2016-02-03 日本人と出逢った/この領土で・327 男が、わたしを視ていた。 歯が抜けて、襤褸を身にまとう小さな男である。 若いのだろうが、老いているようにも視えた。 何より飛び切りの笑顔が脳髄に刻印されたのである。 もう昔むかしの日本人の写真だった。