彼は言った。
「父が無能と知るのは嫌だったな」
「母が女を出したときはもっと、嫌悪したなあ」とも。
世間的には何ら問題はない、いや、むしろ恵まれた家庭の子弟だった。
「たださ、贅沢なんだろうな。嫌なものは嫌と言えただけでも」と苦笑をした。
腹は立ったり座ったり/令和問わず語り・5
「悪いようにはしない」
そう言われたことがある。
一瞬何を言われたのか理解できなかった。
要は、なびけば地位を上げてやるというのである。
たいした男ではないものの、コケにされたようで、今でも腹が立つ。
長生きできたら?/老道・133
長生きしたとする。
今なら90歳、100歳?
慶賀也である。
わたしが長生きできたら、どうかと。
今さら死ねないと、生に執着してしまうのではないかと、ふと。
そうして、苦笑したのだった、「せこいよなあ」。
本を開く/些事の日々・289
駅の手前で気づく、「あっ」。
スマホを忘れていたのである。
慌てた、1日の予定を急いで想い出そうとした。
「別に今日は大丈夫かな」
ほどなくして爽快感が訪れて、通勤電車で読みかけの本を開くことにした。
生き延びて欲しい/この領土で・582
「死ぬな、未来がある」との助言。
ときには酷に。
香港の背景には素人では敵わぬ力も――。
そも、このままでは未来もないのだ。
しかも、今の生命だ、大切にしていくしかないことは、分かっているはずである。
※大国の思惑が視えてくる。
いやはや。
保障こそ/この領土で・581
読んだ。
生活保護から生活保障へという言葉を。
「その通り」と首肯した。
そも、生活の保障ができていれば保護はいらないのだった。
保護さえ排除する苛立ちがまん延する中、無理なのか、どうして無理なのか。
壊すところを作って壊す/この領土で・580
下へ下へと拡大していく貧しさ、要は情けなさ。
その後、実は上へ行ける?
無理だ、無理に決まっているではないか。
1等地だろうが、黒字だろうが、上昇中だろうか潰す。
壊していく、壊し続けていく国である。
参加することに異議?/この領土で・579
参加すること。
外部からの脅迫から逃れるためにも。
壊されると、害悪にされかねない個体。
参加するところは何処?
そこが大切なのだけれど、さあて、すでに参加したくなくても、参加させられているものなあ。
臍曲がりのくせして/令和問わず語り・4
得意なことがあるわけではない。
そのくせ反感は持つ。
例えば、悪くないものに対しても。
正義や正解、正論はまっとうなのかと。
が、小心者である。
ときどき自分にも嫌気がさすが、なあに、このままだろう。
避けられないこと/老道・132
老いは老い。
病の問題にすり替えることはない。
そも、病もまた老いの必然だとしたら?
病に手当ては必要だが、そうして老いにもまた手当ては有用だが、ともに避けられない。
つまり、どう受け止めていくかだ。