深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

子どもたちの死骸が増えていく/状況から・44

罪なき人も罪ある人も爆撃されていく。 吹っ飛ぶものが吹っ飛び、壊れないとされたものが瓦解していく。 泣き叫んでも続く――。 お互い、そう長くない人生だろう、総理。 守るものは守る、何故しようとしない?

夜の歩行者/歩く・23

土の上を歩こう。 せめて、1日1回でいいから。 ブラブラでも、サクサクでも構わない。 地上で暮らしていることを、体感していくのだ。 夜に土は視えなくとも浴びていくことはできるだろう、その温もり自体を。

歪んで開いて/野の花チャイルド・26

考えごとをしていた、足下を見詰め歩いていたのだ。 ほどなくして、野の花が咲いている情景と出逢う。 「胸を張り、堂々と歩くばかりが能じゃないよな」 人には人の歩行法。 歪みは避けたいが、それとて一過程?

ダチへ、家族へ/当世労働者覚書・27

「貧しさを言うな、豊かさへの方途こそを」 確かに、それはそうだろう。 が、貧しさの反対語が豊かさなのか、どうか。 豊かでなくとも、心穏やかな暮らしが望まれている側面も。 な、おれたちは、それでいこう。

矢を放てば、後頭部へ^^/この領土で・343

過去とはいつか。 あるいは、未来とは? 過去と未来が蠢き、轟き、せめぎあって生きているのが現在なのだとしても。 1人ひとりの身心に畳み込まれた太古、そうして無限の彼方。 欠けさせてはいけない、すべて。

介護の要諦/唄・35

「女の人の声は高いから、小さくても届くんだって」 「何をいいたいの?」 「男の人の声は低いから、つい大きくなって怖がられるということ」 「そうだよね」 「でも、声の大小ではなく、唄が届くんだと思うよ」

青の朝から緑の夜へ、月曜日/当世労働者覚書・26

今夜ぐらいゆっくりしようか。 最初から飛ばしてもな。 そうだ、酔うことよりも、1杯ずつ美味しくいただこうか。 身を粉にして働いて働いて働いて、ゲスなことに使われて。 先立つものはないさ、公園でやるさ。

「あっ、空いたぞ」/プール絶景・13

雨が降り出す。 いたところは冷たいプールの中。 人々は去り始めていく。 もうひと歩きしておこうと、何気に周囲を眺める。 名は知らぬが、見覚えのある顔の高齢者と視線が合い、思わず苦笑、微笑み合うばかり。

プラットホームで/些事の日々・101

暑い日も寒い日も、「ここに立ってきたんだな」。 駅のプラットホーム。 どれほどの時間が経過したのだろうと。 雨が降ったり押し寄せてきたり、陽射しに温められたり煽られたり。 今日も立つ、明日と同じように。

嘔吐はしても/当世労働者覚書・25

万が一、暇でも、人様のアクビを視る余裕がない。 そも、死ぬまで稼がねばならぬ身。 いや、死んでも稼がねばならぬ日々――。 睡眠不足であったとしても、人前でアクビはしない。 ましてや、大声は上げられぬ。

そこかしこに詐欺/月下の貧乏人・28

「詐欺師は親切で優しい」という言葉のとらえ方で、人の一端が分かる。 ただ、「だから、どうした」と。 人は契機や関係、衝動などによっても思わぬ行動をとるものだ。 「騙されるなら軽傷で」と願う夜にも、月。

鈍すれば貧す?/些事の日々・100

貧しさを愉しむことができた時代もある。 が、今や清々しさは消え、何より強さが視えなくなった。 何故? 口元が痒くなってくるが、真心が死んでしまったからだろうか。 結果、開かれた行為も、死んでしまった?

可否/この領土で・342

被害なき嵐の夜は嬉しい胸騒ぎ。 いい年をして人でなしの気分か。 世が正される何ごとかは起きぬまま? ことを起こすのはいつも、正義を声高に連呼、親しげに寄ってくる御仁ばかり。 何だ、加害と被害だらけだ。

がんじがらめな/些事の日々・99

何気に、「貧乏暇なしではなく、今なし」と気づく。 「へまなしだったら、よかったのに」の声も。 健気に頑張る姿は消えた? それはそうだ、貧乏からの脱出は困難だもの。 が、涼風が部屋に入ってくる時間帯も。

清貧の思想からは遠く/些事の日々・98

豊かな暮らしぶりであれ、長時間労働自体、貧しさの具現化。 実際、お金がともなわないケースが多い。 もちろん人生よりお金が大切な場合もあるだろう。 が、「いっそ」と。 貧しい故に豊かな場所はないものか。

