深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

平成四季派・2/天下の太極拳ヨーガ野郎・3

健康法に邁進できるのは健康だから。 一方、病があっても行う養生法は命への褒美。 生は春、夏、秋と来て、死という冬で終わる? いや、養生しつつ四季を同時に暮らし、季節の消えた漆黒の宙へ解き放たれるのだ。

今日を生きよう2012/都市サバイバル・ノート203

身近な障がいというが、実は誰もが今日の、明日の障がい者。 思う、「それに死んでいるほうが長い」。 終末論という敗北の言い逃れはいらない。 ここが終末、晴れわたる空の下の。 今日を、今を、死ぬ、生きる。

朝の深部/ラブソング・40

月日はふいに雲散霧消だ。 思い出そうとすれば、何故か方向感覚を失ってしまう。 今もここで、強くつよく思うことしかできない? ただ、何の不満があろう。 血を走らせ、熱いコーヒーを飲み始めている臓器の朝。

遠い願い2012/ラブソング・39

無神経と闊達は別物だが、この際、問うまい。 ただ、「駄目だっていいよ」とは伝えよう。 人様に必要とされるのなら。 仮にそうでなくても構わない。 ヒューマニズムよりも、存在自体の無事を願っているのだ。

汗を拭う/天下の太極拳野郎・6

バランスをとろうとして、基点は発生する。 そうか、理解はできないものの、納得できる領域もあるのだと、天を仰ぐ。 死より怖い飢えが身近な国で。 もう1度、踊ろうと、わたしも汗を拭う、水を服す、立ち上がる。

姿勢・6/日本人の元気・9

どうしてだろう、裏切ったと感じられないのは。 英雄ではない、何事かを成したのでもない。 転向したにもかかわらず、むしろ惹きつけられる存在。 人を見失わず、独りで共に歩む姿が静かに響いてくるのだった。

姿勢・5/都市サバイバル・ノート202

家族にも言い難い、薄汚れて卑しい、悪とも言える心。 憎悪に殺意も――。 より怖いのは、単なる指摘に止まる、否認と同じ、衰弱した文脈だ。 ならば、黙って暮らし抜いていく姿勢こそフェア、そう呟いておこうか。

木々のもとへ/マザーネイチャー・5

それでも、木々を訪ねよう。 わたしたちにとって親しい、汚された親戚たち――。 あなたを呼ぶ1本の木と出逢えるはずだ。 ゆっくり確かに歩いていき、風と一緒に、1つだけ尋ねよう。 「また来ていいですか?」

宿題が片づかない/子どもたちと・5

子どもたちには見せたくない現実。 が、伝えざるを得ないときも。 戦争はどうか、犯罪は、また革命の名の下の粛清は――。 何をどう伝えていく? わたしは、深く広い場所の声を届けることができているだろうか。

宿題を出された/子どもたちと・4

子どもたちと遊んでいたとき、どうした流れか、突然聴かれた。 「戦争って何で起こすの?」 「何故起きるのか」ではなく、主体も明確に織り込まれた問い。 「宿題にさせてよ」 空へ向かい、ボールを蹴り上げた。

いつかは訪れないかもしれないが/都市サバイバル・ノート201

不幸や苦労、悲哀続きの人生。 人は最低と言い、本人も行き場のない想いで暮らしている。 いつか、「生きていてよかった」と体感できる、穏やかな風を嗅ぐときの如き契機はないのか。 たとえ錯覚でもいいのだが。

宇宙の果ての今ここで/ラブソング・38/祝福・8

別れたくないから別れを体感する朝もある。 手放さなければ得られぬ残酷。 人と共に暮らそうとすることが美談とされる国で、宇宙の果ての少し先を思う、光る米粒を喰らいながら。 今生を祝福し倒せるか、どうか。

「何だかな」の後に/ラブソング・37

「何だかな」 何が、「何だかな」なのかは分からない。 ただ、ここ最近、口に出てくる言葉だ。 老けた子どものような面持ちで。 ただ、今もあなたのことは忘れていない、皮膚が、背骨が、内臓が感じ続けている。

春の目覚め/ラブソング・36

肩で息をしたり、腰をすえたり、尻に火がついたり。 心には身体が必要だ。 あなたの身体に潜む美しい密林はもう、忘れたが。 いや、木々が生い茂っても想いは眠っているだけ。 目覚めるのは今宵、星々とともに。

朝まで待てない2012・1/ラブソング・35

遠くから列車の走る音が届けられてくる。 今宵この夜、あなたはやわらかい空気だ。 半歩はんぽの道のりなら、見えてくるだろう。 身心の導火線が湿っていても、出逢うのだ。 夜の産毛を堪能した後の、朝焼けと。

