深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

嫌なことばかり?/令和を生きる・8

嫌なことは多くある。
嫌なことだらけとも感じてしまう。
身近な些事から世界中の諍いまで。
逃げようがないから、始末におけないな。
ただ、1つひとつから去っていくようにすればいい、それしかないのだから。

▲『目立つ人』(写真)
ないよりあったほうがいい。
例えば、どぶ川。
赤い服の人が静かに目立ち、歩いていた。

www.youtube.com【将棋という世界・世界という将棋?/今日も少しだけ】
 将棋棋士佐藤天彦氏の発言を、新聞ガミで読んだ。
 何となく気になったのである。
 浅学につき、知らなかった。

 どうやら、AIとの勝負で名を馳せたようなのだ。
 クラシック音楽や西洋の美術、建築、ファッションにも造詣が深いと知った。

 驚いたのが、次の言葉だ。
 引用したい。

「AIは、人間らしさとは何かを問うてくるようです」といった質問に対して、こう応じていたのだった。
「ドイツの思想家ヴァルター・ベンヤミンは、複製技術が、芸術作品からアウラ(オーラ)をはぎ取ると言っていました。将棋で言えば、AIのようにその場その場の最適解を求めていく形だと一局一局が似てきて、一手一手、あるいは対局のかけがえのなさという一面が希薄になるように感じさせます」

 要は、「美しい棋面を作るためにも、一手一手、〈略〉人間の意図を離れて、論理やその場その場の最適解だけでは成り立ち得ないものがあると思います」
 可能性への愛を将棋で示そうとしているのだったが。

「へえっ」と驚き、嬉しくもなっていた。
 ヴァルター・ベンヤミンの名前を久しぶりに目にしたことが。
 何より、一回だけの生のかけがえのなさに想いを馳せている人がいるということに。

 どうか、今日もご無事で。


【追記/「さてっと」】
 お金やお金もないうえに、お金がない。
 お金がないにもかかわらず、お金がないのだ。
 だから、お金がないし、もちろん、お金もないのだったが。
 生きていくだけ。
 それでいいじゃあないか、お金がない。

 と記して、だいぶ経つが、相変わらずだ。
 いや、ひどい按配だが、生きている。
 佳き日々を。