深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

怒りの美しさを前に/些事の日々・108

理不尽な権力に対する怒りは美しい。 が、発作的な憎しみは醜悪でしかない。 大切なことに対するものであっても。 何故か。 戦争へと結びつく、また大量虐殺へとつながる狭量な人間批判が身体化しているからだ。

目覚めていく/天下の太極拳野郎・10

技の日常化にいたるまでには、無駄な動きもあるだろう。 各部位の連携が取れていないのだから。 各部位の位置さえ、体感できていないのかも知れない。 が、いつしか重心が、その都度発生を。 目覚めていく全体。

井戸の底から/僻み節・2

不況の深刻さが底を打った? 底に横たわったまま、思わず笑い出してしまうしかない。 眉間に皺を寄せたままで。 とはいえ、見上げるしかない今・ここからだと、蒼穹がよく視えるよ。 広さは分からないけれども。

ときに行き過ぎも/天下の太極拳野郎・9

前へ行き過ぎるのは、悪いことばかりではない。 自然と歩幅が広がり、脚力が鍛えられる場合も。 ただし、うそ臭い前向きではいただけない。 前のめりこそをと。 悠然とした前のめりにしか視えぬ場所があるのだ。

『北風と太陽』2014/彼・19

彼は、嫌がらせから逃げられた。 『北風と太陽』の話を思い出す。 今ここが太陽になったわけではない。 北風回避の術を身に着け、太陽が視えただけなのだ。 ごまかし、しのいでいく自衛策、避難という求道――。

理性だなんて/些事の日々・107

無知の暗黒を乗り越えるため、理性が役立つ? が、眼前には高くなるばかりの塔に、皮膚が視ている原発。 眠れないことが続くばかり。 若いときのように、眠り続けることは、もうない。 掌を眺める抒情は手中か?

天使のハンマー2014/ロック・3

ギター1本でロックを体感させる歌い方がある。 一方、グループで単なるロックスタイルという退廃の場合も。 ロックは、杭とハンマー。 いや、詩の腕力、朝陽と同義の吸盤。 楽器を手にせず、ロックの場合もある。

逃亡者・5/都市サバイバル・ノート261

逃げたという実感が希薄な日々。 単に面倒と思ってきただけだ。 が、首尾よく平均寿命まで生きられるのだとしたら? 今後も面倒と思い続けていくこと自体、実に面倒なことだ。 逃げるなら明確に逃げようと――。

独学礼賛/些事の日々・106

いわゆる独学の人たちに惹かれて来た。 気づく、独りで学ぶのは、前人未到へ突き進んでいくからであると。 第一の話、勉強法は訓練しない上に、教わらないものである。 独学が当たり前だ。 至極当然なのだと。

踏みしめていく/この領土で・353

捨てられたのだとしても関係はない。 愉しむだけなのだと言い切りたい。 が、場所は大切だ。 絶望の淵、空を見上げ、足下を実感するときにも。 液状化が蔓延中だが、それでも踏みしめようとしているのだ、今も。

「反論があります」/彼女・17

反論は淀みなく。 つまり、繰り返し考え、自らに言い聞かせてきたのだろう。 吐き気をこらえ、怒りをなだめ、何より哀しみに包まれて。 そうして、ゆっくり最後に言うのだった。 「生きていて、いいのですか?」

故郷2014/この領土で・352

くつろぐ。 だから、底に淀む想いもさらけ出せるのだ。 受け入れてもらえたのなら、安心が醸成されるだろう。 結果、困難に立ち向かえるはずである。 地上に持たぬ故郷の発生、要は気心の知れた友と逢ったのだ。

疲れれば軽く/都市サバイバル・ノート260

遊ぼう。 飲む・打つ・買うといった類ではなく。 大切なのは、やましいことがなく、自らが開かれていく方向だ。 そうして、友との関係が、あくまでも深まっていく志向。 遊んで疲れれば、身心は軽くなっている。

過激の基点/唄・36

やさしくしないと、後悔するよ。 親切の嘘ではダメなんだ。 欲情はいつか、柔らかくなってもいく。 今は、とてもじゃないが、気づくことはできないだろうが。 覚えておくんだ、やさしくしないと、ダメになるよ。

冬のドアを前に/月下の貧乏人・30

雨の降らぬ夜は散歩をしようか。 寒くなる前、夜に歩いて行こう。 月下で歩くのだ、気持ち妖しく。 もっとも雪が降れば降ったで汗をかくのであるが。 ただ、夜の扉を開けることが苦痛でないうちに歩いておこう。

