2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧
春菊も、筍も、蕗も、菜の花も美味也。 舌のみならず内臓、ついに身心丸ごと悦ぶはず。 美味とは何か不明なまま。 ただ、この感覚があればこその暖かい日々? 開け放った窓から、春の匂いもふと来訪するだろう。
鳥の飛び立ちを眺めていた、桜が咲いていることも忘れ。 桜に見惚れたとき、風の音を聴いていなかった。 風の中を、風が吹き抜けていく。 人のにおいが滲んで、運ばれてきた。 グルリを体験していた1個の身心。
極限の不運に、つい笑ってしまう不謹慎なときがある。 軽蔑? いいや、我と我が身を鑑み、身につまされ、笑うしかないのだ。 神妙な表情、そうして爆笑。 しまいには涙を拭いもせず、天を意味なく仰ぐのだった。
廃炉まで、わたしもまた、生きてはいない。 推進派も経済に人質にされている。 ご近所どころか、地球の裏側、海の底まで監禁・拉致しつつ。 祈っても仕方ないが、ふと祈る。 安酒を流し込みながらの宵に、春雨。
生命の保証される日を、指折り数えて待っている。 そうして、胸を静かに開いていく。 できるだけ、ゆったりと腰を落ち着けて。 思いつきでもいい、語り出すのだ。 率直に話しかけているとき、呼吸はできている。
愛しきなり、雀、愛しきなり、米粒。 愛しきなり、野の花、愛しきなり、土。 愛しきなり、雨、愛しきなり、川。 愛しきなり、声、愛しきなり、手。 春の朝を迎えられた、おとなしい悦びの中、また目覚めたよと。
少子化・高齢化の化が取れ、超を冠する超少子高齢社会。 その到来に問題ありとの言説が。 ただ、戦いも闘いも斗いもできなくなるのなら? 切れるご老体には困り果てるが、一方の諦めの解放は満更ではないはずだ。
武器の発明。 根底には他者より強くなろうとする精神が蠢く。 実は今ここに在ることの強さを失わせていく、弱さの証明でしかないのだが。 目的意識から遠い上昇のためだけの想いもまた、今や単に武器でしかない。
雲に座し、ゆったり三日月を釣ってみたいな。 星と星とをひと跨ぎするのも気分爽快か。 宇宙のど真ん中、自分という宇宙が手のひらを叩けば何が鳴ったことになるのだろう。 いつか天に釣り上げられていくのかな。
老いが、できること・できないことの峻別を強いる。 やるべきこと・やらざるを得ないことに翻弄されながらも。 やりたいこととの葛藤も続くだろう。 ついに自力で歩く、食べる、排泄することが悦びとなるのだが。
輝く者との出逢いは、ときに自らを放棄する崇拝の心へと。 負の感情から敵愾心にも向かわせる。 関係は壊れものへと歩んでしまうばかりか。 共に生きていくには、力まず尊び、恃まず弛緩しない地上の営為からだ。
伝達の道具は急激に発達を。 一方、朝の挨拶は減少した。 密室、それも隠れ場所でさえない密室で交わされる小奇麗な嘘と真実。 朝陽が昇るとき交わされる挨拶からは、万の体験ができるのだが。 よくも悪しくも。
相変わらず強盗に強姦、殺人が続いているよ。 止められないよ、融和の快を身体化できない限り。 加齢で方向音痴になった? いや、方向喪失さ。 どこへも行きたくないときが多いよ、遠くへ向かっているとしても。
「何も出来ない」と思い知らされてきた。 想うことだけが残されてきたのだ。 ただ、役に立とうとする際の誤謬は見抜こうと、自戒してきた。 想いを忘れることなかれ。 今日も想うことの静謐さへ向かっているよ。
もっともらしい深遠、いや、深遠のもっともらしさ。 嫌味で浅はかな物言いが耳に止まる。 が、卑近・卑小でも、切実な思いの丈を込めた叫びこそが響く。 うねる、砕ける、弾ける。 身心が解放にも導かれていく。
