2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧
翻訳はいくつもあったほうがいい。 たった1つの言葉でも、いくつもの読み方があるのだから。 想像力を喚起するなら、模倣もまた大切だろう。 少しだけ似た営為としての翻訳。 自分で自分を、翻訳し直してゆく。
上と闘わず、下はいびり出す。 結果、疑心暗鬼を蔓延させ、高いびき。 化けの皮が剥がされてしまい、何やら自滅の雰囲気も。 痩せた想い付きの言葉は虚ろ、何よりヴィジョンがない。 いるんだな、そうした輩が。
長いながい介護が、終わる。 亡くなった悲しみが充満していくものの、ほっともしていた。 家族は戸惑い始める。 その定石から、どう立ち上がっていくのか。 座り込んだままのほうが、人らしくもあるのだったが。
子どものころのこと。 土葬の現場にいた記憶がある。 が、現実だったのだろうかと。 埋める場所もなくなり、燃やすだけとなった今。 あのとき、「箱に空気穴を作って欲しい」と想ったことを想い出すのだったが。
彼は、愚痴を決して言わなかった。 持っていた弱気を感じさせず、妙な夢も振りまかない。 ただただ現実を生きていくだけ。 たとえ落とし穴の底であれ。 抒情に流れない暮らしは、明るい抒情のように感じさせた。
弱さや醜さ、悲しさ。 確かに望ましいことではない部分も。 が、しかしだ、否定してどうするというのか。 相変わらず、正直で無能が、バカをみるご時勢だ。 受容できる、もっともっと違った心意気はないものか。
コンビニでの話。 中年女性の店員に怒鳴る高齢男性の客――。 いつの世でも弱者が弱者を追いたてる? 少しの粗相で苦しめることはないじゃないか。 お互いさまと感じられない、実は孤立がまん延していくばかり。
思想なんかじゃないんだ。 無論、関係性のほうが肝さ。 ただ、いるんだ、自然と頭を下げたくなる方が。 安楽椅子でほざいている手合いもいるにはいる。 が、気づかれないよう、黙々と仕事をこなす方がいるんだ。
力が欲しい。 静かで、小さな音でも聴き分けられる。 微細で繊細な声の流れを浴びられれば、いいのだが。 そうして、力がやはり欲しい。 身心で浴びたものを、ゆっくりと返していける、そうした力を望んでいる。
脚をひきずる爺さん。 「ああはなりたくないね」と婆さんが指差す。 周囲は凍る一方。 「あたしなんかさ、医者から認知症と言われたぐらいだよ」 奇妙な明るさとともに、グルリの視線は婆さんへ向かうばかり…。
手を合わせ、心を静かにしていく。 が、ついに信心ではなく、欲望ではないのかと。 神仏にお願いしているわけではない。 敬う気持ちもあるにはあるが。 人が死体になったのだ、安らかにと、どこかでまたと――。
剣呑とする瞬間が。 彼が明晰であればあるほど。 「巧くいくわけがないよな」と体感したのだ。 が、分かっていたのは、彼自身だった。 「現実は、考えただけのことなんか、相手にもしませんよ」、そうポツリと。さんさん録 : 1 (アクションコミックス)作者:…
間然するところがない? んな、バカな、奴も人間だぜ。 何と言うか、ああ、そうだ、悪達者という言葉があったな、あれだ、あれ。 確かにミスはしないし、手早いうえに、美形だ。 が、欠落を喪失してはいまいか。
ズル賢くばかりしていると、危ないよ。 自覚しているうちは、まだいい。 が、いずれ身体に馴染んでしまうよ。 結果、自然とズルをしてしまう…。 ついには麻薬さ、ズルをしないと、いられなくなってしまうんだ。
頭は悪いが、狡賢い悪巧みを成就。 目をこすっても視えない巧みさだ。 頭が悪いのは人生の悦楽、人との関係を分かっていないからだ。 いや、愉しくやっているな。 似た者同士でコミュニティーを形成しているぜ。
汚れた土、汚染され切った土――。 が、春ともなれば、花は咲く。 中には可憐で愛らしい表情を見せてくれる花も。 美は外部だけにあるのではない。 自らのうちにもあるのだ、反応する身心ではすでに咲いている?
ゆっくりと座ってみよう。 何ごとかをしゃぶりつくすためにではない。 座って、単に寛ぐだけだ。 すると、そこが世界の、ど真ん中になるだろう。 仮に、片隅の世界であったにしても、地上からは外れてはいない。人とこの世界 (ちくま文庫)作者: 開高健出版社…
「結局」と彼は言った。 「言葉を持っているかどうかなんだ」 スポーツで勝つための前提というのだ。 野球や駅伝等の監督が想い出されていた。 「ま、体育会系は嫌いだろうけれど」と言われたが、首肯していた。
梅のにおいを嗅いだ。 梅林で次から次へ眺めては悦び、嗅いでは感嘆してきたのである。 気持ちのいい即興演奏のように歩を進めた。 ワクワクしながら。 ステップを踏んでいたわけではないが、身心は舞っていた。
気取るなよ、ポッポッポだぜ、ハトポッポだぜ――。 辻潤は、尺八で吹いたそうだ。 そうして、衣服を脱いで投げつけ、四つん這いになって吠えまくったそうだ。 確かに、奇妙だ。 悲しいほどの真面目さでもある。絶望の書・ですペら (講談社文芸文庫)作者: 辻潤…
ほら、まただよ、盗みに殺人事件――。 しかも、密告が気になる時代に。 何が変わったんだろうねえ。 何も? そうだよね、グルリはスッカリと変わってしまったものの、実のところ何も変わっていないようだな。漂流怪人・きだみのる作者: 嵐山光三郎出版社/メー…
山を歩く、歩き続ける。 昼近くともなってくれば、そわそわして腰を下ろす。 そうして、広げるのは、弁当である。 どうということもないものが、滅法、美味いのだ。 ひと息つけることが、何よりなのではあるが。
声同様、足音も大切だ。 個体差や癖が出るし、人の感覚が視えて来るのだ。 並んで歩いてごらん、よく分かる。 小さなちいさな音が、確かに響いてくるから。 冬の青空の下、踏みしめたときに跳ねる音があるのだ。夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)作者:…
多少、風邪気味である。 夜に残った労働が翌日になってしまう。 気分は追われる者。 自分で自分を追いながら、実のところ追われている間抜けぶり。 二重三重の、「あわわ」に、アサハカの夜だもの、老けてゆく。
今の政権がしていることは何か。 死体を殺しているのではないのか。 そう、人に非ずなのだ。 連中は、大量虐殺をした日本を認めたくはないのだろう。 が、事実を直視しなければ明日はない、今日がないのだから。
美しくも何ともない断片。 が、断片がなければ全体も雲散霧消する。 不謹慎な場面で咳払いすることも減った。 その前提がすでに溶解、いや、権力になったのだ。 だから、咳払いより罵声? それもまた疲れるが。
朝、バナナだけを食して飛び出すときも。 休日朝ともなれば、ささやかとはいえ和食を。 まずは味噌汁を啜り、米粒を頬張る。 納豆があれば、それでよし。 自信がないからといって、隣国を叩く必要は微塵もない。
いっときでも浮かれていくさ。 ここのところ、どうしたわけか、ポップでパンクな気分を忘れていたよな。 唄で吠えたっていいんだべさ。 今日も今日とて、朝から、てんつくてんだわさ。 ったく、レッツゴーだぜ。