深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

朝の通過/都市サバイバル・ノート171

洗濯物が干された途端、烏がなき始めた。 呆然と、あくびをしながら歩く人々もいる住宅街で。 「すぐに行きたい場所はないし、真善美も罠が多いな」と呟く。 今さえ意識しないで、ひたすら足早に通り過ぎながら。

瞬間と持続(雨に唄えば2011・1)/都市サバイバル・ノート170

歩くには片足を出し、1歩ずつ進むしかない。 閃きにいたるまでの、長い時間の経過。 今の雨は、ステップさえ踏まさせない。 長く続けられるのは、閃きの持続があればこそ。 ときには跳ね、転び、歩いてゆくよ。

激しい雨2011/都市サバイバル・ノート169

次々に押し寄せる怒り・恐怖。 日々、大量の人々の心持ちまでも殺す事態を、暗殺者でさえ褒めはしないさ。 放り出された場所は、狂気へと走らせる地平。 「ったく、冗談じゃねえよな」 熱いお茶を入れたところだ。

そこかしこの落とし穴/都市サバイバル・ノート168

倫理は全体主義と結びつきやすいもの。 息が詰まる生真面目な姿勢からの言説にも要注意だ。 本物の偽物は多く、偽物の本物は少ない。 ただ、本物・偽物の基準自体が幻想だ。 古い皮膚を剥がして、さばけていく。

犠牲/都市サバイバル・ノート167

恵まれているのは、恵まれていない事態があるから。 生きていられるのは、今、亡くなる方を含めた生物がいるから。 犠牲、犠牲、犠牲。 のぼせず、その現在を問い続けていく。 夢の喪失を抒情とすることさえ拒んで。

ノーノーボーイ2011/都市サバイバル・ノート166

都市消費者は不愉快な表情で立場を優位にしようと賢明だ。 自らを高級商品とするためにも。 合言葉は、「ノー・ノー・ノー」。 その無意識の荒廃には笑みを。 今・ここへのヴィジョン、「イエス」の声を降らす。

散歩しようか/ラブソング・21

身の置き所がない? そう、尻が浮きっぱなし。 いたたまれなくなる? そうさ、胸が縮んでくるよ。 途方に暮れている? そうだね、首が回らないみたい。 ただ、風が止んだら散歩しようか、ここが目的地だもの。

冗談じゃねえな/手紙2011・1

謹啓 年が年なので落ち込むときもありますが、概ね酒の呑み過ぎによります。 それ以外、存外健やかで、「こんなに晴朗でいいのか」と疑うほど。 これはもう元気という病気かと、まずは諦めているところです。 敬具

悲しきベイブ2011/ラブソング・20

「わたしの気持ちが通じて嬉しいの」だって? 決してそんなことを言っているんじゃあないんだ。 映画に出てくる悪党以上の極悪人がいるんだ、地続きの場所にさ。 世界に片想いのままでいいわけはないって話だよ。

暮らし・4/都市サバイバル・ノート165

引っ越しても同じような室内になるだろう。 移動中はかわり映えのしない風体。 そうして、歩き、泳ぎ、舞い、 多少は食べ、日毎呑み、眠りこける、似たような暮らしぶりか。 呑気に苦笑しつつも、望むところだ。

逃亡者・2/ラブソング・19

恋人から遁走できても、愛する思いはごまかせない。 1つの作品で、それも小さな作品で泣く人もいれば、笑う人もいる。 消せない思いを抱きしめ、強い酒を呑み干したんだ、さあ席を立とう。 単なる感想は捨てて。

未来に残したい、咲く瞬間

朝に色濃く開いて、夕に色浅く閉じる花もある。 遠い昔、海を渡り、やって来たのだという。 時代は変わったが、今は亡き人々とともに、今夏の出合いも待ち望む。 咲く瞬間も長くながく、愛でられてきたのだった。

二日酔いの朝に/娘と・54

二日酔いのおれが吐く、臭い息。 それでも、お前は笑いながら、まとわりついてくる、全身でぶつかってくる。 「やめろってばさ」と布団に隠れても。 分かっているよ、率直に生きている明確な身心だということは。

家族に/都市サバイバル・ノート164

惨事を前に、わたしたちは、いや、わたしは、根源的やさしさを提出できただろうか。 悲しさに同化、それでも歩まざるを得ない1歩を踏み出してきただろうか。 愛の何たるかを噛み締め、笑顔を生産できただろうか。

東京ガス室2011/都市サバイバル・ノート163

すべての健康法の有用性は奪われた。 まだ呼吸はできるが、欲まみれの薄いガス室にいるようなものだもの。 退職金が欲しい? えっ、どこで使うつもりなの!? 人質国家と断言しつつ、それでもなお呼吸法を始める。