貨幣を超え、安心していられますように。 大切な思い出が手がかりにならないとき、それでもなお、よしとできますように。 絶望を絶望のまま受け止められますように。 “本来無事”の虚実を見極められますように。
自分だけで生きていることに負の感情を持つことはないと思い切れますように。 亡くなった夫と歩むことができますように。 死が死として、つまり生が生として成立しますように。 今日を静かに体感できますように。
深くなるな、軽くあれ。 ヘイッ! 勝手に楽しもうぜ、液体や、うまくいけば植物も。 祈ることばかり増えるが、ヘイッ! 好きに楽しもうぜ。 笑い続け、ついに泣いてしまうのだろうが。 重くなるな、浅くあれ。
絶望を投げかけて、どう応えてくれるのか、知りたい方がいる。 「それだけで、生まれてきた甲斐があるな」 人は何を支えに生きていくのか? 人の想いだ、想いを引き受けていく姿勢だ。 風が、早春を告げに来た。
無理やりな喜び。 貧血気味の怒りも飛び出して、定型としての哀しみも。 引きつる楽しみの行列さえ――。 暮らしの腕・言葉、あるいは現場で、勝手な自己判断、いや、自己判断の勝手さの落とし穴を跨いでいこう。
夜、行く場所・帰るところがないとき、歩くしかなかった。 寒く、吐く息は龍となり、寂しさが深々と押し寄せてきて――。 と、そのとき聴こえて来た足音。 そうか、歩み続けること自体も場所だったのかと。 合掌
降参できることは強さ。 強い必要はないのだが。 そも、人は根源的には強くなれるわけがない? 着地か離陸か、厳密には判断不能なものだもの。 せめて稚拙さや後ろめたさ、卑劣さを隠そうと、すかさないことだ。
木を育てようとしてきた、1本の。 場所は心の中、人には視えない。 桎梏の摂理から、木を守ってきた。 気づけば今や、わたしが守られている。 木は率直にのびをして、「わたしになれよ」と、ときに冗談も言う。
腹は黒く、口からは白々しい言葉、しかも赤貧洗うが如し。 顔面蒼白、黄昏ジャパン。 しゃらくせえな、独占。 うざいぜうざい、擬制のお祭イベント。 最後に視る風景はモノクロでもいい、親和力に満ちていれば。
いつもの如く労働を終え、気が急いたまま遅く帰宅した。 重くなった服を脱ぎ、小さく音楽を流し、食事をと台所に立った。 と、そのとき気づくのだ。 まだ温かい味噌汁を前に、先程まで家族が静かに寛いでいたと。
冷気を胸いっぱいに吸い込む。 そうして、唇のやわらかさをマウスピースに運ぶ。 音が出た、ほどなくすれば音楽に。 転換・翻訳された冷気は、唇の如くやわらかくなっていく。 春の綻ぶ朝だ、咲き始める音楽だ。
友が言う。 「玉にキズと思ったら、キズが玉を支えていた」 必要なしと切り落とした尻尾が均衡をとっていた歴史にも事欠かない。 食事を楽しむ横顔の悲哀。 そうして、瞬時に永劫の物語も体験していたなと――。
市民的安穏な生活を渇望してきた。 とても、とっても。 が、一向に、まったく、全然興味を持てないのは何故か。 問うこともないのだが。 だって、あり得ないもの、あったとしても、やはり無縁と知っているもの。
すっとこどっこい、どっこいしょ。 どすこい、どんまい、ドドンパさ。 ピストル抱えて何処ゆくの? やめなよ、やめな、撃たれちゃう。 今日も今日とて、すっとこどっこい素寒貧、ぴんぴんゴロリのスッポンポン。
分からないことばかりだ。 全貌を理解できないし、きっかけさえつかめないままでいる? 何故と問うことができる答も有しないまま、呆然としているのだろうか。 「手ぬるくはないぜ」と承知しているのだが。 合掌