2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧
くぐもる日々に、見上げればいつも、 変化し続ける捉え切れない大空。 わけが分からない、途轍もない話じゃないか。 心底、べらぼうに愉快なことじゃあないか。
加齢とともに、頭部、何より顔がでかくなった。 その一方で、小さい脳がより小さくなっちまった…。 おっ、巷の恐竜か、私。 蹴散らすことは苦手だが、と文字落とす、 脳元気な絶滅種。
事実ではなく、 真実は、 時に遠い昔をたずね、 微かに、密かに、そうして確かに思い出すものである。
「死んだらどうなると思うか」だって? 明日の体調さえ予測できないのに…。 凄いことを聴かれたものだ。 灰となり、どこかへ飛ばされ、チャラリンポンと踏んではいるが。 そうは言えぬ雰囲気の、酒席の月夜。
若さという商品価値。 今日もまた、 女優たちがCMで、 公然と死の隠ぺい工作に余念がない。
明治の明示、大正の大笑、昭和の唱和、平成の弊政──。 昭和を生きた明治人を思い出すたびに、昭和生まれは平成の次の時代、どう生きて、どう観られるのだろうかと、ふと。
冬の日差しが欅の並木道に降り注ぐ。 「車も人もいないなあ」 耳元のブライアン・フェリー流『時代は変わる』の音量を上げる。 自転車のペダルを踏み込む。 息を一気に吐いて走り抜ける深呼吸の悦楽へ向けて。
箸も、腕時計も、コップも、耳かきも、茶碗も、栞も、スプーンも、ペンも、小鉢も、輪ゴムも、楊枝も、爪切りも、ないと困る道具が、両手のひらにおさまる小ささで、使われることを静かに乞いつつ、ただそこに在る。
宇宙の孤独なホームレスとして、 地球と呼ばれる融通がきくホスピスで、 世界、いや世間の関係性の渦で溺れつつも、 リハビリ生活を送っている日々と言えば、 怒られるだろうか。
自由な感覚に裏打ちされた心持ち、 スクッと立ち上がる姿勢、 そこから芽生えただろう自恃──。 見飽きない絶景である。
本を書くひと。 一生という1冊の本に向かう。 本を1冊も書かないひと。 本の束以上の一生を暮らす。 共に読む、読み抜いていこうとする。
様々なメディアの登場で、 昔の人々より、多くの方々を見送るようになった今。 ただ、淡く真剣で、薄く軽率な悲しみの累積に対応する術を、 私はまだ、身に着けてはいない。 今朝、そうした事態にも合掌を──。
おっさんは、打たれ強い虚弱体。 本当のところ、鈍くて重く、融通がきかないだけなのだが。 勝つ器量はないが、仮に勝っても、もう嬉しくはない。 ただ歩けるだけで楽しめる。 唄の1つも出るだろう。
冷えきった夫婦の、 湿度に満ちた、うだるような暑さ。 温かい夫婦の、 淡い酔いをもたらすシャンパンのごとき心地よい冷たさ。 どちらも夫婦、やっぱり夫婦。
ふて腐れるぐらいなら孤独に溺れているさ。 形容句も煩わしい、命令とは縁なき穴で、垂直な内臓の気分を抱え。 考えを推し進めてくれる臓器・手が頼り。 こすっからいから生き延びられただなんて、やなこった。
冬の公園で、 隠れん坊をしている春の尻尾を発見。 「いっそ一番寒い日よ、早く来い」 過ぎれば、後は暖かい日々?
死が、 未来を生きる人々に、 善きことを明け渡す 営みでありますように。
電気カーペットで眠りこけたり、段差でこけたり、トイレに間一髪で間に合ったり、顔を洗わなかったり、ラジオをつけっぱなしにしたり、定期券を忘れたり──。いずれにせよ、ラブソングをキャッチしようとしている。
野の花は散った後、 しばし沈黙を守る。 そうして時を経て、また確かな声を咲かせるのだった。 姿形からは想像できない勁い営み。 膝をつき、生命の手本の見本に、しばし見入るばかり。 明るく圧倒されつつ──。
野の花とは、いつもふいに出合ってきました。 その都度、光と土、水など、最小限のものだけで開くことができる姿に思い至り、静かに感嘆を。 人知れず、見返りも求めずに咲いているのだとしたら、なおのこと──。
笑う手前、ほんの一瞬なのだが、うつむくときもある。 まるで屈伸運動の如し。 いや、反動をつけて一気に、といった塩梅か。
たった今、怒っている場合、 怒り自体を怒ることができずに怒るしかない。 哀しいことだ、とても。 いつも、寂しいことだ。 怒らざるを得ないのだとしても。 その一連のことが怒りに拍車をかけませんように。
大きな物語は出尽くした? そうかも知れない。 が、生成されつつある語り口を始め、 いまだ体験したことのない物語が誕生する予感は手放せないでいる。 そうして、思い出してしまう、 屈託なきコミュニティー。
主体的にはみ出したつもりが、 何のこたあない、 単にはみ出されていただけだなんて。 大笑いこんこんちき、 チキチキバンバン、 ババンババンバンバンっと。 うむ、俺にはどうしても落ち込めないときがある。
ご高齢の方々が暮らす施設で、 私もまた、何をするでもなく、 座り続けていた。 生命の残り火、 その残酷な安らぎに温まりながら。
今、現在、 「政治家になりたい」と、 心底、思っている子どもはいるのかなあ…。
見知らぬものが増える一方の情況下、 人のいない自然を美しいと感じる私の誤謬よ。 人もまた生の肉、四季をも内包した。
唄を歌おうとしていた。 他の唄を、同時には歌えないと感じながら。 口先では歌えない、歌うまい。
手の届く範囲で不在感を漂わす人もいれば、 眼前にいなくても今・ここで鮮やかに存在する人も。 公園のベンチに腰掛け人を悼む冬に、救済の陽光。 さあて、新しき再出発だ。 地球が寝床になってくれている間に。
朝日が家々をゆっくりと静かに柔らかくしてゆく。 硬直した身心をほぐすように。 木立の背伸びをする音よ。 一本道の行き止まりが観えた。 あそこまで歩こう。 たどり着いたら呼吸を整え、また歩き出せばいい。