2016-08-16 埋葬/些事の日々・191 爺さんがふいに立ち止まる。 足下を見詰めてから、ゆっくりとしゃがみ込む。 セミの死骸を拾うために。 手のひらの上に置き、眺めている。 ほどなくして樹木のほうへ歩き始め、セミに根元の土を被せ始めていた。