深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

素通り?/令和問わず語り・53

よく言われる心の闇という言葉。
が、聴覚・視覚を通し、飛び込んでくる事件の数々を素通りしていく。
脳髄を守るためか。
もはや闇でさえない条件反射の剥き出し。
「おれだけでは解決できない」と呟きながら。

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▲『梅』(写真)
近隣の公園で。
においが誘う。
「春よ、来いっ」

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▲『足元』(写真)
踏みしめる。
弱りつつある足・脚で。
地から伝わるものがあった。

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【感染者の苦しさ/今日も少しだけ】
 感染予防に努めていた方がいた。
 自宅でも二重マスク。
 当然、3密は回避を。
 室内でも医療用の手袋をしていた。
 
 去年、お逢いしたときのことだ。
 触れたところはすべて消毒、「そこまでやらないといけないのか」と。

 つい最近、電話をした。
 何か様子が違う。

 どうやら、電話をしたその日、感染が分かったというのである。
「味わったことのない辛さ」と、声を落とした。

 からだのつらさもあったのだろう。
 が、何より、「たった1人というのは、つらいものだね」。
 孤独感と言うより、孤立感への戸惑いを含めた絶望。

 話は尽きない。
 努力が報われなかったことが加味され、気落ちは当然だとしても。

 一方、陽気に呑み歩く人もいる。
 しかし、今にいたるまで、平気の平左なのだったが。
 運不運、ロシアンルーレットのようだ。

 昔、出逢った、「今日は今日の寿司を食う」という句がある。
 それに倣えば、「今日は今日の呼吸をする」といった按配か。

 それにしても、今にいたるまで、感染していない自分を幸運と言っていいものか、どうか。
 東日本大震災の後、助かった方と話していて、思わず、「よかったですね」と伝えた。
 が、彼女は言ったのだった。
「本当によかったのでしょうか?」

 己の不明を、今も恥じている。
 が、「生きていこうぜ」と言いたい衝動を捨て切れたわけではない。

 どうか、今日も、ご無事で。


【追記/「怖いぜ」】
 専門家があてにならないことは、今も証明されている。
 何より、今、それは困る、困るのだ。
 たえずの今なのだから。

 感染症の猛威から戦争の萌芽まで。
 何とかならないのか。

 佳き日々を、それでもなお。