深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

まだ平気でいる連中/この領土で・393

東日本大震災の折だ。 原発問題が勃発したときのこと。 わけが分からず恐怖が蔓延をした。 そうした中、専門家でもないのに、素人とせせら笑う傾向も。 覚えているよ、得意げに嘲笑した人の、その後の呑気さを。

温かい土/地上物語・9

いずれ、ここには立っていられなくなるだろう。 事実、人を喰らう人が数え切れないほどだ。 何より身心さえ弱り、情けない想いも。 いつか去るときに一瞥。 いた場所がせめて温かい土となっていればいいのだが。

勘弁して欲しいなあ/死を想う・22

心に渦巻く情念なんて面倒なだけさ。 脳に飛来して蠢く言葉だけでも埒は明かない。 生命の根源に巣食う利己主義からも逃げたいよ。 何より、からだの苦痛は勘弁して欲しい。 解放という妄想を持って当然だべさ。

分からない/姿勢・18

理解できないことがある。 公然と嘘を言い放つことではない。 益にもならず、後悔もしない点が分からないのだ。 が、理解しようとしているわけではない。 分からないという姿勢を、とり続けられればいいのだが。

カジノ資本主義だってさ/都市サバイバル・ノート293

逆ビンゴのような場所に追いやられている。 大切な日々の、小さな物語。 どんどん台なしになっていく。 所持金もわずかで、カジノに立ち尽くしているかのよう? センスはいらない、笑い飛ばしていければいいさ。

観客参加だなんて/この領土で・392

嘘か、本当か。 また、事実か、真実かといった問い。 が、単純に、視たい現実しか視ていない癖が跋扈している? だからだ、自分が正しいと、思い込むのは。 当事者であるにも関わらず、観客と化したわたしたち。

強風に対峙して/身体から・123

正面から強風が。 身体を前に倒し、爪先に力を入れて歩んでいくものだ。 逆に追い風ともなれば、身体をそらし、踵側で進んでいく。 当たり前のこと? 風に乗ることは難しいが、抵抗は少ないほうが余力は残せる。

今も声を/言葉・108

想いを切り売りする感情労働が相変わらずだ。 「どうにかならんかなあ」と街中で。 沈黙の人類史をも、ふと想う。 人は話していても黙っているときがあるのだった。 その逆もまたあるが、今も声を上げるときだ。

ディオバン事件の判決に/この領土で・391

フローチャートにチェックリスト。 貸借対照表に、その他諸々。 医療の現場でも必要なのは理解できる。 が、ついに納得できない領域も。 改ざんして生命をないがしろにしては、「善悪を超え、いかんだろう」と。

労働まみれの日々に/老道・53

生涯現役。 生涯会社員と同義であれば、「ちょっとな」ではあるが。 「そも、貨幣経済からは逃れられない?」と書生じみたことを。 「楽はしたいよな」とも想う。 人の犠牲の上ではない楽はあるのかと考えつつ。

「批判してもなあ…」/言葉・107

説明はできない、当然、解決もできない。 ガサツなのだ、呼吸が。 言葉で拮抗しても届くわけもなし? 投げたものというより、好き勝手仕出かしているだけじゃないのか。 批判の精度は上がっても疲れるばかりだ。

整骨院で三度/老道・52

「だからさ、ベッドで寝ていればいいのよ」 「だって、退屈じゃない?」 「何、言ってんの、家族を心配させてやるのよ」 体調がよくなった婆さん、かくして、「そうよねえ」と元気に。 その手、通じればいいね。

わたしには無理/言葉・106

文章を公表するとは、ナンパすることだ。 お茶を飲みに連れ出すのと同じことである。 そこからだ、大切なのは。 行った先で、お茶のみならず、美味しくて健康にいいケーキを提供する――。 話は尽きないだろう。

果物を眺めていた/都市サバイバル・ノート292

腐った果物の横にある果物は腐っていく。 「てへっ、逃げるだけさ」 逃げてはいけないことのために、余力を残そうとして。 「余力なんてないわな」と体感しつつも。 錯覚して力が出てくれば、めっけもんだわな。

画面の中への暴力/今もメディア論・4

ヌードにも権力構造が。 ハツラツとした肢体を惜しげもなく晒す女性。 が、決してからんだり、すべてを視せることはない。 一方、あからさまにベッドという土俵で、くんずほぐれつの肉体も。 視線の暴力は続く。

