深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

2013-01-01から1年間の記事一覧

今年もまた総括できず、臆病者のままで/還暦百番勝負・56

変化には臆することなく――。 望む姿勢だ。 が、足下の水溜まりを忘却、大切なことを見失うときも。 放っておいても自然と手を出すこともあるが、やはり臆病がいい。 いつでも、どこでも、どのような場合でも。

風に吹かれていた/野の花チャイルド・23

空で鷹と鳩がともに飛ぶ場面を見た記憶がない。 山道では野の花と出逢った。 海で鮫とイルカが一緒のところにいた試しもない。 野の花は風に揺れていた。 どこにいようと共生のことしか考えられなくなっている。

嘘つきの根拠/言葉・62

老いたが、相変わらずの無知。 まだ成長したがっている? 言葉を使っている、毎日まいにち。 共有したがっているのだ、「これはいいなあ」と。 嘘つきも、ほら吹きも、盗人も、みな、ここに留まっていたいのだ。

“ごっこという本物”という知恵/この領土で・284

本物・贋物を気にするとは、どうしたわけ? 戦争ごっこで満足していたほうがいい。 元気をつけようと無理に食べて、力を失うこともない。 無いという経験が無い恐ろしさ。 小手先はいらない、大昔からのことさ。

花はおそかった2013/この領土で・283

不運は、未熟で踏み外した結果? どうだろう。 ツケがきくならいいが、概ね無理、そも、返すあてもなし。 踏み倒しても、いずれ自分に返ってくるだけだ。 認識が教訓に結びついたとしても、もはや遅過ぎるのだ。

出逢ってゆく/還暦百番勝負・55

面罵されるなら問題なし。 自分に関する噂話を、何かの拍子で小耳に挟むよりは。 まずは、身心を整えていく。 どっちへ向けばいいのか、皮膚が感じる場合があるから。 そのときだ、出逢いの契機が発生するのは。

取り戻さないで/この領土で・282

わたしもまたマガイモノ。 着物は身につけないし、パンを食す上に、集合住宅暮らしだもの。 いつの日本を取り戻せばいい? ただ、昔から変わってはいない。 雲を潜り抜けてくる陽射しに、人々が感嘆することは。

凍解/この領土で・281

自分とは、多くの分断も包装されている自らの分身。 押し寄せて来る労働や息吹き。 端倪すべからざるものとして枝葉がついていく場合も。 ともあれ、韜晦・倒壊の凍解をと。 共感へ向かう場所が今も切実なのだ。

甦る過程で/食卓慕情・9

痩せる一方の想いに貫かれたときのこと。 テーブルの上には素朴な食事。 味覚だけではない、食べているとき。 色を、香りを、食感を食べていた。 何より、お前との会話が、美味しさをあきらかにしてくれて――。

一本道2013/この領土で・280/健康法大全・2

凸凹でも一本道。 どこへ向かっているのか、あれほど急いで。 大方の予想通り戦へ? 上で余裕のある輩は、人を闘わせるものなんだ。 たとえ病んでいても生きていこうとするだけで健康と、意地でも記しておくか。

休日の仕事/還暦百番勝負・54

大切なことは、敬い尊ぶこと。 あえて価値をいうのなら、そこにこそ。 規律など、設けなくていいだろう。 国家さえ偽装表示の呈だが、流れに乗ろうとして、どうする? 今も小さくとも大切なものを手渡していく。

ボ〜っ/ラブソング・62

信頼して自らを曝け出せることが快。 腹の探り合いだけでは甘え方も失念を。 背骨を緩めて落ち着こう。 抱きしめているとき、抱きしめられてもいる。 今は、犬が腹を出して寝る如く、ボ〜っとしていていいんだ。

一体全体/この領土で・279

隠してどうするの? 戦時中の事実が今も発掘されている、古のことにしても同様。 未来へ歩むには、不可欠な営為なのだ。 掘り起こし、謎を解き明かして、半歩でも明日へ――。 隠して、一体全体、どうしたいの?

小石の思い出/彼・10

彼は言う、「いい物を持っているんだ」。 「何だよ?」 「石さ」と、宝石を見せるように鞄からそっと取り出す。 「投げないが、持っていると安心だぜ」 が、目を細め、笑った瞬間、川へ向かい力強く投げていた。

何も感じていない僥倖/健康法大全・1

健康とは? 「感じないこと」と応えた方がいる。 「えっ?」と訊ね直せば、こう続いた。 「痒みや痛み、苦痛を感じず、楽に呼吸していれば健康でしょ?」 人災としての感染性飢餓には罹患したくない日々に――。

拝啓 総理大臣殿/この領土で・278

「美しいなあ」と感じ入るときがあるのだろうか? 棚田はまだ、あっていい? 人と人とが出逢う僥倖を奪ったと気づいている? そも、忘れたくないことはあるのか? 何より、夕焼けは等しく平等に降り注ぐとでも?

