深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

あれは3年前/ラブソング・74

別れは、目の前に迫ってきていた。 自恃など、もはや用なしである。 歩きに歩き、それでも歩いてきた。 「さようなら」を言われる前の、さようならを想いながら。 結論が出ないまま、別れることもあるのだろう。

一目惚れの口笛/唄・38

何回も聴けば、あきてしまう唄がある。 が、惚れ直すときも。 数回も聴かない唄があれば、思考を閉ざしたり、跳ねさせたりする唄もある。 人はいつ、なぜ、歌い出したのだろう? 始原を想像しつつ、口笛を吹く。

お茶を飲もう/彼女・20

前進する、ただし静謐に。 「怠惰への挑戦・怠惰な挑戦より、挑戦的怠惰のほうがいいわよ」と。 長い髪を切った。 「冬にサッパリすると、気持ちいいもの」 公園で熱いコーヒーを入れ、飲み始めたときの言葉だ。

変わりなく加齢/歩く・28

山道を歩いていた、「若いときとは違うな」と。 かつては疲れても歩いていた、うとましくなく。 今は、どうか。 疲れると、うとましくなってしまう。 が、あと少し、もう1歩と、歩を進めることに変わりはない。

工夫/都市サバイバル・ノート269

寒村を歩いていた。 そこかしこにうかがえた工夫。 すれ違う人は当たり前のように挨拶をしてきていた。 工夫するしかない暮らしに想いはのびていく。 実は、未来へとつながっていく豊かさがあきらかだったのだ。

途上で/歩く・27

山道で迷った折、来た道へ戻った。 が、天候は変化、下っただけ風景も変わり、はてさてと。 戸惑いつつ、空を見上げる。 陽射しがうかがえ、「あっ、道が読めた」と。 進むべき方角があきらかになったのだった。

気づきに気づく/野の花チャイルド・29

何台もの自動車を乗り潰しても、辿り着けない場所。 バスや列車、いわんやロケットでも。 春のことだ、野の花が人知れず咲いた。 訪ねる場所は身近にあるのでも、遠くにあるのでもない。 気づく場所にあるのだ。

ゴトーを待ちながら2015/ラブソング・73

まずは言い合おうじゃあないか、見当違いが渦巻いたとしても。 考え違いしても、正していけばいい。 正していくしかないのだから。 ねえ、どうかな? 貨幣制度を今すぐにでも廃したいほど、命が滲んで来ている。

ここ最近/死を想う・8

病と死が待つ人の生、人生。 生物は刻々と死に、生き返っているのであるが。 言葉にならない想いを抱え、ついに胸の奥からしぼり出す。 「生きている間中、生きていこう」 もう生きている、まだ生きていくのだ。

「あっ、見つけたよ」/身体から・94

家族を、恋人を、友人を偶然見つけたとき。 つい走り出してしまう。 そのときすでに、想いは全身を疾駆している。 発見の愉快に貫かれながら。 そうして、再会した折、新しい出逢いもまた、走り始めているのだ。

いい湯だな2015/愉快・1

強風で、湯煙が急激に走ってくる。 思わず露天風呂へと急ぐ。 雪が舞い、木々は揺れて騒ぎ、雲はどんどんと流れていく。 ついと笑みがこぼれてきていた。 寒い中、熱い湯に、まだまだ浸かっていられたのだから。

ひと息/暮らし・11

1日のどこかで寛ぎたい。 暮らしを存分に堪能したいのである。 どうすればいい? 追われながら、1つひとつのことに対して、しっかり対応していくしかない。 結果、ひと息入れられれば、よしではないのか――。

希求/死を想う・7

死ぬときは、皆、同じ? そんなことがあるものか。 士農工商の如き、死の階級性――。 見えやすい簡潔・簡素な暮らしへと、直接的につながっていく開かれた思考を希求してきた。 まずは、一緒に食卓を囲もうか。

寒さから逃れて/老道・15

老いて早起きになった。 身体的な事情もあるだろう。 が、残された時間を無意識で体感していることもまた、誘因? 分かっているのだ、1日いちにちを味わっていきたいと。 今朝も朝陽のありがたさは格別である。

日々の行い/彼女・19

その笑みは、現れては消える雲ではなく、消えては現れる陽射し。 媚が嫌いだ、苦手だ。 「女そのものの外で呼吸したい」と呟く。 小さくて足は遅く、身心が弱くて想いは低い場所へ。 元気が湧く場所を造成中だ。

