2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧
大人の穏やかで静かな、含羞の微笑み──。 ゆっくりとだが、確かに伝わってきた。 暗がりにいた私は、わずかに明るく、ゆったりと温かい方角へと、吸い込まれていく。 発見できた喜びとともに。
音楽が入ってくる。 音楽で満たされる。 なおも音楽は鳴っている。 音楽と音楽が交差し、音楽が光源へと流れていくかのよう。 ついに、すべての距離はどうでもよくなっていく。
追い越し・割り込み、当たり前。 きっと追い詰め、盗み、逃げてゆく。 人も死ぬさ、嫌だもの。 昨夜も、経済戦争の万死に値する戦犯たちが高いびき。 俺には、条件反射で守る生命があるってことさ。
体内に段々としみ込んで来た陽だまりの暖かさ、そうして温かさ。 震えていた分、身心の喜びはひとしおでした。 人生の比喩の如き、ただの現実にぞっこんだったのです。
入れてくれた珍しいお茶、美味しいぜ。感謝するよ。 お前もやっていけそうだな。 自分をもてなす術を、また1つ身につけたのだから。 熱いのをもう1杯? そうか、入れてくれ。 次に逢う時は、俺にやらせろよ。
酒呑み夫婦の朝を一言で申すならば、 2人は自業自得。 いや、「2人で」か。
「二日酔いから回復したかって? 70過ぎに回復はあるのかね。 だいたい死が1日分、近づいたほうがしみるな。 だって、じきに死んじゃうんだよ、俺」 ゲタゲタ笑う意地悪爺さんにつられ、身心が緩む。
欠点の指摘ほど、簡単なこともない。 事実、この言葉自体が、そう。
特に若いころには戻りたいと思わないが、 鍵をかけない暮らし方には帰ってみたい。
坊主頭は、楽でええですわ。 後頭部へ寒風が流れてきて、「さぶいっ!」のではありますが。
食卓での団らんは、 多食よりも深い満腹感を得られ、 腹八分をも満喫できると、ご満悦。
『三文オペラ』に「人生は短く金は少ない」とあったっけ。 おやまあ、ホントだ。 書いたブレヒトさん、遠き人。 金のほうは少ない足りない、あらまの手持ち。 美味しそうだな、あの立ち食いうどん、何と680円!
もしも、私がアドルフ・ヒトラーの子として産まれたら、どう生きただろう? いや、生きていられただろうか…。 か細い平和の綱から落ちぬよう、バランスを見据え、何とかやっていくだけさ。
この世には、修行をしなくとも自然と身心統一のできる場所がある。 造りは多様だが、思い詰めた表情は等しく、安らぎの相貌へと変化するのだった。 まるで救済スペース。 朝から誠に恐縮だが、トイレの話である。
「若い時分に女遊びをした人間ほど、老人になると決まって骨董好きになる」(谷崎潤一郎) 遊びもせず、趣味の持ち合わせもないまま、老いることさえできる女と暮らしていくほうがいいさ、俺は。 捨てられない限り。
ビールを泡立てるためには、コップ、何より底のあるコップが必要──。 人生のお手軽な比喩でも何でもなく、ましてや恥知らずの剽窃でもない、昨夜痛感した単なる現実の話なのでした。
名もなき屈託が方向転換できずに転がっていく。 恐怖をもたらす超消費、ついに縁のない大金──。 里の山道が一定のリズムで息づいている時、流通さえ流通している。 朝は背骨をほぐし、こわばりを溶かす。
ときどき情報断食を断行、 いや情報断酒か。
拝啓 あなたの考え方は、とてもやばい。 だから、反対です。 ただ、その考え方を抹殺する動きにこそ、断固反対です。 あなたと共闘する腹積もりでさえいます。 お元気で。 敬具
何の本を読んだかではなく、 どう読んだかのほうがポイント。 同様に、何の情報を知っているかではなく、 どう知っているのかといった文脈のほうに軸足を置いていく。
困り果て、いっそすっきり、退路なし。
「宇宙へ行くより、むしろ地球へ帰ってきたほうがいい」 瞬時に分からないでいると、「だって、地球にいて地球を感じにくい暮らしだもの」。 その夜、お月見を──。
路上で身体ごと引き寄せ呟く。 「後はもうただ生きていけばいいさ」 飛び込みも逃げもせず微かに動く派手な口紅。 「そう言うと思った」 適当な唄があるはずもなく、だが耳元で歌い始める。 俺たちは歩き出す。
へっくしょんっ! そりゃあ、年を喰えば、たるみ、ゆるみもしますわ。 何より、目端が利かなくなるもの。 (下から目線で)ただねえ、そこで、どのような若さをも求めないことが、 若さだよ、山ちゃん!!
遠い子孫に、作物の貴重な種子を丁寧に贈る人々の如く、 生命の源として美味しくいただけ、 鮮やかで深く、広くて濃い体験となるような言葉を発見し、 食卓にひとかけらでも置いていけたらと願っているのでした。
「我は1個の他者なり」、あるいは「我という預かり物」。 それ故、まずは訪ねて、あれこれ尋ねてみたい私の身体──。 心や精神、肉体等が集まった場所へと、ゆっくり向かっていくのでした。
「息が詰まってさ」 「決めつけないことだよ。そう決めろと、妙なことは言わないが」 「言っているさ…」 「ただ、事態は常に可変的、視点を固定すれば盲点を生み出すぜ」 「ま、諦めて、何とかやっていくさ」
想像してみました。 今日と変わらぬ明日が、待ち遠しい暮らしぶりについて。 想像し続けています。
連れ合いが、「後は笑っていくしかないよね」とひっそり。 私は、酒で記憶を失う「ご破算で願いましては」も悪くないかと。 結局、「♪片手にピストル」というわけにもいかず、食卓に野の花を飾ったのでしたが。
調べると、欲がつく言葉は意外と少ないのでした。 とはいえ、ほとんどがもたれます。 多くの方々が、「欲を捨てるという実は欲」と語っており、面倒なものだなと。 一方で欲を欲する欲が必要とも体感中です。