深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

2010-01-01から1年間の記事一覧

親和力2010/都市サバイバル・ノート101

親和力は消えない。 その眩しさは逆に痛恨の証だが、 哀しき希望としての鼓動が地を伝い、身体へと響く。 親和力から親和力へ向かう営みは、決して消えはしないんだ。 今年最後の呼吸を重ね、あなたの佳き明日を祈る。

マネー2010/都市サバイバル・ノート100

商品を媒介に小銭を稼ぐ日々。 見ず知らずの方々に助けられているが、 衣食住がやりくりできた後に、貨幣が欲しいのだとしたら、 それは何故? 働く人々が受け取るお金は、 今も贈り物としての花束ではない…。

磨く、磨き続ける/都市サバイバル・ノート99

清く正しく美しく? 今じゃ、べらぼうに薄汚い輩が成功者として礼賛されているよ。 土地で碌を食み、諭す手合いもいるなんて。 ったく。 磨く、磨き続けるものがわずかにあればいいだけなのだけれどなあ…。

「ヘイ、カール!」2010/都市サバイバル・ノート98

運動にしなければ失敗することもなく、 学問にしなければ人々の理解がより深まり、 結果、伝播したかもしれないヴィジョン──。 失敗できない大切なことであるが故に、 暮らしに根づかせ、息づかせていくのだ。

どうだ、毎日がお手上げ/馬鹿宣言・2

「貧乏時代がいい思い出」という人ありき。 えっ、わたしの場合、毎日がいい思い出? 「んな、馬鹿な」と、自らに突っ込みを入れる冬の日、 飯、実に美味し。 またしても、「欲への欲情が必要」と感じながらも。

居場所だよ、おっかさん/都市サバイバル・ノート97

自殺者年間3万人以上、引きこもり推定300万人以上──。 いつもの朝と同じく小銭を確認し、鞄に弁当箱を詰め込み、 「何が平等なものか」とチャリに跨る。 人が人の居場所になることこそ急務な国で暮らし。

HAPPY XMAS(WAR IS OVER)2010/娘と・40

仕事があるだけで僥倖のご時世に、 身心を少しでも楽にできて、 苦いときがあるだなんて──。 労働からの解放、いや解放としての労働。 昨日と変わらぬ今日が、明日に滲む。 なあに、このままのわけがないよ。

無知の苦笑/都市サバイバル・ノート96

爽快な情熱と薄暗い執念の区別がつかぬ満員電車内。 長い間、否応なく接触してきて、ふと気づく。 会社員たちであり、売上に懸命なのは共通だが、 皆の屈託の細部が見えず、実は仕事のことは何も知らなかったと。

集う/都市サバイバル・ノート95

俺たちは分厚いテーブルに集う。 「どうだ?」「まあな」 挨拶も手短に、まず酒だ、はらわたにしみる。 ひと通り話せば、まだ酒だ。 遠くで犬が吠える深夜。 胸に咲いた勢いを忘れず、俺たちは別れも楽しむ。

望郷2010/おっさんの冬日誌・5/合掌・9

踏切の音に、重く走る足音、金切り声──。 夜の酒場では苦い音が肴に染みていく。 杯を干せば、募る望郷。 故郷は持たないくせに、持つ必要もないくせに。 明朝は合掌から始めるのだ、来るべき故郷へ向けて。

才能なんて知らないよ/おっさんの冬日誌・4

才能の問題? 腹の足しにもならぬ世間話か。 ときに天才さえ関係性のおできだよ。 わたしは、家路を急ぐばかりだ。 ここのところ、いつも。 「正否の判断基準は、身体という住居に置く」と思って以降、ずっと。

拝啓 味噌汁殿/おっさんの冬日誌・3

二日酔いの朝、目を細め、無心に啜る熱いあつい味噌汁。 具が喉に引っ掛かるが、なあに構わない。 自業自得中の幸い、いや至福。 2杯目ともなれば軽く汗が出る。 まさに内臓温泉、酒は抜けずとも特効薬の如し。

教育・2/おっさんの冬日誌・2

今も放任か、スパルタか? ご苦労なこった。 そも、関係は誕生しているのか、 相手の存在を認めているのか。 俺は同時に共鳴し、ただただ共感したいだけ。 いつまでもどこまでも、果てしなく共生したいだけだ。

教育・1/おっさんの冬日誌・1

育てる・育つことと、教える・教えられることとは、 みな、別物。 しかも、相容れない領域も。 現在の教育から遥か遠いところに、 教・育は息づいている、今も必ず。

手紙2010・3

久しぶりに逢った知人へ出す手紙。 長く逡巡、「それでも出せない」旨、何とか記す。 そうして、「せめて、(笑)は入れよう」。 瞬時に祈り投函すれば、財布の中身同様、スッカラカンな空に雲。 あ、美味そう!

