顔を上げた。 緑が降ってくるかのようだった。「公園っていいよなあ」確かに視線のやり場に困ることはないし、焦点を１点に合わせる必要もない。だからである、追い出すような動きには、「放っておけよ」と。

いきいきできればめっけものだろう。ましてやワクワクできるのなら。新しいと感じられる、珍しくも数奇なものと出逢える準備は必要かと。現実としては、人は壊れていく故に一病息災でいければいいのだったが。 映画『新聞記者』予告編

いつ死んでもいいように終活？無理だよ、無理。物は増えるばかり、捨てていてもさ。むしろ、自分という他者と出逢い続ける方位を歩んでいく。その過程で、物が減って、落ち着きどころが得られれば幸運かと。

先に帰ったはずの上司が出てきたという。 「それもさ、呑み屋から」と彼。「奥さんが調子悪いとか言っていたな」憤りが込められていた。「思わず隠れてさ、でもさ、少しは気を使っていたんだって苦笑いだよ」 Brian Eno - Silver Morning

席が空いた。と、そのとき座ろうとしてやめた男の子。「あ、なるほど」優先席だった、当然のようにたまげた、空調がひどく利く中、温まった。窓の外には強い陽射しがうかがえ、家々の屋根が視えていたのだ。 St Paul & The Broken Bones - It's Midnight | A…

休みなのだろうか、小さな女の子が改札へ向かう。顔を上げて周囲を視た。それからだ、深い呼吸を一瞬のうちに行う。それまでとは違い足早になって、改札口を通過した。視界からはもう、消えていたのである。

失業どころではないのだ。飢餓・餓死が出ている。コンビニ弁当が捨てられるご時世に。究極的には持続不可能だと分かっているものの、せめて一呼吸でも、佳き息をしたい。互いが互いの樹木になれるだろうか？

ソ連への威嚇としての原爆だったという、説得力のある説。それはそうか。人体実験として機能したともいう。映像を視たりすると、理解できる文脈か。何より、有色人種だからこそ、投下されたのだとしたら…。 Tamikrest - Imanin bas zihoun

取り返しがつかない寂しさ。為政者たちから感じたことはほぼない。麻痺させて、そのことさえいつしか忘れて？喪失が問題なのだ、喪失を正確につかまえていないことが問題なのだ。寂しさを認めてもいいのに。

もはや慣れただけなのではないのか。昔に比べて笑顔がない情景に。ないのではなく、少ない？そうかも知れないとは想う。昔は、うるさかった、汚れていたし、なおかつ個人商店が元気だった上での笑い声――。

職場でリストラ反対の声を上げたり、男女差別等をなくしたりした男。実は、極悪人にされていくばかり。裏には、裏の裏が張り付いている。悪党と嘘つきばかりが跋扈する？一体全体、誰が儲けているのだろう。 No No Boy - 内田勘太郎 Guitar Solo

スポーツのルールを、自分たちに都合がいいよう変えていく。白けるどころではない。さて、法が権力を作ったのではなく、権力が法を作り、かつ変えていくとしたら？眼前のことだ。権力の無化しかないだろう。 PINK FLOYD RECORD DU MONDE 2014

「好きなタイプの美しい男だったのよ」やさしくて丁寧、金持ちだったという。「それで無理しちゃったのね」断れずに睡眠も削ったそうだ。結果を案じたが、「あ、大丈夫、安く使われているだけよ」と苦笑を。

人を大切にしない由縁が分からない。自分とさえつき合えていないのだろうか？大切にすれば大切にされる――。そうしたことを言いたいのではない。美味しいものを分け合って食べられるときもあるのになあと。

煙草を吸う大人が好きだった。理由は簡単か。マッチに火を点け、煙を吐く一連の動作。手品に憧れるのにも似た想いを抱いたものだ。何より暗闇で火を自在に操る姿は、中毒患者とは感じられなかったのである。

