深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

食事を共に/老道・212

食事の介助を。
車椅子の高齢者で、認知症なのだった。
まず、ぬるいお茶を。
そうして、意識のみならず、無意識を探りながら、主食や副食を、順番にゆっくり口へ運んだ。
問えば、微かな声で、「美味しい」と。

▲『落下物』(写真)
「あっ」
落ちていた。
他には見当たらなかった。
木にも。
見放されたのか。

www.youtube.com認知症の時代/今日も少しだけ】
 認知症
 今後も、長く課題であり続けるのだろう。

「ただ」と。
 ただ、基本で忘れてはならないことがある。

 何か。
 認知症の人もまた、祝福されていいし、感謝されてもいいということだ。

 言葉が届いていないことを、今、体感している。
 要は、唾棄の対象ではないということを言いたいのだった。
 今や、情勢は真逆なのではあるが。

 どうか、今日もご無事で。


【追記/「あらま」】
「お父さん」と呼ばれる爺さんが、そこらにいる。
 中には、ときおり、混乱している爺さんも。
 要は、「こいつは俺の娘なのか、息子なのか」と。

 ある日、姓で呼んだ、
 すると、犯罪者にされてしまった。
 認知症なのだったが。
 佳き日々を。