2011-10-03 部屋に漂う香/合掌・18 「それで、ダンナが何と言ったと思う?」 「分からないなあ」 「お前は料理が下手だが、いつもとても美味しい食卓だった、だって」 「そうか…」 彼女は笑い放ち、彼の微笑む写真を眺めてから、再び線香に火を灯す。