米の美味しさ/些事の日々・97

洗濯機等、電化製品が入って来たときの喜びよう。 家事労働からの解放。 ただ、便利は便利を再生産し、自然から乖離、首を絞める事態にも。 江戸も明治も崇拝していないが、はてさてと――。 稀に薪で米を炊く。

夜は散歩/ラブソング・67

風が心地よさそうだね。 今は、あなたが喜ぶ姿を視たいわがままがあるだけ。 役に立ちたいのでも希望に応えたいのでもない。 お金は必要だけれど、歩行を愛でるのに大袈裟な演出はいらない。 もう歩き出そうか。

ご近所に入れない場所/些事の日々・96

パスポートがあれば諸外国を旅することができる。 一方、国内で入れない場所がいくつも。 いつ可能になるのだろう。 日本人の由来は知らなくていいけれど。 暮らしていけるだけで十分だもの、それが基本だもの。

鼻唄を歌っていた/呼吸・46

適当に歌っていた夜道。 「あなたのことを感じられるだけでいい」という、いい加減な唄ができていた。 あなたが誰か、分からないまま。 風が吹くとは限らない。 されど、唄という呼吸が吹くこともあるのだった。

秘密大嫌い/些事の日々・95

いい嘘とは? 最後までバレない言説だろう。 結果、ついに誰も知り得ない、学びようもない? 大量の情報のどれが事実で、真実かは見極められなくて当然と踏んでいる。 暮らしを軸に見抜いていくしかないのだが。

無常のまま/歩く・22

自然とは違う奇妙な声が聴こえてきた。 「近寄るまい」 提言や揚言、贅言ではなく、行誼や行蔵、行吟を。 歩く、土を無下にせず、世の無常を覚えず、歩く。 風を読むことはできないが、せめて受け止めて、歩く。

ある女優の肖像/彼女・14

あなたはあなたの父母のわたしたちの子だった。 女と男から女へと授かったもの。 不幸は美しくないが、美しい不幸があったのだ。 孤独で破裂しそうな魂。 死の再生を拒み、地下に隠した希望を胸に生きたという。

負け惜しみ/都市サバイバル・ノート254

半世紀かけて出ない結論もあれば、瞬時に分かってしまう事態も。 橋の下へおりて行った。 すってんてんの爽快さを抱えて。 仕方なく有言、うんざり実行。 ぼちぼちではある底の底、まだ視ぬ空色と出逢う場所だ。

品格から貧格へ/都市サバイバル・ノート253

実は、戦争の目的は平和、目標は帰還にある? それなら、最初から、今・ここにいて、暮らせることこそをと。 いっそ、みながみな、貧しくなってはどうだろうか。 抜け駆けなしで。 仲良く転落よりいっそましだ。

どん詰まりの場所の向こう/言葉・77

すべてを消し去るために、書いている? それとも、忘れるためにかしら。 言葉なんか覚えるんじゃなかったとは、言えないけれど。 いや、言わないけれども。 愛そのものを愛していなければ、どん詰まりだとでも?

暑中お見舞い申し上げます/些事の日々・94

苦労すれば能力はのびる? ただ、継承されてきた財のある人に、実のところ苦労譚は届かない。 死ぬのに食べているのは、お互いさまなのに。 思う、暑中見舞いは手書き、自分で書こうと。 文字遣いで人は変わる。

会話の後、思った/彼・17

含羞と道化が持ち味の彼が言う。 「違和感ではなく恐怖かな」 「生命の躍動も拉致されている」とも。 もはや多少の愚痴では覚束ない? 今、ときめくのは別嬪の涼風、静寂という何より贅沢な声に身を預けていく。

署名から無名の場所へ/都市サバイバル・ノート252

都市化によるコミュニティー感覚の分裂。 たいしたこともない坂が辛くなる。 芝居は下手くそでも、陽光の劇団なら愉しめるものさ。 内容ではなく存在自体にこそ意味が。 そも、巧みなことは、愉快なのかどうか。

お笑い種/月下の貧乏人・27

感傷は必要だ。 が、傷を感じたまではいいが、放屁の場合も。 臭くて始末に困るのだった。 哀しみの真ん中、何処にいるのかさえ分からぬとでも? わたしは爪に火をともしてきただけなのだが、月光は浴びてきた。

まるで帰還兵の如く/彼女・13

彼女は言う。 「望むこと? 外をひと回りできるだけでいい」 窓の外には見えない物質が舞っている。 「気分が変わるし、体調が少しよくなる、あ、嫌なことを忘れられるもの」 望みは還れぬ故郷への帰還という。