夏から冬眠和尚/都市サバイバル・ノート94

わたしは、わたしの中の駆け込み寺ならぬ、シェルター和尚と暮らしている。 自分を含めた人殺し以外なら、何でもオッケーの気配。 和尚は、朝寝に昼寝、夜にも熟睡を。 それ故、いるのかどうか、「はてさて」と。

中央線/都市サバイバル・ノート93

今日も人心事故で電車は止まる。 「だから、どうなんだ」の問いに応じてはいない、 事実を指摘しただけの文脈は役立たずのままだ。 無名性に賭けた人々の、根源へ向かう姿勢からの沈黙が、 わたしを打つ、撃つ。

師走のザ・ビートルズまみれ/都市サバイバル・ノート92

初期ビートルズは、すでに完全だった。 ロックの原型を開示していたのだ。 口先での大声は上げず、身体から身体へ、愛をシャウトするグループ。 甘く跳ねて落ちていく輝きは、もはや無敵である。 今も、新譜だ。

大人問題/都市サバイバル・ノート91

子どもたちはすでに、世界に開かれた消費者でもある。 それ故、いわゆる子ども問題の解決は、閉じた学校内ではできないのだ。 共に暮らす別の現在を立ち上げるしかない、リアルな現在を。 今も、あらゆる方法で。

いい湯だな2010/都市サバイバル・ノート90

冬の楽しみは全裸での月光浴。 露天風呂に唸って浸かった後、 冷気が火照りを打つ快に身を任せ、しばし惚けるのだ。 舞う寸前の、一瞬だけ醒めた高揚も味わう。 男たちは軽く声を上げ、星々にもうっとりと──。

自由になりたい2010/都市サバイバル・ノート89

その月暮らしの日々に目覚めればすることだらけ。 天災と呼ばれる人災に遭遇しなければ、いずれ病で倒れるのだろう。 わたしも、死の世界に病は存在しないという明るい断絶に虚をつかれて、自由になっていくのだ。

いつまでも、ジョンと/希望を、ただ希望を・2

肯定的言葉を否定の文脈に接ぎ木、真実を開示したかのような、うざい手つき。 むしろ、否定的言葉を肯定の文脈に接続していくよ。 遠い未来の先人たちへ捧げるために。 つい先ほど、解放に関して思ったところだ。

昨日、ジョンと/クレイジー・ラブ2010

あなたのほうへ歩もう、あなたの発する声を愛している。 そうだ、そうしよう、1歩踏み出そう。 垂直・柔軟な声が響いてくる、影もまた甘く弾けているぜ。 特別な言葉は必要がない、あなたが発見そのものだもの。

今日、ジョンに/都市サバイバル・ノート88/合掌・8

「今朝はやっぱさ、これだぜ」 『ツイスト&シャウト』をかけた。 軽くステップを踏んで、歯磨き万歳! すると、「どうしたの?」と妻子。 涙が滲んでいたのだった。 簡単さ、一気に無防備になったんだ。 合掌

明日、ジョンに/都市サバイバル・ノート87

旅行、洗浄機、宗教、健康法、国境線、電池、欲情、風邪薬、皮肉、畳、思想、分度器、携帯、恋愛、新聞紙、流行、食肉、名刺、宇宙船、そうして銃──。 なくても生きていける。 明日に続く物語さえ失わなければ。

恋する詩歌・9

詩歌をしるす者は、恋する者に似ている。 思いを十全に伝えられない、世界への片思いのときなど、特に。

グッドバイ・1/娘と・39

いつか来る出立の日、見送らなくていい、見送られなくていい。 些細なことでさえ、お前の事情をまず、優先するんだ。 いつも見守っているさ。 冬なら日差し、夏なら涼風があるといいね。 そうして、グッドバイ。

経済の敗戦国に暮らして・5/都市サバイバル・ノート86

笑えない『強情灸』のような世情。 治癒はできず、諦めるばかり? がなるニュースショーがなければ、事件も少し減っただろう。 降りしきるべとついた胸の内を払い除けて、ただただ根源の詩歌へ。

経済の敗戦国に暮らして・4/都市サバイバル・ノート85

生きていくだけなら、衣服で飾り、食卓の見映えに工夫を施すこともない。 心があるから飾れば、心が生まれ、また飾りだす。 希望のみでは暮らせないが、失えば羅針盤も消える。 今の希望は、脱ぐが如く飾ること。

経済の敗戦国に暮らして・3/都市サバイバル・ノート84

欲に色、名、後はなきが如しの空虚に明るい状況下、 消費でシステムに奉仕するだけなのか。 精神の吝嗇を攻め責めるより、まずは気前よく舞うのだ。 なあに、悪い耳鳴りも消えるほど、地を這い続けていけばいい。