分からない/森の生活2014・2

分からない。 不思議に感じるから夢中になるのか、夢中になっているから不思議と感じているのかが。 分からない、どうにも。 が、不思議だと体感、夢中だと実感していることは確かだ。 森の中にいるときに――。

休日の過ごし方/暮らし・9

公園で、陽だまりを探す。 シートに座って周囲をうかがい、誰もいないことを確認する。 そうして、普段は見せない大きなアクビを1つ2つ。 声を出しながらだ。 アクビによる大らかさが休日を招き寄せるだろう。

食卓の効用/暮らし・8

「皆で食べたほうが美味しい」 そう言える程度に、時代は豊かになった。 が、たった1人でも、美味しく食べられるだろう。 まず静かな気持ち。 そうして、「いただきます」と言える場所が確保されているのなら。

父が視えなくなった日/合掌・45

思い出せない大切なことがある。 顔つきや背丈、身のこなしが朧なら手なずけられるのだが。 「まいったな」 声を忘れてしまったのだ。 爾来、雨乞いの如く、声をふとした拍子に求める己に気づかされるのだった。

小さな声で/暮らし・7

暮らしは、約束でできている。 とても小さくて大切な、いくつもいくつもの約束で。 守るほどのものではないかも知れない? それは違うと、やはり声を小さくして伝えたい。 それこそ守っていくもの・ことなのだ。

富士山/些事の日々・105

富士山を視る。 そのときの反応でくっきり現れる領域が。 雄大なる幽玄さに満足したのなら己が停滞している場合も。 逆に、通俗的雄姿に怒ったのなら身心が立ち上がり始めた場合さえ。 富士山は富士山なのだが。

夜へ向かって行く疑問符/些事の日々・104

今朝を迎えた。 わたしはして来たろうか、他者を想い続けることを。 わたしはできて来たろうか、自分の死より、他者の死を想うことを。 何よりわたしはしないで来れたろうか、人を押しのけることを。 夜は来る。

帰り道を行く/愉しき我が家・1

疲弊したまま、わが家へと辿り着く。 「ただいま」と居場所へ、やはり向かう? 人はいなくとも、「おかえり」と受け入れられたのならいい。 生きていく、生きていくのだ。 単に生きていくだけでいいのだと――。

経済状況だなんて/この領土で・351

底辺から奪うだけ奪い、しかも底辺に置いてきぼり。 ついには底辺層の未来の財さえも収奪、結果、破綻へと。 もう何もないよ。 いっそ、過去に遡って、盗むものを探し出す? もはや共倒れよりタチの悪い共食い。

生きる2014/この領土で・350

食料生産の余剰は恐怖の結果の領域も。 今も学歴に職歴、肩書きを気にして、やたらと消費するだけ。 むしろ生きているだけで愉しい方途こそを。 何も難しいことじゃあない。 まず己を承認することからの開始だ。

今日の60年代/地上物語・2

愚直に暮らすことが冷笑されるようになって久しい。 何故? 与えられるだけの安手の椅子が、今や夢心地にさせてくれる? 墓参りへ出向けば、直接の想いが起き出す。 語り合える人々が、地上に鎮座していたのだ。

育てるなんて、おこがましい/家庭菜園最前線・1

狭い菜園で言葉がやって来た。 「くっつき過ぎては巧く育たないし、美味くならないよな」 そも、伸びていかない、拡がってもいかない。 宇宙から視ればすべては井の中の蛙。 「そのくせ胃の中の宇宙だよ」とも。

何が何やら/全裸主義者として・6

資本主義こそ飢えからの解放を? 他の制度を体験していないので、はてさてと。 私有財産の確保に移動・通信手段の進歩。 科学は飛躍的に発展、医療も進歩している。 が、今もそこらで気楽に裸になれないなんて。

温水プールで、「寂しいなあ」/この領土で・349

父親の大声が聴こえてくる、ときに罵声となり。 子どもに泳ぎを教えているのだ。 が、ともに水中で過ごせる愉しさの伝授をと。 泳ぎは覚えるし、老いても帰っていく場所となるだろう。 教えることしかできぬ愚。

笑みだなんて/彼女と彼・4

「どんなに美貌であっても皺くちゃになっちゃうんだ」 「だから」と彼は若い男に言う。 「だからさ、笑みがたえない人がいいよ」 傍らには憮然とした夫人。 彼は、「はいはい、お茶入れましょうね」と席を立つ。