深呼吸する言葉・ワナタベジンジンタロウ

おっさん中退・ジジイ見習い

雨が空から降れば2024/マザーネイチャー・86

雨が降る日。
大雨でなければ、木々の中を歩き出す。
濡れることが少なく、嫌な音を少なくしてくれる。
大木のもと、湯を沸かし、熱いあついコーヒーを飲む。
歩いていれば、身体は次第にあたたかくなっていく。

▲『雨が降る前』(写真)
小道。
いるだけで、愉しい。
この後も雨が降り出したが、ベンチに座り、お茶であたたまった。

www.youtube.com▲最近、よく聴いていた音盤がある。
 ビル・フリゼールも参加しているという。
 その中の1曲である。
 この甘ったるい孤独のようなもの。
「いいじゃあないか」と。


【夜遅く、走っていた/今日も少しだけ】
 夜、遅い夜。
 自転車で走っていた。

 2つの区を走り終え、暮らしている市へ。
 気づく。
「人とまだ、すれ違っていないな」

 考えるまでもなく、世間では休日の夜だ。
 しかも、自動車の通らない、どちらかと言えば、細い道を選んで走ってきたことも、影響していたのだろう。

 どこかで腰を下ろし、ひと息つけようか、どうかと。
 が、やめた。
 賃労働を終えたわたしには、また走り出す元気が消失しているだろうと、容易く想像できたからである。

 信号機が見えた。
 止まることにしたものだ。
 人はうかがえず、自動車もまた、走っていなかったのにも関わらず。

 立ったまま、ひと呼吸つけたかったこと。
 何より、信号機がひどくあたたかく感じられたからだった。

 どうか、今日も、ご無事で。


【追記/「さてっと」】
 帰宅後、即、眠ることにした。
 月曜日からの賃労働に備えたのだったが。
「呪われている?」かなんか想いつつ、枕元のライトのスイッチを切ったのである。
 佳き日々を。