深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

捨ててもいいもの/身心・2

分かりきったこと。
実はよく分からないところがある。
しかも、大きな不安にいたっては、不安であること自体が、不安を加速させていく。
分かりきったことと、大きな不安の狭間。
捨ててしまっていいのではと。

▲『踏む』(写真)
踏む。
ここならいいだろう。
これならいいだろうとも感じながら。

www.youtube.com【生贄の人?/今日も少しだけ】
 ルキノ・ヴィスコンティの映画『ベニスに死す』。
 タッジオを演じたのは、ピョルン・アンドレセンとか。

 日本でもアイドルとして、人気があったようだ。
 ほぼ覚えていなかったが。

 実は、その後の人生を描いたドキュメンタリー映画『世界で一番美しい少年』が、少し前、劇場で公開されていた。
「観てみるかな」

www.youtube.com ただ、何故かふと、「どうしようかな」と想っているうちに、上映は終わっていたのである。
 それが、なんと、図書館から借りることができたのだった。
「へえっ」

 早速、観たが、感想は、「すさまじいな」のひと言か。
 母の死を含めて。
 何より、性の生贄みたいな。

 ドキュメンタリー映画自体は、暗澹たる内容だ。
 ただ、スタイリッシュに描かれており、つい観ていたのである。

 さて。
 さてもへったくれもないが、さてか。
 ドキュメンタリー映画の中で、ピョルン・アンドレセンは、次のようなことを言うのだった。
 こうだ。

「(ヴィスコンティからの指示は)行け、止まれ、振り返れ、微笑めだった」

 なるほど、そうだったのだろう。
 演技よりも、存在というわけだ。
 アイドルの基本。

 そこで、「ああ、そういうことか」と。
『ベニスに死す』こそ、当時のピョルン・アンドレセンを知るためのドキュメンタリー映画で、『世界で一番美しい少年』はその予告編、ないしは、よくできた映画ではないのかと。
 もちろん、その逆も言えるのだろうが。

 ともあれ、老いた美しい少年の佇まい。
 今もなお、今こそ美しい?
 生き延びてきただけ。

 どうか、今日もご無事で。


【追記/「終わったが、終わらないな」】
 2日から始まった賃労働。
 どうにか切り抜けた。
 明日は、久しぶりの休み。
 とはいえ、その後も賃労働は続く。
 佳き日々を。