深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

ここから始める/令和問わず語り・73

わたしが知っていることは、特にない。
強いて言えば、わたしのことぐらい?
それさえ覚束ないものだ。
となれば、他者のことなど、どれほど分かっているのか。
分からないといった場所から始めるしかない毎日。

▲『コップ』(写真)
何の変哲もない写真。
ただ、とても印象深かった。
というのも、コーヒーを飲み終え、「さて」というときのことだ。
葉がふいにテーブルの上に落ちてきたのである。
「へえっ」
人さまに関心はもたれない。
しかし、わたしには大切。
「まるで人生の如しか」
そんなことも感じつつ、シャッターを押したのだった。

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【目を閉じる場所/今日も少しだけ】
 電車に乗る。
 運よく座すことができた。

 そこへ、杖をついた人が乗り込んできた。
 白髪のわたしの前に立つことは避けて、優先席のほうへ。

 一斉に目を閉じる人々。
 何と、老いた人でさえ。
「あはは」

 杖をつく人は、杖で床を打ち鳴らす。
 が、誰も目を開けようとはしない。
 熟睡感を放っている。
 杖の人は、場所を移動していく。

 すると、都合よく、若い女性が席を立つ。
 譲った風でもなく。

 優先席のほうをうかがう。
 すると、熟睡していた人は、すでにスマホをいじっていた。

 どうか、今日も、ご無事で。

 【追記/「あらま」】
 ひえええっ。
「また通うのか」
 歯の調子が悪いのだった。

 佳き今日を。