深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

アイドルの薄さという巧妙ぶり/この領土で・279

中性的という言葉を体現した、実は男。 あるいは、女。 戦略が臭って来たり、下心が見えてしまったり、逃亡の度合いが分かったり。 商品社会の手軽な感情商品。 巧い必要はないが、「唄、巧くなるのかなあ」と。

北風と太陽2015/この領土で・278

北風と太陽。 北風という太陽はあるし、太陽が北風を孕むときもある。 北風と太陽の間には微風や涼風も。 二極の間、一極から一極に滲む単純な複雑さ。 ほどよい北風に吹かれて、桎梏の太陽を浴びる日もあるさ。

汚染2015/この領土で・277

グルグルと変化してきた。 目の前にあるときだけは己がもの・こと? そうした中、自然は子どものころと変わっていない様子。 だから、往時を簡単に想起させる。 汚染され、もはや違った在り様になったとしても。

虹を比喩にしようだなんて/平成四季派・12

虹だ。 そうさ、あれは虹だ、恐ろしいほどに美しい。 束の間、呆気にとられ、惹きつけられる。 が、あの美が、残酷で理不尽な事態を開示するときもあるのだ。 そも、何故、美しいと感じるようになったのだろう。

アイムダウン2015/天下の太極拳野郎・13

柔らかい土の上で、久しぶりに太極拳を。 重心を保つことができず、倒れそうに。 脚力の衰えが身に沁みる。 何よりバランス感覚の衰えが寂しい。 重心が新たな重心を発生させることに想い至り、今日も舞おうと。

目を閉じて/身体から・96

グルリを確認する、人はいない。 目の前には一本道、目を閉じて歩き出す。 ゆっくりと少しずつ、足を出していく。 怖さや、それに類する感覚につかまってしまう。 と同時に陽射しを体感して、「いいなあ」とも。

罠らしい罠はない/この領土で・276

やって来た、予定通り正確に。 罠は見破られないように。 いや、分かっていたとしても落ちただろう? もはや茶色一色ではなく、カラフルに何だか清々しいほどである。 気のきいたことばかりだが、罠は罠である。

変身2015/身体から・95

歳月を経るにしたがって、病む身体へと。 違和感が生じて、痛みも発生するのだ。 老いて、くたばる道程――。 それでも、不思議と、夏の身体がささやき出すときが。 1歩、あと半歩と進み、拭うものさえ生じて。

春に、「さぶっ」/この領土で・275

春なのに寒かった。 それもそのはず、大雨に強風。 バスに乗るかどうか迷ったが、横断歩道を歩き出す。 すると、狙っていたかのように救急車が走って来る。 苦笑も浮かばず、水浸しの靴の中に想いは走って行く。

「大笑い海岸」とオヤジギャグ/当世労働者覚書・38

「何だか、気持ちが悪いな」 度をこした低姿勢に猫撫で声、おまけに意味不明の笑顔。 要は、腹に一物といったあたりか。 衣替え後の寒波を喰らったときの自爆感? この際、ステップを踏んで、大笑いしていくさ。

ブルーマンデー2015/当世労働者覚書・37

月曜日は早い時間に駅へと向かう。 信号も気にしなくていいのだった。 ただ、駅周辺ともなれば、すでにして人・ひと・ヒト。 何だか皆、重い色の衣服を身に着けて、顔色が悪い。 活気を醸成しようとしながらも?

手掛かり/当世労働者覚書・36

通勤電車で書類を読み、できる範囲の労働を。 追われて、せっつかれている、逃げられない。 が、労働への意識を遮断。 思いつくことを転がしていくことに。 来訪した微かな豊かな想いは、手掛かりになるだろう。

雀2015/この領土で・274

友人がメールをしてきた。 「雀を見なくなったと思わないか?」 「確かに」と、ウェブで検索を。 天敵の増加や居場所の喪失等が誘因云々と。 が、思っていた、「雀の減少に気づく暮らしの幅が欲しいよなあ」と。

オープンロードへ/春2015・10

大切なものがある。 大声で言うほどではない領域に。 そも、声を大きくし始めた途端、視えなくなる細いほそい道。 ただでさえ視えにくいのだ。 両目を開けたりつぶったりしつつ、感じようとするオープンロード。

「しょうがねえなあ」/当世労働者覚書・35

労働で数字を落としてもまだ、逃げ道はある。 が、無策もさることながら、怠惰ならば致命的だ。 おまけに、傍若無人――。 数字へのこだわり、グッドアイデア、刻苦勉励が求められているのだ。 何より、誠意が。

