深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

ともに歩いていても/歩く・60

一緒にいる。
が、しかし、別々な存在だ。
だからこそ、一緒にいられるのではと。
もし同じだとしたら、逆に気持ちが悪いのではないか。
山道をともに歩いていても、まったく同じ道を歩いているわけではない。

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▲『あたたかい場所とさむい場所』(写真)
「さぶっ」
わたしのいるところは寒かった。
とはいえ、集合住宅の居間にはまだまだ、陽射しが。

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▲『親子』(写真)
自然の中の情景。
仮に喧嘩していたとしても、和んだ雰囲気が。
木々の効用か。

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【「元気でな」/今日も少しだけ】
 朝。
 通勤電車で座っていた。

 隣に座した青年のひじが当たる。
「おいおい」

 視れば、パソコンに向かっていたのだった。
「何だかなあ」
 注意をしようかと。

 が、しないでおいた。
 賃労働に追いかけられていることが、明々白々だったのである。

 新宿駅に到着する少し前のことだ。
 どこぞにデータを送付できたようである。
 静かにパソコンを閉じていた。

 駅に着く。
 プラットホームは、コロナ禍なのに混んでいた。

 彼は、パソコンを鞄にしまい終え、人々の中へ。
 振り返り、視線が合う。
 特に何もない。

 が、振り返ったこと自体がすでにして、挨拶のようなものなのだろう。
 わたしは、すぐに下を向いて、マンガ『ブルージャイアント』を読むのだった。

 どうか、今日も、ご無事で。


【追記/「さてっと」】
 年末か。
 今年も、やけくそか。
 賀状である。
 始めなければならないのだったが。

 佳き日々を。