深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

2015(平成27)年の夏に/姿勢・13

持ち合わせはない、もう長く。 命はある、瑞々しくはないが。 涼ではなく、炎暑の詩歌はまだ立ちあがってこない。 それでもなお、風を食もうとしていく。 思想ではなく、流動の姿勢をキャッチしようとしている。

傷口を見詰めながら/地声で・31

鬱陶しくも、暑っ苦しい日々。 息苦しいとも言えるだろう。 が、知っている。 自分で自分を裏切らない限り、パックリと開いた傷口は、必ずや閉じて行くと。 そうでなければ、生きていても仕方ないじゃあないか。

忙中閑ありみたいな/些事の日々・117

普通に運転すればいい? ふと疑問に想う、運転自体、普通のことなのかと。 窓の外、車が何台も走って行く。 手元を見詰め、「こっちのほうが伝承されるべきさ」と。 テーブルには3本目のお銚子に冷奴、枝豆が。

知らないとは言いたくないが/親と子・3

親父を知っているが、知らない。 戦争中のことを、正確に聴いたとは言えないもの。 8月15日はどう過ごしたのだろう。 何を想ったのだろう…。 8年後、誕生した子の顔を視て、誰にまず知らせようとしたのか。

ていちゃん/合掌・50

小学生のころ、狭い住居で宴会があると、突然、踊り出す人がいた。 「モンキーダンスじゃないよな」 子ども心に恥ずかしかった波の如く滑らかな動き――。 実は見惚れたのが沖縄特有の踊りと、後年知った。 合掌

平成版隣組だってさ/この領土で・296

詮索や管理、監視が過剰に――。 度が過ぎればどうなる? 街路を歩いているだけで犯罪者、ついには極悪人に。 全身で記したい、記さざるを得ない、記すべきだ。 「それではもうお仕舞い、何もなくなるんだ」と。

静寂のために/些事の日々・116

店に入った途端、「しまった」。 子連れの団体が周囲を占領していたのだ。 案の定、喧騒以上騒音未満。 予約した手前、出るに出られず呑んでいると、「静かにしてください」と。 何と女将がたしなめたのである。

風に吹かれて2015/唄・52

リズム・メロディー・ハーモニーだけではない。 音質・声質もまた忘れられない。 同じ言葉でも、変革の促しを感得したり、踏み止まる大切さを体感したり。 聴き手が音楽を成立させているのだ。 風が吹いてきた。

視抜いていこう/この領土で・295

あれこれと、むき出しな時代だ。 されど、視えないものは視えない。 何もかもが隠蔽された時代だ。 しかし、視えないものが見えてもいる。 暑い日々だが、蒸発させてはならないものが確実にある、そこかしこに。

約束2015/この領土で・294

では、約束していただこう。 戦争には一切巻き込まれないと。 もしも死者の1人、いや、ケガ人が出たときには、首のご提供を。 介錯は、愛する妻にこそお任せしたい。 発言に嘘がないのなら、約束できるはずだ。

洗濯おっさん/清原的もう出逢ってしまった友へのご挨拶・4

冗談じゃねえや、ったく。 休日は雨か、労働だもの。 海にも国会議事堂前にも行けないし、雨が降り出したんだ、干しっぱなしの洗濯物、どないすべ。 嫌になるぜ、あ、ごめんごめん、気づかず。 どや、も、1杯。

表情が消えていく/地声で・30

安保法案、結局、戦争ができる・する国への変貌。 原発の再稼動、要は暮らしへの軽蔑。 沖縄の基地、つまり本土の基地問題。 まだまだあるが、死の輸出入はご免だ。 どれもが、大量虐殺=集団自殺の相貌である。

雨上がりの夕刻/マザーネイチャー・15

都市にも自然が満ちている。 例えばコンクリートを割って出て来たような草たち。 五感を働かせれば、感じ取ることもできるだろう。 実は、匂いは鼻の奥に届いているのだ。 何より空を見上げれば雲が湧いて来た。

音楽として/歩く・31

消耗していても、歩くことはできる。 が、リズムが作れないと、逆に疲れてしまう。 まずリズムの創出を心がけること。 うまくいけば、メロディーやハーモニーもやって来て、一体となる。 声質や音色も鮮やかに。

見送る日々に/合掌・49

「見送るのはもういいよ」 やはり、そう思う。 「見送られるのには、まだ早い」と、誰かと同じように感じつつ。 誰しもいずれ席を譲らなければならない。 が、今はただ、「見送るのはもういいよ」と、繰り返し。

