休日朝ともなれば、ささやかとはいえ和食を。 まずは味噌汁を啜り、米粒を頬張る。 納豆があれば、それでよし。 自信がないからといって、隣国を叩く必要は微塵もない。

ゴーゴー/些事の日々・220

いっときでも浮かれていくさ。 ここのところ、どうしたわけか、ポップでパンクな気分を忘れていたよな。 唄で吠えたっていいんだべさ。 今日も今日とて、朝から、てんつくてんだわさ。 ったく、レッツゴーだぜ。