今日のハレ/彼・23

彼はナイーブではない。 が、ていねいに反応する。 自らが公然としているからなのだろう。 「だって、嘘の上塗りはしたくないし、そもそも嘘が思いつかないだけなんだよ」 隠し立てのない暮らしぶりの快晴ぶり。

企画書だらけ/些事の日々・110

「単に企画でしかないのでは?」と憤る。 望まれているのは、その先の世界のはず。 実り、リアルになっていく暮らしが基本なのだ。 傷つく人は必ずいる、いい悪いではなく。 せめて、今ここの暮らしに、人をと。

2015(平成26)年冬の朝に/言葉・79

まだ暗いうちに目覚めて、起き出す。 荒廃、犠牲、寂寥という言葉と出逢う。 まずは洗顔・歯磨き、そうして用足しをする。 親切や優美、勇気との言葉が、ふいに飛来して来た。 今朝、室内灯を消すのは誰だろう。

売買ゲーム?/当世労働者覚書・30

売れない・売れる――。 とても大切なことだ。 売れなければ食卓が成立しない。 しかし、売れるだけでは食卓に向かう心が成就しない。 その上、そうしたことを一切考えないで済む働き方もまた、必要なのである。

夕陽赤く2015/当世労働者覚書・29

気分はもう長く日本で暮らす亡命者。 実際は、単に重く呑気で軽薄な都市生活者なのだが。 労働者はせこいものだが、せこい労働者にもなっていく。 「ままよ」 いっそ、夕陽を背負って、旅支度といきたいのだが。

夜の発光/月下の貧乏人・32

夜の森にいた。 思っていた、「潜在化した大切なことを顕在化させていく」と。 出来るかどうかは分からない。 したいか、すべきかも、今は不明である。 が、月の輝きの下、せざるを得ないだろうとは視えていた。

静かな音/野の花チャイルド・28

花の美しさ――。 いつから感じられるようになったのだろう。 手に取らなくていい、舐めることもしない。 そばに咲いているだけでいいのだ。 静かな夕暮れ、原っぱへ出向けば、花の咲く音も視えて来るのだろう。

冬の日の関係/平成四季派・11

関係は作りたくない、ものごとをしっかり伝えるために。 関係は深めたい、黙っていてもいいように。 霜柱を踏みしめたときのように、快の相槌を打つ。 氷が張ったときのように、気持ちを引き締めて。 暖の冬へ。

冬の夜の遠近感/月下の貧乏人・31

冬、顔を上げる。 そうして、夜空を見詰めていく。 宇宙が、ご近所になったかのような気分に。 愉しいような、怖いような、何よりスカッとするかのような。 「人を喰え、取り込むのだ」という声はもう、遠くに。

さ行でいこう/この領土で・357

さらわれたくはない。 しがみつきたいし、すがりつきたい。 せめたくないし、そっくり返りたくもない。 ささっと済ませて、しんみりと、すり替えはせず、せんそう反対と表明し続ける。 そばにいながらにしてだ。

性蝕記2015/この領土で・359

受け入れるしかないこともある。 何故か? 取り返しがつかない上に、後戻りはできないからだ。 が、強いられた受容であることに変わりない。 身動きできず、新鮮で物騒な果実を頬ぼることだけはできる事態――。

暗いままでも大丈夫/ラブソング・72

苛立ち、うんざりする。 それでも、出逢いたかったのだ。 今は、互いが背中を見せ合っているけれど。 が、やはり出逢うことができて、よかったのだ。 あたりは長く、暗いままなのだが、眼はすっかり慣れ始めた?

目障りだな、看板/都市サバイバル・ノート268

気にすることはない。 意味なき高い塔が、単に瓦解していくだけだから。 逃げられる者はいるだろう、一方で死ぬ者もまた。 が、行こうとさえ感じなかったはずではないか。 関わりのない看板は素通りしていこう。

訪ねる場所/暮らし・10

古人より今の人のほうが美しいとは限らない。 違うかな。 つながったり、孤立したりして、息苦しいことが生きていることだとでも? 身を労わる術を訪ねていく。 何も見せるために暮らしているわけではないのだ。

「あっ、見つけたぞ」/呼吸・50

子どもが勢いよく走ってくる。 どうやら、家族を偶然、見つけたようだ。 まだ息は乱れていない。 一気に傍らを通り抜けて、駆け抜けていく。 その先に佇んでいたのは、吠える老犬と、まだ気づいてはいない祖母。