3人のティータイム/都市サバイバル・ノート162

神奈川の新茶の話が、ラジオから流れる。 家族の全身が一瞬、曇った。 「うちの、あっ、この野菜たち、大丈夫かな」 野菜本来の美味しさをと、市民農園で汗をかく日々。 無残な想いで土も睨むが、風は恨むまい。

ヘルプ!2011/都市サバイバル・ノート161

世界では戦前・戦中・戦後の三位一体状況が続く。 今や戦中の度合いが高いと思う人々は増える一方だが、絶えず安心できぬとは…。 もう慟哭の前で胡坐をかく不正はいらぬ。 聴く耳を持たぬ正義もまた、勘弁だ。

すでにびしょ濡れだった/都市サバイバル・ノート160

人前での笑顔から漂う腐臭、咲き誇る自信には棘、そうして自己確認のためだけの善意──。 いらない、いらないさ。 雨の中、「奇跡や愛の一言で決着がつけば、どれほどいいだろう」と。 犬や猫とも朝を迎えたい。

連鎖/ラブソング・18

風は木々が揺れれば観えるもの。 正直はあなたの戸惑いからもうかがえた。 木々は風に揺れ、遠くの風景を想起させる。 あなたの戸惑いは正直を受け入れ、裏切りを拒否した。 あなたは風の如く去って行くだろう。

出立/都市サバイバル・ノート159

生き延びていくには、知識、ましてや知恵ではなく、暮らしを求める思いが大切。 優れたものだけが周囲を作っているのではない。 やる気がなくても突っ込んでいくしかないときもある。 さて、今朝も出立の時間だ。

待ち続けている/都市サバイバル・ノート158

緑あふれる場所に日差しでうっとりできるベンチ。 待ち合わせをしていたんだ。 心待ちという良薬――。 腰掛け、通り過ぎる人々を眺めていたよ。 そうして、いつまでもどこまでも待っていたんだ、待っているんだ。

遠くからの声/都市サバイバル・ノート157

都市部では、「誰よりも幸福」に比べ、「私こそ不幸」と思う方の比率が高いという。 ただ、幸不幸には頓着せず暮らしてきた、 勝つつもりなく、単に挫けぬよう、その先を見つめてきた。 遠くからの声にも導かれ。

街で/都市サバイバル・ノート156

今では通過するだけの、消費するのみの街を歩く。 「言われるまでもなく、通路というわけか」 目や耳、鼻にはうるさ過ぎるから、貼り付くイメージを剥ぎ、進む。 「この街には、何もありゃあしなかったんだなあ」

わたしに必要なのは歩くこと/都市サバイバル・ノート155

昼間、眩しいほど明るくしなくていいし、 夜中、光の下で起きていたいのでもない。 休日、背中も寛げる広場で、寝転んでいられれば上等さ。 平日、歩いて食べて、歩いて出して、歩いて眠れるのなら、満足なんだ。

暮らしは即興演奏/都市サバイバル・ノート154

続いて何に箸をつけるか、身心で瞬時に判断、口へと運んでいく。 食卓を囲む人々との会話同様、食事もまた即興演奏の連続。 停滞しない演奏を続けていこう。 喜びの視線が交差する場所の成立を、今日も慈しんで。

魂の場所/ラブソング・17

お前という妙なる音楽は、ついと立ち上がって、音楽に身を任せる。 音楽と音楽が重なり、明るいため息や掛け声が奏でられた。 魂の存在に気づく場所。 アンコールの拍手が鳴り出して、お前とようやく視線が合う。

愛の嵐2011/ラブソング・16

西日があなたの横顔を染めていく。 とうに善悪や損得は消え、美醜や容姿も関係がない。 惚れた弱み? いいや、惚れたことの、やむにやまれぬ直情、眠ることさえ出来ぬ幸。 立ち上がり、星を数えながら帰ろうか。

合掌・13/ラブソング・15

用意してきたものがあるんだ。 1本のロウソクだけれど、作れるんだね。 逢わなくなってどれほど経ったろう、笑みが暮らしになっていたかい? 聴きたいことがたくさん、たくさんあるんだ。 さっ、火を点したよ。

鳥は飛び立つ/都市サバイバル・ノート153

朝焼けの中で、美しいものを独り占めしたいとは感じないものだ。 だからといって、共有しようとも。 「ただ、在ればいいんじゃないか」、そう体感している。 発見することこそ喜び。 鳥は一瞬にして、飛び立つ。

犯罪国家に暮らして/都市サバイバル・ノート152

子どもたちに説明ができぬ日々。 一件落着へと向かう言説がもう吐かれている。 個々の事情は知らぬが、マスコミ総体は死んだ、いや、とうに死んでいたのだ。 現状は当然の帰結、今も隠蔽なる犯罪が問われている。