深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

遥かなる旅路/幸福論・10

「おかしかないか」 暮らせる悦びをまず噛み締めないなんて。 幸福は概ね、他人様の不幸の上に成立を。 笑みを浮かべられればいいが、そうでなくともいい。 幸不幸を超える、いや、忘れられたときこその暮らし。

頭の中で鳴っている「スッ」の唄/ワンダフル・ワールド5

吹きっさらしの場所でスッポンポン。 ポンツクポンツク、スッポンポン。 暑い日々に唇寒く、夜が白くて白々しく、何が何やらスッポンポン。 スッポンスッポン、スッピンピン。 ニッポンスッポン、スッピンピン。

月に雲/月下の貧乏人・17/幸福論・9

深夜、遠くから列車の走る音が届く。 杯を空けつつ、「幸福もまた、たどり着こうとするだけではないな」と。 まずは気づき、発見するのだ。 窓の外を視れば、月を隠す夜の雲。 特に悪さをしているわけではないよ。

朝練を聴いた/唄・23

本番に備え、練習は大切だ。 ただ、心の練習はしにくいもの。 しかも、練習は本番の側面も併せ持つ。 力を存分に発揮できる練習といった領域も少なくないのだ。 故に本番以上に訴えてきて、身心が導かれていく。

踊るカーテン/食卓慕情・4

食卓に並ぶ大中小のコップ。 連れ合いのほうが呑むが、決まって中を選ぶ。 閉めた窓の外の微風が、カーテンの裾をいつもくすぐるのは何故だろう。 今夜は真ん中のコップを手に、静かに床を這う音楽を鳴らそうか。

「あ、おれも」/老道・6

抜け道は、決まって狭い。 暖簾をくぐり振り向けば、婆さんが、「この道、恐いね」。 そこにかぶる女将の、「お客さんが入ってくれるわけね」の苦笑。 ゆっくりと背筋を伸ばした婆さん。 「熱いの、1本だけね」

ブルーズを呑む/月下の貧乏人・16

給料振込日。 感嘆する色彩を贈呈されたわけではない。 その日暮らしを続ける、その月暮らし。 お銚子を勧める仕草をすれば、傍らの者も呑み干すばかり也。 月を愛でようか、星々から愛でられるようにしようか。

香りを観ていた/野の花チャイルド・19

花が散っていた。 音が聴こえたような、そうでないような。 初めて裸になったかのような姿形、どこまでも広い蒼天。 枝とも別れ別れになった花は、香りも視覚へと運ぶ。 笑みとともに、人心へと潜り込みながら。

森の生活2013・2/呼吸・42

森へと入ってゆく。 息は乱れても、穏やかな想いは変わらない。 むしろ一段と静謐な心持ちへ。 朝の陽射し、昼の風、真夜中の月・星々。 沈黙の親戚に囲まれている森の中では、自らの呼吸を身心で聴くのだった。

森の生活2013・1/呼吸・41

森だ、まず森だ。 香ばしい暗がりに、陽射しが穏やかに届く。 消し難い隠棲の心持ちで、深呼吸を1つ、2つ。 森へと拡がる身心もまた、森の一部――。 何より森だ、森全体へと化してゆく、人とも呼ばれる森だ。

夜の歌2013/希望の弁証法・7

明けない夜はない? だが、夜はまた確実にやって来る。 夜と夜の間の束の間の朝陽は、夜が産んだのかも知れぬ。 お手軽な希望は深い絶望へと転化するばかり。 この手で、夜の、残酷な夜の温もりを発見していく。

お疲れ様/当世労働者覚書・18

帰宅には早い時間帯の電車内。 目の前に定年を迎えた男が座る。 両手には、「長い間、お疲れ様」の文字がうかがえる花束。 広告を愛でるように眺め、居眠りに入る。 その途端、唄を口ずさみ始めたのだった――。

木の物語/映画の発生・6

1本の木に咲き誇る花々。 全体をとらえようと、押し黙り見詰める。 そうして、静かに寄って行った。 見上げれば、光の按配で空に浮かぶ花々のよう。 その場を離れて振り返れば、また新しい物語が始まっていた。

手仕事・5/当世労働者覚書・17

長く働いてきた、何十年と。 ついと、「何をしてきたのか」と思った。 少しでも喜ばれてきたのならいいのだが。 何より、「今、何ができるのか」と。 追われながら、今日も明日も手足を核に動く、働く、暮らす。

変種へと/都市サバイバル・ノート235

強い陽射しのもと、どうしたわけか、ずぶ濡れの導火線。 ひょろりと心もとなく、空虚なまま棒立ちに。 乾くのを待つな、いっそ早く腐ってしまえ。 土へと還り、同化に近く、異化には遠い場所と出逢っていくのだ。

美味しい水2013・1/この領土で・106

目の前には、身心を汚す美味しそうな水。 後はどうなろうと、知ったこっちゃあない。 ゴクリと飲み干す。 喉から全身に走る、忘れられぬだろう愉悦のようなもの。 だが、果たして、喉は、渇いていたのだろうか?

