深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

冬の微笑み/北風と太陽2009・2

大人の穏やかで静かな、含羞の微笑み──。 ゆっくりとだが、確かに伝わってきた。 暗がりにいた私は、わずかに明るく、ゆったりと温かい方角へと、吸い込まれていく。 発見できた喜びとともに。

2人のモリソンを聴いた

音楽が入ってくる。 音楽で満たされる。 なおも音楽は鳴っている。 音楽と音楽が交差し、音楽が光源へと流れていくかのよう。 ついに、すべての距離はどうでもよくなっていく。

見張り塔からずっと2009

追い越し・割り込み、当たり前。 きっと追い詰め、盗み、逃げてゆく。 人も死ぬさ、嫌だもの。 昨夜も、経済戦争の万死に値する戦犯たちが高いびき。 俺には、条件反射で守る生命があるってことさ。

段々と暖/北風と太陽2009・1

体内に段々としみ込んで来た陽だまりの暖かさ、そうして温かさ。 震えていた分、身心の喜びはひとしおでした。 人生の比喩の如き、ただの現実にぞっこんだったのです。

お茶の効用

入れてくれた珍しいお茶、美味しいぜ。感謝するよ。 お前もやっていけそうだな。 自分をもてなす術を、また1つ身につけたのだから。 熱いのをもう1杯? そうか、入れてくれ。 次に逢う時は、俺にやらせろよ。

二日酔いという持病

酒呑み夫婦の朝を一言で申すならば、 2人は自業自得。 いや、「2人で」か。

つい笑ってしまったが…

「二日酔いから回復したかって? 70過ぎに回復はあるのかね。 だいたい死が1日分、近づいたほうがしみるな。 だって、じきに死んじゃうんだよ、俺」 ゲタゲタ笑う意地悪爺さんにつられ、身心が緩む。

頭グラグラ言葉/言葉・13

欠点の指摘ほど、簡単なこともない。 事実、この言葉自体が、そう。

帰ろう・2/都市サバイバル・ノート46

特に若いころには戻りたいと思わないが、 鍵をかけない暮らし方には帰ってみたい。

坊さんの国の坊主頭

坊主頭は、楽でええですわ。 後頭部へ寒風が流れてきて、「さぶいっ!」のではありますが。

散漫に3満

食卓での団らんは、 多食よりも深い満腹感を得られ、 腹八分をも満喫できると、ご満悦。

給料日前・残高500円ブルーズ

『三文オペラ』に「人生は短く金は少ない」とあったっけ。 おやまあ、ホントだ。 書いたブレヒトさん、遠き人。 金のほうは少ない足りない、あらまの手持ち。 美味しそうだな、あの立ち食いうどん、何と680円!

ファイトっ!

もしも、私がアドルフ・ヒトラーの子として産まれたら、どう生きただろう? いや、生きていられただろうか…。 か細い平和の綱から落ちぬよう、バランスを見据え、何とかやっていくだけさ。

母は娘に、「行っトイレ〜っ」と

この世には、修行をしなくとも自然と身心統一のできる場所がある。 造りは多様だが、思い詰めた表情は等しく、安らぎの相貌へと変化するのだった。 まるで救済スペース。 朝から誠に恐縮だが、トイレの話である。

流されっぱなしの日々に

「若い時分に女遊びをした人間ほど、老人になると決まって骨董好きになる」(谷崎潤一郎) 遊びもせず、趣味の持ち合わせもないまま、老いることさえできる女と暮らしていくほうがいいさ、俺は。 捨てられない限り。

あらためて底に気付く

ビールを泡立てるためには、コップ、何より底のあるコップが必要──。 人生のお手軽な比喩でも何でもなく、ましてや恥知らずの剽窃でもない、昨夜痛感した単なる現実の話なのでした。

朝の仕事/都市サバイバル・ノート45

名もなき屈託が方向転換できずに転がっていく。 恐怖をもたらす超消費、ついに縁のない大金──。 里の山道が一定のリズムで息づいている時、流通さえ流通している。 朝は背骨をほぐし、こわばりを溶かす。

3断の算段

ときどき情報断食を断行、 いや情報断酒か。

手紙2009

拝啓 あなたの考え方は、とてもやばい。 だから、反対です。 ただ、その考え方を抹殺する動きにこそ、断固反対です。 あなたと共闘する腹積もりでさえいます。 お元気で。 敬具

情報論/都市サバイバル・ノート44

何の本を読んだかではなく、 どう読んだかのほうがポイント。 同様に、何の情報を知っているかではなく、 どう知っているのかといった文脈のほうに軸足を置いていく。

古語・2

困り果て、いっそすっきり、退路なし。

帰ろう・1/都市サバイバル・ノート43

「宇宙へ行くより、むしろ地球へ帰ってきたほうがいい」 瞬時に分からないでいると、「だって、地球にいて地球を感じにくい暮らしだもの」。 その夜、お月見を──。

お前がパラダイス2009・5

路上で身体ごと引き寄せ呟く。 「後はもうただ生きていけばいいさ」 飛び込みも逃げもせず微かに動く派手な口紅。 「そう言うと思った」 適当な唄があるはずもなく、だが耳元で歌い始める。 俺たちは歩き出す。

アンチ・アンチエージング1/古語・1

へっくしょんっ! そりゃあ、年を喰えば、たるみ、ゆるみもしますわ。 何より、目端が利かなくなるもの。 (下から目線で)ただねえ、そこで、どのような若さをも求めないことが、 若さだよ、山ちゃん!!

.種子としての詩歌・6

遠い子孫に、作物の貴重な種子を丁寧に贈る人々の如く、 生命の源として美味しくいただけ、 鮮やかで深く、広くて濃い体験となるような言葉を発見し、 食卓にひとかけらでも置いていけたらと願っているのでした。

たずねる/身体から・32

「我は1個の他者なり」、あるいは「我という預かり物」。 それ故、まずは訪ねて、あれこれ尋ねてみたい私の身体──。 心や精神、肉体等が集まった場所へと、ゆっくり向かっていくのでした。

酒場にて

「息が詰まってさ」 「決めつけないことだよ。そう決めろと、妙なことは言わないが」 「言っているさ…」 「ただ、事態は常に可変的、視点を固定すれば盲点を生み出すぜ」 「ま、諦めて、何とかやっていくさ」

風に吹かれて夜霧よ今夜もイマジン・2

想像してみました。 今日と変わらぬ明日が、待ち遠しい暮らしぶりについて。 想像し続けています。

夜、野の花と

連れ合いが、「後は笑っていくしかないよね」とひっそり。 私は、酒で記憶を失う「ご破算で願いましては」も悪くないかと。 結局、「♪片手にピストル」というわけにもいかず、食卓に野の花を飾ったのでしたが。

よくよく考えてみれば

調べると、欲がつく言葉は意外と少ないのでした。 とはいえ、ほとんどがもたれます。 多くの方々が、「欲を捨てるという実は欲」と語っており、面倒なものだなと。 一方で欲を欲する欲が必要とも体感中です。