必要なものだけを買う日々だ。 余裕がないからだが、例えば食品。 が、何を購入しても増えるものがある、ゴミだ。 駅のゴミ箱に家庭ゴミを視つけ、「なるほどねえ」と。 家から持参、通勤の途上捨てたのだろう。

座っていた、電車で。気づく、席を譲りたいなと。女性は手荷物を３つ持っているにも関わらず、決して座ろうとはしない。空いた優先席に。雨の予報だったが、「彼女の下車の際、降らなければいいな…」とも。 あなたへ 浜田真理子

いやはやな嘘、よくぞまあ次から次へと吐けるものだ。 布団に潜って、本を読み続けたい、ノートを取っていたい、そうした気分だ。 幸い、冷えびえとする梅雨が続いている。 いやいや、夏、この際、来い、来いよ。 Etta James - I've Been Loving You Too Lon…

「若いときの哀しみはもう、癒えたかな」彼は笑う。嫌な想いをしてきたのは知っている。無論、すべてを理解しているわけではないが。「でもさ、老いて味わう嫌なことが癒えるのはいつかな？」と、また笑う。 東大教授の安冨歩氏、「れいわ新選組」から参院選…

人の温かさや寛容さ。 出逢うことができれば嬉しい、ホッとする。 誠実な笑顔や精魂を込めた姿勢に対しても。 原則や倫理を柔軟に死守する身体にも賛辞を贈りたい。 珍しく感じるのは賃労働の現場が問題だから？

多死社会という。が、その前の認知症、その他の疾患問題。見守りや余裕、穏やかさや優しさ、ゆっくりとした対応が大切というのだが。「今の日本の求めている文脈と真逆じゃん」と。力をなくすという大仕事。

無節操に対抗するのに、持つべきはヴィジョンだ。無力であっても。たえず帰っていくところがなければ遠くへも行けない？むしろ、まだ視ぬ地平の位置感覚さえつかめないだろう。行きつ戻りつ歩んでいくのだ。

たくさんの言葉が消費されている。ただ、と想う。ただ、３つ４つの言葉があれば凌いでいけそうなときも。例えば、あくまでも誠実にとか。相手の立場を出来うる限り想像するとか、負けない術を考えよなどだ。

ちょっとした買い物をする。周囲は捨てるものだらけになる。今やゴミを出さない生活だけでも大変なのだった。子どものころ一升瓶を持たされ醤油を買いに行ったなと。貧しさがいいとは決して想わないけれど。

分かりやすいように記す。 その営為を、なめているととるか、助けられるととるか。 言葉遣いは、受け手により変えて当然なのだったが。 自分との対話がそのまま伝われば幸運か。 今日も伝えたいことを伝えたい。 Southern Avenue: Don't Give Up

裕福かどうかの象徴、体型。かつて、お金持ちと言えば太っていたが、今や、筋肉質でやせているほうが財力の結果とも考えられている。貧乏人との区別は消えたのか。もっとも小太りのほうが長生きするとの説も。 『ドリーム』2018.1.10先行デジタル配信/2.2ブ…

自殺が減少したという。が、単純に喜べないのは、人口もまた減っているからだ。今までどれほど亡くなってきたのだろう。人を騙し生きていくのが嫌で死んだ方もいるのだった。合掌してから、顔を上げていく。

寝たきりや認知症、生活習慣病。その恐怖を煽っている。要は煽られっぱなし。その一方、ピンピンコロリがいいと言うが、病気になったっていいんじゃあないのか。そう想わなければ、治癒も遠くなるばかりだ。

加齢とともに、変化してきたことがある。例えば眠り。若いときはいくらでも眠れた。今もそうしたときがないではないが、薄くなってきたなと。ほどなくすればいくらでも眠れるのだ、構うものかとさえ想えずに？

みながみなにとって、別の人なのだろう。わたしにとってのわたしも、また。とはいえ、親しい別人もいるのだったが。自分を生かすとは、他者を生かすこと。ならば、せめて他者を押しのけず生きていけないか。