深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

逃亡者は慌てていた/平成問わず語り・7

気づけば、まず靴を手にしていた。
とにかく、逃げ切るんだと。
どれほど走ったのだろう。
肩で息をしつつ、振り返っては、安心を確かめる。
手を視れば、ふるえながらも、靴をまだ強くつよく握りしめていた。