深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

わたしのこと/令和問わず語り・85

若いころ、私という言い方が苦手だった。
今は、僕という言い方に距離がある。
私はわたし、僕はぼくならいいか。
とはいえ、後者にも抵抗感がある。
自分でも、じぶんでもない。
そう、わたしは、感じている。

※無名性のわたしとして生きていく。
 それこそ、私である、みたいな。

▲『落ち葉』(写真)
踏みしめていく。
音を聴きながら。
ヘッドホンを外して、音楽を聴いている?

▲『ゴロリ』(写真)
つい、ゴロリとした。
「やべっ」
暖かくて気持ちよく、寝始めていたんだった。

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【圧制について/今日も少しだけ】
 ふと想い出していた。
 学生時代のことを。

 どこかの部室だった。
 陽射しが明るく差し込んできていたことを、奇妙に覚えている。
 議論、いや、詰問のシーンを、何故か、想い出していたのである。

 学内の最大派閥のセクトが、他のセクトの代表を呼び付けていた。
 そうして、ほぼ詰問状況だったか。

 わたしが何故、そこにいたのかは覚えていない。
 興味があっただけではないのだろう。

 とにかく、相手2人に対して、最大派閥の長を含めた3、4人かが、静かに、あるいは激しく、形だけは論理的に攻めていたのである。

 わたしは、話を追いながら、「何だかなあ」と思い始めていたか。
 要は、「理屈は通っているが、物言いがひどい。物言い自体、大切な内容なんだよな」と。

 そもそも、わたしは、両者の思想とは遠い場所にいた。
 要は、党派であること自体、誤謬ではないのかと。
 が、「ま、今は、責められているほうに加担するしかないか」と直感を。

 ただ、責め立てられていた女性が、突然、大粒の涙を流し始めたのである。
 拭おうともせずに。
「えっ?」

 意外な展開だった。
「この場所でか?」

 当時売れていたアイドルのような顔立ちの女性。
 わたしは、驚いていた。
「ひでえことになっちまった」

 ほどなくして、論破されたことを認め、男性と部屋を出ていった。
 その後、どうしたか。
 記憶にはない。
 仲のいい友人に話したことを、うっすらと想い出しはしたが。

 ただである。
 ただ、「彼女は引きずるだろうな」と体感したことだけは、よく覚えているのだった。
 何十年も経って、「あのときもっと早くに加勢しておけばよかったな」と後悔しながら、わたしが想い出すぐらいなのだ。

 当時の他大学での陰惨な党派の争いのことを想えば、牧歌的だったとは言える。
 青春の一コマ?
 そうかも知れない。

 が、多数が少数を詰問する在り様は、ごめんだと。
 もちろん、相手が権力者であれば、その限りではないが。

 構造を変えれば、何とかなるなどという幻想は、ない。
 人が、それほど善人ばかりとは想えないし、善人だからこその悪という領域もある。
 とはいえ、変えたほうがいいこともあるだろう。
 そうしたことも想起を。

 どうか、今日も、ご無事で。


【追記/「ううむ心理今日だよな」】
 戦禍にコロナ禍、自然災害に人災。
 今年も暮れゆく。
「美しい音色に涙したナチスの連中もいたんだよな」
 ふいに想い出していた。

 佳き今日を。