2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧
残りの人生は、生きてきたときよりも短いのだろう。いや、短期間だ。そのすべてを使っても体験できない書物や音盤、映像など。それでも、新しいものは出し続けられていく。目の前にあるものと正対していく。 ▲『道具のこと』(写真)身体を使う道具。視ると…
人を支援する賃労働。もえつき症候群で倒れる方もいる。人の目が気になるときもあるとか。快適さへの責任感、身近な死へのストレスも。「巧くこなさないと割が合わない」と聴いて、「正直だなあ」と黙った。 ▲『束の間の、わたしの場所』(写真)2022年4月…
「インチキぐらいしたよ」と彼。「たださ」と。見破られないよう、言葉遣いや立ち居振る舞いには留意してきたという。そうして苦笑、こう放った。「ガキに恥じないような嘘か、どうかが、基準だったかな」※その後、彼は、こう呟いた。「いやあ、ガキが恥ずか…
起きたとき、どうにかなっているといい。何とか寝付く。幾度か目覚めつつ眠る。朝、不調を感じつつ目覚めたが、何ともなっていないと気づく。子どものころのことだが、今も同じようなもの、己に呆れている。 ▲『熱いコーヒーで一服』(写真)人のいない場所…
休日の夜、疲れを取ろうと温水プールへ出向く。驚くほどの空きようだった。ついには1人となり、監視員のほうが多いのだったが。遠慮気味に歩いて、泳ぎ、浮く。退場するとき、思わず深々と頭を下げていた。 ▲『見上げた』(写真)ビル街でない限り、見上げ…
乞食、上等。食を乞うのだから、兵士よりはるかにマシだ。兵士が盗人にもなる映像報道で、あらためて想った。殺戮だけではないのである。戦争体験者の精神失調を想えば、勝利者などどこにも存在しないのだ。 ▲『影と光の中で』(写真)日影が心地よい時季の…
リハビリテーション──。人間性の回復という意味もあるのだとか。今や、世界中に求められているのだろう。1人ひとりへの、身体だけではなく、心や脳についてのリハビリテーションが。酷いことが多過ぎる。 ▲『木々の中へ』(写真)林の中へ。ゆっくりと入っ…
することばかりが言われている。が、しないことも大切だ。例えば差別、もっとひどい区別も。人を傷つけてはいけないのだが、勝手に傷つく人もいる。「仕方ないさ」と想いつつ、人のよさの勘違いにも気づく。 ▲『桜の後』(写真)桜が咲いているころだ。遠回…
甘やかされて育ち、怠慢続き。それだけならまだしも、独善に。国民で指差す手合いには、「負けないよ」と。が、案の定の人気者だ。宿命の偶然性だけではなくて、偶然に潜む宿命性さえ跋扈、まだ壊れていく? ▲『たんぽぽ』(写真)桜が散ったころの写真が出…
喰うや喰わずの貧しさ。それでも、家族の笑顔があればいい。子は、それだけで安心して、瓦礫の山を走り回れる。が、父母や大人たちの闊達な身心が奪われたとき、どうか。敗戦直後のことを総括すべきだろう。 ▲『手をつなぐ』(写真)大人と幼児が手をつなぐ…
「いじめられていたら言えよな」気にしてくれる善意。が、そう言われて伝えられるのなら、最初から話している。大切なのは、言いやすい雰囲気。そうでなければ、自白を迫る刑事・逃げる犯罪者と同じ関係へと。 ▲『1本』(写真)都内の元中学校。1本の木が…
聴いたり、読んだりした言葉。「今だけ、お金だけ、自分だけ」否定はするが、自分にまったくないわけではない。ただ、ダメだ。明日やお金以外のこと、他者が視界に入らなければ。心底、寝坊するためにも。 ▲『野の花』(写真)春の具現。春が咲いていく。花…
視たいのだろうか?あるいは、読んだり、聴いたりしたいのかと。よくできた物語をだ、完璧なまでの。もちろん、そうした気持ちはあるが、今、どうなのだろう。それ以前に、果たして届いてくるのだろうかと。 ▲『野に花』(写真)野の花が、野に。春を体感さ…
小さな海としての、彼女の身心。津波が来ないように。何より襲われないようにと、座る。ヨーガをしてきたが、今はしている暇がない。正しく座るだけでもと呼吸を整えて、いつもよりゆっくりと、目を閉じた。 ▲『トンネル抜けて』(写真)南と北とをつなぐ地…
今の望みを問う。まず静かに暮らすことを想う。「それのみでいいのでは」とさえ感じた。余計な心配・心配の余計さがないのも、何よりではないか。そうして、心底、春の陽射しを愉しむだけでいいのだったが。 ▲『穴へ』(写真)再び想った。もしも今だ。事故…
