深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧

リブ2015/言葉・86

田中美津氏は記している。 「自分を笑える人とだったら繋がっていける」 またもや、「そうだよ、そうなんだよな」と啓発された。 自らを分けられる人だものなと。 何より開かれた関係に向かう人を想うのだった。

土曜日の朝に/言葉・85

捨てられるコピー用紙の裏面で作ったメモ帳。 パラパラとやると、こうあった。 系統発生、詩歌、河豚。 今や意味不明だが、降りてくることがあり、捕まっていたのだろう。 しばし酔筆と遊んで、メモ帳を閉じた。

数えていた/この領土で・281

違和が長い間、指標だった。 が、何やら贅沢な気配も。 数える、指を1本いっぽん折って、数えるのだ。 あれからもう、どれほど経ったのかと。 悪夢に立ち向かえてはいないし、そも、逃げ切れてさえいやしない。

朝にも泣き声/当世労働者覚書・39

満員電車の中、案の定、子が泣き出す。 母親はあやすが、泣き止む様子はない。 が、舌打ちの気配は皆無。 働く母親の、謙虚で義に満ちた立ち続ける姿。 親子の下車時、静寂が訪れ、子は周囲に、「バイバイ」と。

ドライブ・オン/暮らし・13

名所旧跡に興味がわかない。 が、大切だとは知ってはいる。 とはいえ、積極的に出向かないのは、交感のない展示物でしかないから? 今ここが、たえず名所旧跡になっていくこと。 生きていくのだ、ライブなのだ。

見詰めていたい2015/マザーネイチャー・13

静かに木を見詰めるときがある。 木肌を、枝ぶりを、あるいは苔を。 その内側を想像しながら。 生長、腐敗、その同時多発――。 まだ視えない明日も感じようとしながら、1本の木の全体を見詰めているのだった。

埃舞う街中で/言葉・84

うっすらと汗をかき、街中を歩いていた。 いくつもの言葉がやって来る。 どうしたわけか、数え切れないほど。 が、ひと言へ向かっていた。 生きていこう、そのひと言へ、にじり寄っていこうとしていたのである。

言葉も奪われていく日々に/わたしへ・1

ごらん、あそこを。 大丈夫だと言われていた頑丈なものが崩れていくよ。 視ろよ、そこを。 無料だった水や土にも値札がつけられた。 感じなきゃあな、ここの底なし沼が急速に拡がり、視界が狭まっていく日々を。

個性だなんて/唄・50

障がいが個性? 一般化した場所に個性はあるのか。 1人ひとりには平凡な非凡さ、非凡な日常。 関係が作るデキモノの如き生体反応も。 椅子から立ち上がる姿形からも、かけがえのない違う唄が聴こえて来るんだ。

理不尽な/死を想う・11

理不尽な死。 が、死そのものが理不尽なのだと想われるときも。 頑丈な人でも崩れてしまうもの。 あきらめるしかないことは、あきらめる、いや、あきらめようとする。 今もなお、その都度の初心者でしかないのだ。

不思議な言葉/野の花チャイルド・32

山の中、特に愛でられることもなく、ひっそりと佇む花。 何故、咲くのだろう。 陽射しや土、水からの伝言? 耳のみならず、身心全体も、ひっそりと花に預けてみる。 不思議な言葉がいつか聴こえるといいのだが。

寓話/マザーネイチャー・12

有名ではない、よく見かける1本の木の前へ立つ。 長く生きてきた老木。 涙が出て来そうになる。 ただただ立ち続ける木が泣いていたからだ。 「登ってくる者がいなくなってしまった」と話しかけられたのである。

見慣れたものに囲まれて/暮らし・12

見慣れたものに囲まれた暮らし。 が、北極ともつながっているのではあった。 そればかりではない、太古の海や吠える恐竜とも。 そう感得したところで、周囲を眺めてみる。 胸に迫る風も吹き始めて来るのだった。

若くしなやかな人/彼・28

話を聴く。 負担をかけない繊細さ、そうして嫌味でない知の横溢、何より面長のきれいな顔立ち。 美しい髪は、温かい場所へ流れていくかのよう。 「恋しそうだな」と。 一瞬で何もかも失ったが、彼は立っていた。

カ・イ・カ・ン/歩く・30/小道へ・3

小道が好きだ。 何故なのだろう? 威圧感がなくて、征服しようという無意識も働き出さないから? それにしても、覚え切れない自然の存在様式、自然という存在。 小道を歩き続ける日々が今のヴィジョン、快汗だ。

