深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

忘却の力/身体から・222

嫌なことを体験後、生きているのだったら、どうしたらいいのか。
忘れるしかないのだろう。
どうやって?
言いたくはない言葉だが、時間もまた、手助けしてくれるのだったが。
今日もまた、ストレスの中で歩く。

▲『立ち止まる』(写真)
近所の桃源郷
いや、想像のか。
惹かれている。

www.youtube.com【合掌/今日も少しだけ】
「これからはもう、ろくなことないだろうな」
 いつのころからか、そう、想ってきた。
 が、嫌なことが実際に起きてしまうと、穏やかではいられない。

  葬儀があった。
 高校時代からの友人のである。

 つい最近、暑い最中に、お茶を一緒に飲んだ。
 コーヒー屋のガラス窓の外には、すっかり変わってしまった風景。
 が、道は変わっていない。

 わたしは言った。
「あっという間だったな」
 彼は、黙っていたか。

 高校のとき、エレキギターを持っていた。
 わたしは珍しくて、手にしていたものだ。
 彼の部屋で、岡林信康氏の『私たちの望むものは』を放歌高吟したことを覚えている。

 彼のセンスは違っていたが、許してくれていたのだろう。
「仕方ねえや」と。

 医療従事者だった。
 裏話を、面白おかしく、語ったものだ。

 彼が死んだとの知らせを受け、誘う友人を想起した。
 が、その友人もまた、亡くなっていたのだ。
「いずれ、おれの番か」

 それにしても、これからというときだったのだ。
 たまには、ゆっくり呑みたいと想っていたのである。
 わたしの父親と同じ、膵臓がんだった。
 合掌。

 どうか、今日もご無事で。


【追記/「さてっと」】
「これからはもう、ろくなことないだろうな」と言い聞かせてきたのだと、気づかされた夜。
 月が、恨めしい。
 佳き日々を。