泥と金/この領土で・293

苛立ち、文句を言っただけでは何も変わらない。 盛りのついた何とやら、蹴散らされるだけ。 が、動物にもなれない、いや、なろうとしないだなんて。 変わらないことが変わっていない。 沈黙は泥、発語は金の今。

1日/些事の日々・115

冷静な格好よさ? 乾き過ぎた人間嫌いでなければいいのだが。 もし、人の生命が輝くなら、表札も捨てたものではない。 が、すべて反転する可能性こそ捨て去ってはならないだろう。 1日には朝と夜、昼まである。

新旧にかかわりなく/小道へ・5

まだ歩いたことのない小道と出逢う。 初めて歩くときの鮮やかな感覚は捨て難い。 一方、歩きなれた、よく知っている小道もまた。 季節ごとに新鮮な相貌を垣間見せてくれるのだ。 記憶しきれない自然からの問い。

交通渋滞/この領土で・292

今の時代を歴史書として読み解こうとする。 が、遠近感をつかむことがなかなかできない。 1枚の絵にもしにくいのだった。 ふと、言葉を初めて操り出した人々の後ろ姿を追ってみる。 交通しようとしていたのだ。ブッシュ・ドクターアーティスト: ピーター・ト…

一堂に会する/この領土で・291

原発だけではなくて、基地も、東京へ。 あるいは、隔離病棟、戦場も。 冗談ではない。 そこまでしないと、何も変わらずに、あれこれ温存されたままだ。 そも、蓋をしても、どんどんどんどんと、はみ出してきた?されどスウィング -相倉久人自選集-作者: 相倉…

老眼も進み、懐かしいのかどうかも分からずに/顔・7

片付けの際、出て来た小・中学生のときの卒業アルバム。 覗いてみれば、すでに記憶にない顔も。 気になる奴も探したが、すぐには分からない…。 そんな按配だ、今、すれ違っても、分からない顔ばかりなのだろう。

おめでたく行こう/この領土で・290

沖縄に原発、地震に貧困、戦争に労働強化。 すべて地続きのこと。 悪びれることはない、体感したことを伝えていくだけだ。 もっとも、歯牙にもかけられない? いいじゃあないか、仲間には必ず届くはずだから。

謎を解く/ラブソング・76

数え切れないほど物語が生産されてきた。 たった今も、なお。 愉しく消費されてもいる。 そうして、おまえとおれは、どこにいたのだろう? 2人の間の泥濘の謎は、2人だけで解けるわけもないと知ってはいたが。

「ああ、そうなんだ」/この領土で・289

同じ方向で考えている。 が、着地点が違うことも。 「ああ、そうか、そうなんだ」 大切な領域が何かによって、分岐していくのだった。 互いが互いの命を保証し合おうということに、かわりないのではあるけれど。

希望とか夢とか/呼吸・53

気付けば息をつめていた――。 「まずいよな」と身体からの声。 血流に悪影響云々? 「いや、そうしたことではなくて」と息をゆっくりと吐き切る。 できるだけ深い呼吸を繰り返すことが、希望であり、夢である。

「おはよう」/暮らし・15

まともな会話さえなかったので別れた? 言いたいことは分かる。 が、まともな会話とは? 湯が沸く中、会話らしい会話もなく、大切な情報は得ているものだ。 そうして、意思疎通も、ときに出来ている朝の中――。

公務員が分からない/この領土で・288

警察官や自衛官になろうと想わなかった。 お金とほぼ縁なく暮らしてきたが、考えたこともない。 中身は空っぽなのに、重過ぎる荷物は捨てたいだけ。 そうだ、そうなのだ。 夜には夜の明確な役割があるのだった。

バード・オン・ザ・ワイヤー2015/この領土で・287

薄暗い中で恐怖は募る一方。 いっそ真っ暗なほうが、マシ? 監督と支配、指導と拘束、教育と刑罰は違う。 あれこれ一緒くたにしてグツグツと煮込んで、「はい、どうぞ」? 歩いている、歩いていく、境界線上を。

アだとか、ベだとか/言葉・89

民主的独裁だなんて、独裁にかわりはないだろうに。 独裁的な民主にしろ御免だ。 「自由」と何気に小さな声で呟いている、いく。 あるいは、「解放」とも。 古くからある言葉が今も新鮮で、求められているのだ。

梅雨空にてるてる坊主を/月下の貧乏人・38

月を視ては、宇宙との対話を。 ハワイどころか、近隣のレストランにも行けない貧乏人だわな。 ざまあみろ、ハワイやレストラン、宇宙は広大無辺だぞ。 休みなき漆黒。 休みという概念もなく、月よ、今宵は輝け。