寛容や思いやり、謙虚さは、なかなかに難しいことか。尊敬もまた。自然に満ちた理想郷、桜が咲いたとき、そう感じていた。保身に金儲け、自己宣伝に長けた手合い製造機としての国々。「ったく、疲れるよな」 ▲『庭に花』(写真)東京・練馬方面へ。柵のほぼ…
温厚。そうした人を随分と視なくなった。明るくて温かく、軽やかに働く人も。みな、屈託を抱え、うつむき加減だが、暗くはない。どん底の暗さなど持ちようがない消費社会という領域も、暗くさせてくれない? ▲『足もと』(写真)歩きを止めた。足もとを視る…
上へ?いや、深いところへ、奥へ奥へとも想う。今は恐怖より大きい、「死は嫌だなあ」という感覚。荷物をいつものように持つが、かつては軽かったものの、今や重いと感じている。何とかやっていくしかない。 ▲『動く、動き回る』(写真)プールへ出向けば、…
倒れるのは突然だ。だから、つい慌ててしまうのだったが、倒れるまでの過程が口惜しい?いや、どうだろうか。悪戦苦闘はしていたのだから。意味はないが、「立ち上がっていくしかないかな」と言うしかない。 ▲『紅』(写真)下ばかり視てはいない。が、つい…
静かな不安。己を支えるてくれるのは、まずの健康、そうして生活費だ。怒りや不安と縁を切りたくても無理だろう。現状は、悲惨以上なのだから。あらためてコロナ禍に自然災害、戦争の時代だと痛感している。 ▲『プールの外で』(写真)プールへ行ったら、さ…
煩わしいことに囚われ、ストレスに溺れ始めたとき。ふいに言われたのだった。「ほら、ラーメン、のびちゃうよ」我に返り、思わず啜り始めたのだった。「あっ、そうか」とラーメンの効用に気づいたのだった。 ▲『春の山々』(写真)「そうかあ、山かあ」と。…
為政者の凄まじさ。「こんなことをしたらダメだよな」と分かっている点。そうでなければ、嘘・隠蔽など、計画的・緻密にはできない。そうして平気で、「こんなこと」をしてしまえるのだった。「失せろ」と。 ▲『まるで桃源郷』(写真)「おっ」近寄っていっ…
中年女性たち5人の自転車に抜かれた。2人の水泳選手にも、3人の歩行者にも、どんどんと。抜かれて抜かれて抜かれ続けている。が、まだ、ここにいたい。だから、自転車に乗り泳いで歩いてもいるのだった。 ▲『歩く人』(写真)歩く人。それも一人で。「そ…
若い女がオヤジの足を蹴る。周囲から視えないようにだが、わたしの視界には入った。電車が揺れ、だらしなく座った脚にオヤジが触れただけなのにさ。殺伐としたせこい宣戦布告。あんな人間にはなりたくない。 ▲『春の影』(写真)影、春の影。温かみのある影…
原爆を落とされた黄色人種の国。どちらか一方の味方について、どうしようというのか?中立への意志。その困難な道を何故、志向しないのだろうか。やるならやってみろと素手で立ち向かっていくのが、今も基本だ? ▲『軽く驚き強く感嘆を』(写真)空き地。花…
怒る――。その間はまだ、余裕があるときも。緊急の事態と遭遇すれば焦ってしまい、即、からだが動いてしまうからだが。涙もまた、余裕の産物。悲しみをまねく事態に見舞われれば、泣いている暇もないのだ? ▲『紅』(写真)「うん?」近寄っていった。落ちて…
福島の原発は東京への電力供給のために。福島自体の電力は他の地域からとも聴く。東京人が暮らしの根底を問うたなら、初めて今日からの道が視えてくるのだろう。そうでなくては荒むばかりである。違うのか? ▲『チューリップ』(写真)ビルとビルの間に箱が…
もしも今、事故で、大きな石の塊が頭上に落ちてきたら?想像もしたくない。が、現実では、意図的な酷いことが起きている。身近に感じられる月より、はるかに近い場所で。無力感に溺れることなく、姿勢を伸ばしていく。 ▲『ここの戦』(写真)眠る人。最近、…
誰が言ったかやはり忘れた。要は、「月を見ずに指を見てしまう人もいる」といったような言葉。反応した言葉なのだった。月に気づき、眺めながら杯を重ねる。「まずは気づくところからだよな」と深夜の帰路。 ▲『脚長』(写真)人殺しをしても、罪に問われな…
数値化できないことがある。例えば、教育や福祉、医療や農業。もちろん、数値化できる領域も。が、最終的に、数字でまとめ上げていいとは想えない。甘ちゃんと言われようが、現況を考えればそうなるだろう。 ▲『足もと』(写真)少し前の写真だ。「へえっ」…