深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

今宵この夜2022/食卓慕情・42

親愛の情を交わす時間。
たとえ少人数であれ、テーブルを囲み。
ささやかだが手作りの料理に舌鼓を打ち、思わず感嘆してしまう美酒。
申し分ないときが漂っていく。
それだけでもう、何も入らない今宵この夜へ。

▲『石』(写真)
どすん。
音で表すと、そうなるか。
それにしても、「どうしてここにあるのだろう」。
不思議だったのだが。

▲『脚を組んで座す』(写真)
近隣の大学へ。
寒かった。
踊る学生、演奏する学生、本を読む学生を見かけた。

www.youtube.com

【彼を視る/今日も少しだけ】
 電車から下りて、歩いていた。
 目の前には、いつも逢う、老い始めた男。

  姿勢がよい。
 つくづく。
 スッと立って歩いていく。

  通勤で、同じ路線を使っていた。
 いつのころからか、気になりだしていたのである。
「どの駅から乗ってくるのだろう」
 東京・杉並を住居としていることは、分かった^^。

  わたしは始発駅を利用しているため、座っている。
 彼は、立ちっ放し。
 仮に、座席が空いたとしても。

  通常なら快速を利用してもいい路線だが、彼も、わたしも鈍行だ。
 彼は立ち続けている。
 本を読んだり、スマホを覗いたりはしない。
 ただ、立ち続けている。

  目的の駅に着く。
 彼は、ルールやマナー、エチケットを守り、階段を姿勢よく、落ち着いて、静かに下りて行く。

  そうして、乗り換えの電車を待つ。
 わたしは、階段を、さらに下りて行く。
「ああ、今日も彼と逢えたな」と。

  どうか、今日も、ご無事で。 


【追記/「さてっと」】
 普段、テレビは視ない。
 ただ、今、視ている。
『エルピス』だ。
 評判を読んだからである。
「すべてを公然とせよ」
 昔の言葉を想った。

 佳き今日を。