たいしたものだ/些事の日々・226

毎日まいにち、朝はやって来る。 たいしたもんだ、朝。 夜も厭きずにやって来て、ったく、偉いもんだ、夜も。 朝と夜の間に労働まみれの、「何だかな」のわたし。 働くことは有害物質だから困ったちゃんだべさ。

旅は未知連れ、世は名酒/些事の日々・225

還る場所がないとしたら? 旅も虚しい、寂しい。 だってそれはもう、旅とは言えないもの。 ただただ、うろつくだけのこと。 あっ、それこそ真の旅? まあ、どうでもいいが、安心できる寝場所さえあればいいさ。

ときめきを/喜怒哀楽・7

「人生とは哀しみ」なる言葉。 その通りだろう。 端的に言えば、別れたくなくとも別れざるを得ないときが往々にしてあるのだ。 だからこそなのだ、ときめくことが必要なのである。 刹那であれ、今、この場所で。

睡魔に襲われ、弄ばれて/身体から・122

眠りという逃避できる場所。 奪われるわけにはいかない。 さて、眠りが死の予行演習だとしたら、老いて、目覚めることは、目覚められることは、幸福なこと。 いや、幸運か。 朝から疲れているときもあるけれど。

整骨院で再び/老道・51

「明日死ぬかもしんないしさ」 「おっ、子育て反抗期かい?」 そんな言葉が飛び交う中、スリッパを揃える爺さん。 そうして、深々と、「ありがとうございました」と。 婆さんの身体を支え、心も支えて出ていった。

素晴らしいと感じた絵画を前に/表現=運動=生活・5

願う。 密かでいいと。 少しの色で停滞することのない薄い流れを、視続けていたいのだ。 が、絵画を視たいわけではなかったのである。 息を詰めなくていい薄い暮らしを、少しでいいから送りたいだけだったのだ。

泥棒だって無私で働くさ/言葉・105

「無私で立ち向かえば個性に」 労働や学問、関係でも言えることだ。 そも、戦闘でも。 細分化する必要はないが、一般化しないこと。 何に向かっての無私か、具体的に述べなければ、ついにとんでもないことにも。

老犬が泣いている/些事の日々・224

理解できない人がいる。 ミスをしても謝らない。 しかも、身近な人の不運・不幸を気にせず、おしゃべりを続けられるのだ。 ミスの自覚はなく、身近な人さえ視界に入っていない? 反射的に、老犬の涙を想起する。

「金持ちも随分と貧しかったんだな」/暮らし・24

昭和の富豪が暮らした家の写真を視た。 かつて華麗に視えた分、寂しげ。 今のわたしたちは、昔より豊かになった? 実感があるわけもない現実。 そも、平成の家なき子すべてがビフテキを食べているわけではない。

きみのこと/家族と・5

きみは誰? いやかも知れないけれど、今日から素直になればいいさ。 すると気づくはずだ、定義はいらないと。 権力を毛嫌いし、果てのないやさしさを希求している? きみとはいつまでも家族でいられるといいな。

へそを見詰める/都市サバイバル・ノート291

視線は外さない。 決して、決してだ。 しかし、できうる限り目端を利かせ、全貌をつかまえようとすること。 視線が届かないと分かってはいても。 視点がぶれないようにして、視界を広げていこうとするのだった。

背伸びをした/身体から・121

暗い内容の本を読んだことがある。 ふと想い出して読み返す。 車窓からの明るく鋭い陽射しのもとで。 そうなのだ、いつでも光の中で読んできたのだ。 その当たり前のことに、あらためて気づき、背伸びをひとつ。

暗い顔/彼・63

彼は言う。 「もてるのもどうかな」 「後悔が多くなってしまうんじゃあないのか」と言いたそうなのだった。 わたしは、「またまたあ、自慢かよ」と茶化す。 彼は真顔で、「今、後悔しているところなんですよ」と。

放屁だなんて/些事の日々・223

独りのとき、おならは嫌ではない。 人がいれば、臭気は一気に認定される。 つまり、おならは、かがすもの? 登場した途端に去ってしまい、しかも臭いの置き土産。 あくびをしている人がいれば大笑いまで一直線。

自分の使い道/都市サバイバル・ノート290

力ある者のすべきことは何か。 弱く在ることだ、弱さに視力が届くことだ。 したいことも、せざるを得ないこともあるだろう。 が、まずは自分の弱さに気づくこと。 そうして、力を、人が生きることに使うことだ。