気持ちのよい場所でゴロリと/山へ・11

「えっ?」 低山を下りたところだった。 滝のかたわらにシートを敷いて寛ぐ2人。 怪しげな健康法とは縁遠い気持ちよさが周囲に滲む、砂埃など感じられない快適な場所。 大の字で寝れば、そりゃあ気持ちいいさ。

些事を愉しむ/野営生活覚書・7

土の上に立つ。 「今夜はここで眠るのだ」 テントを設営し終えたら、湯を沸かして熱いコーヒーを。 そうして、束の間、地べたで過ごす身心へと転化していくのである。 月が出るまで、すべきことを愉しみながら。

川原で/唄・49

夜遅く川原に。 簡易な音響セットで唄を流し始めた。 足もとには焚き火、手もとには酒。 大音量にしたが、少し離れただけで、もう聴こえない。 川の音が沈黙を誘い、真っ暗闇が唄を体内から発生させるのだった。

束を浴びる/唄・48

音が、演奏を通じて音楽になる瞬間が。 その瞬間の束。 ジャンルには、ほぼこだわらない。 演歌は、相変わらず苦手なのだが。 音楽が、音楽にたえず成っていく瞬間の束を浴び、身心に注入していきたいのだった。

オルタナティブな騒音/唄・47

聴衆を拒絶する音楽が流れて来た。 が、音楽である限り、ついに拒否はできない。 空気を伝わって、振動が届いてしまうのである。 切断という出方の渦。 その表明にふと、親近感を覚え、身を任せていくのだった。

丸太の上で/遊び・15

爺さんが丸太の上にひょいと乗る。 歩いてみたり、転がしてみたり、跳んでみたり。 ただし、確かめながら、少しずつ。 「精が出ますね」と声をかければ、「いやあ、リハビリだよ」。 嘘だね、上機嫌だよ、顔も。

お馴染みの反感が/この領土で・280

バスの中、2人の若い男たちが話している。 無視しようにも、双方、声が甲高い。 しかも、互いに自慢話を。 背の低いほうが言う、「でもさ、あいつ、8万の家賃とか言っていたが、すげえな」。 ふいに親しげに思える。

「呑まれるな」と/都市サバイバル・ノート271

「やはり呑まれてはダメだな」と痛感を。 アルコールの話ではない。 絶望して当然の事態である。 が、状況から、でき得る限り身を剥がすことが大切な局面も。 状況に自分という状況を同化させないためにである。

葬儀後の言葉/亡き父母に・2

葬儀後、寝転がっていた。 母は言う、「あのとき、お父さん、寂しがっていたよ」。 1人暮らしを始めたときのことだった。 そうして今、父母が逝った場所にはまだ行かぬと。 「そのほうが寂しくはないだろう?」

善意の人たち/月刊『悪口情報』・1

悪口の対象者は、数え切れないほど。 利害がなければ、悪人には見えないのだが。 罵倒のされ方を身内が聴いたら怒るはずだ。 いや、悲しむ? 笑うようになるには、相手の行動原則を知り、理解できたときからだ。

生老病死2015/死を想う・10

生きるとは、今、否応もなく生きているということ。 生きるとは刻々と老いていくことでもある。 生きるとは病むこと、死ぬこと。 以上が同時に起きたりする、生――。 死んでしまえば、死ぬことはもうできない。

目先のお金/彼・27

難病に侵された彼が言う。 「想像していたが、実際に告知されると、その前後のことは何も覚えていない」と。 今はお金が必要ということだ。 が、働くことはかなわない。 死体になる過程でも大切なのは、お金だ。

死体になる/死を想う・9

必ずやって来る、ヒリヒリとした孤独。 夏だろうが、直接的な寒さにもやられるだろう。 疑わしき善意や、貧しい沈黙、けち臭い微笑に囲まれて。 逃げ出すわけにはいかない。 死体になることは避けられないのだ。

考えることができない/彼・26

彼は言う、「がんでした」。 結果、「何も考えられなくて」と。 病院の広いテーブルを前に首肯するしかない。 考えてはいないが、考えないということでもない。 ただただ考えることができないという場所にいた。

ライブハウスで/唄・46

美しい唄へ向かっていく。 たまにはウイスキーを少しだけ。 楽器が鳴り出せば張り詰めていく、溶けていこうと。 声が響いて、狭い場所は拡張を。 美しい唄なのではなく、唄の美しさが、「もう1杯」と言わせる。