深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

まだ生きている/老道・41

もうすぐお別れのときだ。
彼女は、彼の顔を視てから、その手を取る。
そうして、手を、自分の性器に持って行くのだった。
彼の閉じ続けていた目は一瞬、動いたかのよう。
夜には早い時間帯、居間は静かだった。