日和見という基本/都市サバイバル・ノート234

いつでも逃げ場所があるという幸運。 豊かとは言えまいが、出立の根拠にはなる。 折々の場所で、濡れた身心とともに、雨宿りを。 ひと息つける。 小刻みに足踏みすれば温まり、天気を少しは読めるようにも――。

有限だから人生/都市サバイバル・ノート233

選べるなら、無限・有限、どちらの生? 後者か。 ただ、死ぬ前日、慌てて後1年、いや、1週間、いいや、1日でいいと? 「望みすべてを叶えた人生はない」 教訓を思い出すが、要はあっけらかんと致し方なしだ。

思い出ボロボロ/この領土で・105

新しい暮らしを求めることは大切だ。 が、懐かしい日々を手放したくはない。 3月12日を迎えるのは、人災を超えることができたとき? どうなのだろう。 記憶の暮らしでは今日もまた、死者と呼吸を重ねている。

虚空とか宇宙とか、あるいは幽霊とか/合掌・41

人が死ねば心も去る。 そうでなければ、心と一体の身体が寂しかろう。 思い出しては、去った身心を手繰り寄せる。 それにしても、乗り物の身体は心を連れて、どこへ行ったやら。 夜空の向こうの、今ここかしら。

重心移動/呼吸・40

何故だろう、人が動くのは。 理由もなく移動せざるを得ない? 今は多過ぎる出逢いは望まぬ。 あれこれ売りつけられても、「他の方にどうぞ」と。 踏み外さないよう動いているが、自らの呼吸に重心は移している。

春ごもり/野の花チャイルド・18

忙しいほうがいいとばかりに、日々、ニュースが生産されていく。 虚構はいいが、嘘はだめだ。 ましてや、伸びていかない単なる報告も。 人々は実は、ニュースの根元を暮らしている。 人知れず花が咲いた折にも。

行動という市場/友へ・2

まずは体感、そこに言葉が乗る。 行動至上主義の誤謬が権力者からも滲み出て来る。 逃げられればいい、立ち向かうために。 言葉が感情を超え、行動の消滅を夢想する基点も忘れるな。 おれたちはまだ、大丈夫だ。

千葉の東京なんて知らないよ/何となく・1

「考えごとをしつつ部屋の中を歩き回る」 小説やポップスで出逢ってきた言葉だ。 「えっ、そんなに広いのか?」 雨にも濡れず歩ける悩みとは、あな、羨まし。 ただ、ネズミ不在のネズミ小屋も悪くないものだよ。

履き替えたほうがいい/この領土で・104

今も暮らし方が問われている。 いずれ生きている人々も消えていく。 余計なものを残せば負担になるだけだ。 土産を残したい気持ちは分かる。 が、新品の靴は履きなれていくものだし、何より気持ちがいいものだ。

作法/この領土で・103

負担から逃げられるなら、そうすればいい。 ただ、制度の小さな穴を見つけ出すことは、忘れまい。 過去・未来に色目を使わず、今のど真ん中で、暮らしを再生産していく――。 突入でなく、引っこ抜いていくのだ。

歩行者ヘヴン/この領土で・102

そりゃあ、失敗はいやさ。 ただ、単に成功したいとは思わない。 歩くことの楽しみを堪能しながら、振り返れば泥濘に足跡がくっきりと見えたよ。 とはいえ、幸運を心底熱望しているのでもない。

食と職/この領土で・101

とどのつまりは、職と食が今も昔も大問題。 確かに、職の確保は食の確保だもの。 ただ、今や一転。 「食の獲得が職の獲得へと結びつくヴィジョン」もまた必要なのだ。 描けるといいな、一筆書きで。

散歩という休暇/呼吸・39

散歩しようよ。 ヴィジョンもなく、ただ変えればいいわけではない。 今夜も月が出ているね。 今のまま、変えなければいいわけでもない。 月が照らす道のりは、コースがあるようでないから、呼吸がしやすいんだ。

会社員と仕事、そうして人間/当世労働者覚書・16

会社員としては失格だが、専門的仕事で有能な人がいる。 専門的力はないが、会社員としてはしっかりした方も。 人間として酷い輩はともにいただけぬ。 人間的魅力に満ちた者は蹴落とされる場合が多いのだけれど。