今より救い?/老道・17

四半世紀以上も前の休日、豪邸へ。 食事を届ける方に同行していた。 中にはご高齢の方がベッドで1人、ぽつねんと。 家族は別棟で暮らし、庭でバーベキューを。 ささくれ立ったが、食事が届くだけマシだったか。

「眠いなあ」/春2015・9

華やかで美しくあっても、意味はない。 理不尽ならば。 筋道が通っていて反論の余地がなくても、逃げ出したい。 排他性に満ちた体系ならば。 美の理性・理性の美が渦巻いていても昼寝が魅惑的な身心の事態――。

居心地の悪さ/疎外論・3

眺めていて、「何だか、うとましいな」と。 これは、一体何か。 問題は風景にあるのではない、具体的な周囲が問われているのだ。 周囲には、自らの身心も入る。 気持ちの悪い自己愛から遠い疎外感が切実なのだ。

写真論2015/彼・25

「富士山を撮るのではない」と彼。 要は、「富士山の光を撮るんだ」。 しかも、「空間を意識、奥行きを表すんだよ」。 結果、二次元に三次元が定着を。 写真という物語が発生する瞬間の話を聴いていたのである。

傘はない/マネー2015・3

テロをなくすことは重要だ。 が、何故、殺人に走るのか、原因を解明、対応すべきだ。 そも、大量殺戮を続ける大国の大義の背景には貨幣。 雨の如く降る弾で家族が殺されたら? 震えながら泣くだけでは済まない。

脱いでゆく/マザーネイチャー・11

もう、コートは脱いでいた。 そうして、木々の中へ入り込む。 当然のことであるが、見る場所によって表情は違ってくる。 が、その魅力にかわりはない。 一切捨てることはないままで、脱いでゆく生命の立ち方――。

風の仕業/この領土で・273

桜が散って花びらは1か所に集まっていた。 身を寄せ合っているかのよう。 埃や泥を隠すのが仕事? 先の東京オリンピック以降、野良犬を視なくなった。 次の大会では隠すものもなく大切な声がかき消されていく?

失われた人を求めて/希望の弁証法・8

吐き気も忘れるほどの喪失。 茫然自失となり、気づけば嘔吐をしていた。 その後も生きてきたが、支えるものは何だったのだろう? 思う。 支えるものもなく、ただもう呑気に生きていけることこそ、望みだったと。

原動力?/呼吸・51

人を動かす力とは一体何だろう。 どうして生まれるのか。 例えば、欲するものがあるから? それが、静かに暮らしたいことなら、果たして――。 原動力などなくても、ただ静かに呼吸を重ねることができればいい。

桜まみれ/春2015・8

散歩道を進んでいるときのことだ。 目を打つ視界を遮るものが舞っていた。 苦ではなく、気持ちが静かに高ぶる。 「花吹雪とは巧いことを」 もはや遠い昔、飛び立っていった青年たちは、現在をどう思うのだろう?

当たり前のことに、あらためて/春2015・7

陽射しのもと、1本の老木の前へ立つ。 ゆっくりと、しばし見上げていく。 大きい、高くて風格がある。 が、どこか、脆そうな気配も漂ってきて――。 「そうか、やっぱり桜だったんだな」、そう話し掛けていた。

ミルクティー2015/この領土で・272

朧ではあるが、恐怖政治であることに変わりはない。 そも、グルリは恐怖経営がそこかしこに。 慣れてはいけないのに、慣れてしまう。 萎えるばかりの筋肉と吐き気ばかりの胸の内。 熱いお茶からまだ離れられぬ。

大きなアクビ/当世労働者覚書・35

昨日は先週の労働に追いかけられた。 今日は昨日すべきことをしている。 明日は明日のことができるだろうか。 子どものころ読んだSFの如き空間で、今を呼吸。 公園ではつながれた犬が空に向かいアクビを――。

愉しむ/春2015・6

心地よい刺激はどういいのか? 戦争から遠い愉しみであればいいのだが。 食事に性、お金に名誉以外の愉しみ、要は人を押しのけず、自足できる快――。 裏切られたからこそ学ぶなど、ご免だ。 薫風を嗅いでいく。

あれから/春2015・5

今や、「あの日に帰りたい」と思わない。 感傷がうとましいから? いや、「もう帰れない」と、単なる鈍さを育んできたのだ。 ここには取り返しがつかない痛みがあるだけ。 再会を果たす前に諍いは付き物なのだ。