逃亡者・3/姿勢・4

逃げるしかないときがある。 しかも、逃げる姿勢が問われるときが――。 消息を絶つ寂しさも感じるはずだ。 だが、風は、今・ここだけで発生したのではない。 勝つためではない、負けぬために逃げるときがある。

また逢おう/ラブソング・34

今夜また、お前と逢えるだろうか。 暗く見えない場所で育つ領域もある。 飛び出していったお前と、また逢えるといいのだが。 湿った土地で伸びていくものもある。 いつか逢うお前は、どのように現れるのだろう。

ウロツキスト・3/都市サバイバル・ノート200

心が静かになる物語を読み始めよう。 が、連続射殺魔や連合赤軍、オウム等もまた、着地していない。 個性的な個人を求めてこなかった。 個体の個別性が発光することに惹かれてきたのだ。 うろついている、いく。

まず眠れる場所の確保/都市サバイバル・ノート199

捨て身の戦法で、身も蓋もないわけではない。 上機嫌なら、信じてもいない神仏にもご挨拶さ。 解放、とどのつまりは不届き含みでいくかな。 もっとも、「昼寝はもうやめて、さて夕寝でも」が最善の場合もあるんだ。

昨日の世間/内緒話・5

「関係ないさ」と言い切りたい。 が、わたしにもできない。 どうしてだろう、スッカラカンなのに。 涙が出ても怒らず、怒っても泣かないと決めようか。 遠い場所の暮らしが昔や明日、今ここと同じと知っている。

生きている生きている生きている/呼吸・28

生き物と暮らす悦び。 犬に猫、兎に亀、金魚に兜虫、花に盆栽、いっそ鉱物も入れようか。 深く呼吸している姿。 見つめているだけで気分がいい、懐かしい。 暑くとも失いたくない温かみを実感できるのだった。

信仰心はないが/合掌・32

身体の前で、手のひらを合わせる。 手を立て、後頭部を見せるほど、頭を垂れるときも。 たった、それだけの動作に万感の思いを込められる妙。 「ありがてえもんだな」 編み出してくれた先人たちにも合掌を――。

天候で転向、もしくは日和見主義の効用/都市サバイバル・ノート198

天候の豹変で窓を開ける機会が増えた。 馬鹿者の如く空の様子をうかがうのだ。 言葉にできない領域を見抜くより、言語化できる世界を確かに届けるほうが大切なときもある。 大雨の直前、窓を閉じ、日和見と呟く。

家から家庭、そうして家に住む/身体から・63

山頂で空を眺めていたが、あそこも家。 雲が走り感嘆符付きの言葉が飛来した場所も、家だ。 強力な武器もいずれ竹槍になると再確認した身心1つ、ここも家。 では、死は家出? いや、そここそ長く澄み続ける家。

昨日の日差し/内緒話・4

勇ましく呼びかける人に限って消えていく、消されてもいく。 いつものこと、どうしたものか――。 わたしは、信用できない場所で詩歌を、ただ、詩歌を希求していた。 疑わしき朝もやの中で、日差しを待ちながら。

虹の彼方に2012/都市サバイバル・ノート197

「あっ!」 丸い驚きの声に皆の視線は指さすほうへ。 「虹っ」「にじよね」「ニジニジ」とキャッキャッ騒ぎ出す。 素寒貧だったが、グルリにも明るさが。 ほどなく虹は消えるだろう、後は黙して見つめるばかり。

昨日の微笑/内緒話・3

篤実な方だなと思った。 身体から微笑んだのだ。 彼女は言う、「もう泣かないでと、耳の奥で声がしたの」。 まだ子どもの声だったそうだ。 「おかしいわよね」、一拍置き、「どれぐらい経ったのかしら」と――。

昨日の屈託/内緒話・2

「相変わらずだな、お前の低迷ぶり」「お互い様さ」 苦笑し合う。 「風邪なんか引いたときにゃ、なかなか抜けない」「効用なんかないよな」 酒が回った、2周ほど。 だが、おれたちにも細く狭い道は見えている。

昨日の姿勢/内緒話・1

無闇と叩かれるのは、もうごめんだな。 頼んでもいないのに突然現れる広告のこと。 生産手段を持たないからと業界に巣くうのは当然のことだ。 ただ、おれには分からないんだ、戦を生産しては食い、笑えるなんて。

目を閉じる/身体から・62

夜の森の中、ランプを消せば、自分の胸元さえ見えなかった。 この国のようだ、そう苦笑を。 唄を口ずさみ、瞼を閉じれば、やはり漆黒の闇だ。 ただ、ほんのりと温かみが。 明るい兆しさえ覚える暗さなのだった。