記録は永遠に残らない。
夢中になって呼んだ本も、版元が潰れればアウト?
そも、放射性物質が安全になるとも言われる何万年後。
そのとき、今の言葉が通じるのかどうか。
日本の古典でさえ、学びの対象だもの。
座ろうと想った。
「あっ」
暑いが、秋なのである。
www.youtube.com【道元について/今日も少しだけ】
近隣の大学へ。
今回の無料の公開講座は、『哲学者たちによる道元の発見と誤解』。
目から、うろこ…。
冒頭、「無限の中の1つの無限」という言葉を聴き、「すげえなあ」と。
頭がクラクラした。
いずれにせよ、講師・石井公成氏は、和辻哲郎氏にはじまり、田辺元氏、井筒俊彦氏等々の名だたる知識人の誤解を、笑わせながら、ぶった切っていくのだった。
倉田百三氏など、「とんでもない奴」と。
講師の略歴を調べると、1960年代末に高校生を送っていたことが分かった。
要は、道元とは関係のない、自分の思想の表明でしかないと。
例えば、ヴィトゲンシュタインやデリダと関係付けた書籍もあるが、「まったく意味はない」と。
「新しい思想が出れば、また関連付けるのでしょう」
つい、その手の本になびいてしまう自分に、苦笑いだったか^^。
いくつか、記憶に残った言葉がある。
覚書として紹介を。
■道元は、「禅宗・曹洞宗と言うな」と主張していた。
釈尊そのものに復帰しようとしていたという。
■道元は、漢字と平仮名を使ったのが画期的とも。
坊さんは当時、漢字、もしくは漢字とカタカナを使っていた。
いわば、道元語となっている。
■国家主義に利用していた歴史的誤謬。
■東洋と言うが、東洋とは何か、単に西洋ではないことなのか。
なお、石井公成氏は、『researchmap』というサイトで、道元に関する論文も公開している。
「100年の決着をつけた」という。
「スゲッ」
どうか、今日も、ご無事で。
【追記/「さてっと」】
いやあ、本来の学問のダイナミズムに、感服した次第だ。
「なんちゅうか、凄い」
日暮れて道遠しというより、日暮れて四方暗しだが、俗流・道元像とは違った姿が垣間見えたのである。
「発見の愉しさかな」
佳き日々を。