深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

2008-01-01から1年間の記事一覧

身体から・10

身体の末端に、 あたたかい血液が 行き届くことを想像し、 ぬくもりを感じようとする。

自立

自立とは、自分で自分を承認するところから始まる。 ただし、外へ開かれようとする意志が求められるだろう。 柄にもなく、そう思うのだった。

夜の訪問者

神様はお客様です。

死ぬ瞬間

死ぬ瞬間に立ち会う体験は、行き場のない悲しみをもたらす。 と同時に、死への恐怖を持たなくてもいいと教えてくれる。 私もまた、死ぬ過程を開示でき、死への恐怖を取り除いてもらえればいいのだが。

暗い情熱、明るい拒否

首相の顔が堅気には見えない、 そうした国に暮らし、 なあにがセレブだ、 ドンドコドン。

値踏み

皆と同じで、 年末ジャンボはかすりもしないし、 いずれ癌になるだろうと踏んでいる。 はは、呑気だね。

スクリーン/映画の発生・3

冬の里山、 成長の意味も知らぬ元気な子らと、 湯を沸かし、 熱きお茶を啜る母たちの顔を、 鮮やかに照らし出す日差しの移ろいもまた、 映画の主役である。

3つの視線/映画の発生・2

イチョウの葉がゆるりと落下する。腰に手を当て空の方向を見上げる爺さん。「ほお」との感嘆の声を響かせた。かたわらの老犬の視線は口許へ。私は立ち止まり、イチョウの葉と爺さん、老犬を映画としても眺めている。

身体から・9

飽食よりも、飢餓の歴史のほうが圧倒的に長い。 それ故、断食よりもむしろ、 今の日本の食生活のほうが生体実験なのだ。 たとえ長命国になれたのだとしても。

何となく不満

若いと苦いなる文字が似ているのはいいが、 親切は何故、親を切ると書くのだろう。

可能性の詩歌・5

自分だけに必要で、大切な、 しかも決して 他者には伝えられない言葉を得たとき、 反転して、 今までにない、 開かれた通路が見えてくるのだとも、 思うのだった。

意味不明/言葉・4

どれほど緻密な論理展開でも、 「ある意味」「ある種」と言った途端、 そこで破綻する。 どのような意味・種なのか、 明確に言ってくだせえ、お代官様。

この実、何の実?/都市サバイバル・ノート2

真実と事実がゴチャゴチャとなった、 実なき時代の実、 口実が流布。 私は食べない算段を。

身体から・8

気持ちのよい誘惑の手口で、 勧誘してくる広告社会の中へ 放り出された、 この身体はたった1つきり。

身体から・7

出すものを出し、 朝日に向かって逆立ち。 下垂した内臓が定位置に戻る感覚を馳走として、 ごく短く、 実はゆったりと味わう。

家族内対抗歌合戦・2

「お湯かけ3分で完成の紙幣ザクザク欲しいぜ」と脳天レゲエすれば、仏壇から「金に負けたか、糞たわけ」とパンクる声。「ガス代が問題、暗黒が燃えているわ」とプログレも登場し、にわかにスモーク、目に染みる也。

フーテンはつらいよ

不安? 体調でも崩したか。 遠くへ行きたい? たわけた言い訳を。 孤独だって? どんな野心や下心があるのやら。 愛がない? 自分の臍、なめてごらんよ。 いっそ、青年、このオヤジが抱いてやろうか。

身体から・6

灸すれば通ず。

都市サバイバル・ノート1

必ずしも正解だけが必要とされているわけではない。

身体から・5

凝視する。 寒風の中、 皮膚が呼吸しているのを、 呼吸しようとしているのを。

身体から・4

親しい人の背中を、 背骨に沿って、 ゆっくりと撫でてみる。

身体から・3

森の中、 四つん這いで、動き回る。 地上のにおいを嗅ぎ、 幾本もの川の音を聴き分け、 冷たい空気を食み、 遠くの山々を見つめ、 何より 背中に降り注ぐ日差しを感じながら。

身体から・2

歩く。 土の上を、 裸足で。 足裏を手と思い、 物をつかむ感覚で。

身体から・1

腰を入れて座れば、 すくっと立つ上半身。

この言葉を盗め

ブレヒトの名言をパクれば、 「名言のない時代は不幸だが、 名言を必要とする時代はもっと不幸だ」になるが、 いっそ、「言葉の問題は言葉だけで解決しない」か。

狐さんチームと狸さんチーム

反省とは何か、よく分からない。 言葉や態度で示す? だから、どうなんだ。 ラディカルなやさしさが、 条件反射で、 出てこい、 こいこいこい。

野望・1

全裸パーティーなるものに参加する 余裕もなければ、 縁もなく、 ましてや自信もない。 野望は、 3時のお茶を、 切り株に腰かけ、 ゆっくりいただくこと。

暮らしの手錠・1

苦しみがあること自体には、 苦しまない。 苦しみは、 馴染みの天敵、 別れられぬ犯人、 頼りなき同志。 苦しみと暮らし続けるが、 暮らしを苦しみにはさせない、 断固。

夜空の星を君といつまでも

死者とともに暮らしてきた、 いる、 いくだろう。 そうしてついに、 私もまた、 今・ここの死者となる。

綱領

上機嫌こそ何よりの武器。