深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

瞳/老道・170

道を聴かれる。
近道を、繰り返し説明した。
分かったようであり、そうでないようでもあり。
腰を伸ばし、首をそらしていた。
理解した老婆の瞳には青空が映っていた?

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▲『矢印』(写真)
この場所に来ると、想い出す。
クレーを。
そうして、うれしくなるのだった。

www.youtube.com

【年金について怒る若い人たち/今日も少しだけ】
 記憶力の低下。
 つい先ほど、しようと想っていたことを忘れることが増えた。
「あちゃあっ」

 そうした折、わたしよりはるかに若い世代の人たちの、時事放談とも言うべき番組を視た。
 ユーチューブでだ。

「何故、怒らないのか」
 そう言っていた。
 年金額が14~15万に対してだ。

「そうか、高齢者たちの喰い逃げを怒るのではなく、その安さに対して怒れと、叱咤する若い人たちもいるのか」
 新鮮だった。

 背景には、自分たちの将来への不安もあるのだろう。
 と同時に、さすがに暮らせない金額という認識から、哀れという想いもあったようだ。

 現在、高齢者たちで、働く人は多い。
 今や3割近くという記憶がある。
 現実はもっと多いとにらんでいるが。
 わたし自身、働いているのだった。

 生きがいのために働いている云々の、まあ、広告なのだろう、記事も増えているのではないか。
「嘘こけ」

 人生100年時代・生涯現役というわけか。
 年金のシステムが破綻している、そのことを隠蔽する方便と想うのだったが。

 それにしても、若者も生きづらいのだろう。
 が、高齢者の場合も、ことは深刻だ。

 そもそも、身心は弱り、賃労働の現場は少ない上に、病気は日常的だろうし、生活苦がすぐそこに待っているのだから。

 何より、賃労働のために、売り渡す時間が、すでにして短いのだった。
 要は、先がない。
「あはは、地獄じゃん」と苦笑をするしかない?

 高齢者が、雨の日も、風の日も、台風の日も、地震の日も、出勤していく。
 その姿を察知して、人々は果たして、希望は持てるのだろうか?

 どうか、今年も、ご無事で。


【追記/「いやあ、大変だぜ」】
 猛烈社員だった連中。
 老後に、焼き鳥屋で気軽に呑むことさえ、ためらう時代。
 アベノミクスの弊害は、拡大し続けるのだったが。
 佳き日々を。