分かっている/身体から・82

場所を、状況を、感覚を共有している。 だからだ、些細なことを理解できるのは。 たとえ稚拙な表現であっても、届いてくる。 単純な深み、複雑な怠惰でさえ。 集中していなくても、しっかり体感できるのだった。

壊れものとして/当世労働者覚書・22

自分は探すのではなく、創っていく対象。 つまり、関係へと赴くのだ。 労働の仲間がとろいからといって、こけにしないこと。 ダチになる可能性を、あえて失うことはない。 壊れていく者同士、今も支え合おうか。

佇まい/食卓慕情・8

君が書き送ってくれた手紙。 夜半、酒を呑みながら読んだ。 現況が文章から立ち上がってくる。 幾度も初めから読み直しては、心配したり、喜んだり。 そうして、食卓の上の手書きの文字を、ただただ眺めていた。

秘密ではない存在/この領土で・277

アベにアソウ、モリ。 まだいる、まだまだいる、ウジャウジャと。 ただでさえ物覚えが悪いうえ、加齢で記憶力は減退、それ故、記して留める。 イシバにマチムラ、ミハラと…。 書き切れない軍靴の紐を結ぶ人々。

通俗的/唄・28

告げ口は嫌だね、卑劣だね。 ただ、皆がせざるを得ない時代になったのかな。 だから、歌ってみるよ、調子っぱずれでも。 海へ、山へ、空へ向かい、腹の底からの大きな声で。 できれば、獣が眠りについたときに。

開示せよ/言葉・61

明確でないこととは? 人類が発生した場所から宇宙の果てまでと、それこそ、たくさん。 ただ、言葉で示すことはできる。 境界を越えていく、いや、開いていくのが、人だもの。 「すべてを開示せよ」と強く願う。

描く/詩歌・10

内容を詠っていたのではない。 単に懐かしい風景を確かに描きたかったのだ。 時代という故郷、故郷という時代で呼吸を重ね。 結果、芽生えてくる郷愁、実はヴィジョン。 平凡な特別に包まれる解放へ向かいたい。

聴くべきを聴く/身体から・81

身体と生きている。 自分でさえ見たことがない自分の内部で、内臓は自動的に働く。 休みもせずに。 できれば1日1度、その声をしっかりと聴こうとしている。 自分という他者に対して行う欠かせない仕事なのだ。

磁場へ/還暦百番勝負・53

出逢うために生きている。 そう想ってきたが、どうにも座りが悪い。 が、事実だ。 真実に、安心に、親和力に出逢うため呼吸を重ねているが、具体性に欠ける。 だから、あなたに、君に、お前に出逢うのだと記す。

花とともに/還暦百番勝負・52

明確な時刻が必要ではない人生。 どれほど潤いをもたらすことだろう。 花を土産に、逢いにいくことだってできるかもしれない。 新鮮な方向感覚を、いつも体感。 過去を思えば、未来に触れることにもなるだろう。

挨拶を交わす/山へ・4

奥へ奥へと、歩を進ませて行く。 嬉しいことに遭遇できるかも知れない。 運よければ、1人で歩く人たちと出逢えるのだ。 互いに軽く挨拶を交わす。 そのとき、互いの間に走るのは、親和力以外の何ものでもない。

あったかいって、気持ちいいに決まっているじゃん/都市サバイバル・ノート246

今日、広告の善悪を問う暇はない。 あり余る時間があったとしても。 ただ、恐ろしいことに、すべてが広告化していくとは記しておこう。 物語に依拠した詐欺もあると。 今もまだ、身心に必要なことを求めている。

味気なさが美味しいとき/食卓慕情・7

食べられるうちは元気な証拠という。 が、事実なのか? 食すことにより、生命力が薄くなっていく場合もある。 無理に口にして、調子を崩していることに気づかないときがあるもの。 美味しさは、不思議なままだ。

ヤケクソの効用/月下の貧乏人・23

余裕はないが、ウダウダとはできる。 病とはお馴染みで、浮かぶ瀬はないままだ。 しかも、月下に、のっそりかんと歩く技は持っている。 財布は重いよ、実はジャラ銭ばかりだから。 カンラカラのヤケクソだべさ。